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2010年12月06日(月)更新

5週目の熟成肉はクリーミィーでフレーバーな香りがした

熟成50日

「熟成」には、様々な諸説があり、
と畜後、枝肉となってから精肉になるまで期間を置いた状態を
熟成と呼ぶ場合が多い。

例えば、ボックスミートと呼ばれる真空状態の部分肉は
30日~40日の消費期限を設けているのだが、
これを熟成だと主張する店舗もあったりする。

早い段階で売れなくて、古くなった牛肉を苦肉の策で
熟成肉と冠につけているアイデアマンも時折いるようだが、

ここでいうところの熟成肉とは、
古くなった牛肉=熟成ではなく、意図的に熟成させる
という意味合いである。

ところで、熟成に対する考え方は、いろいろあるようだが、
サシの多い牛肉よりも赤身の牛肉が熟成には適していると
言われている向きがある。

ということは、A4やA5といった等級のものよりも
A3以下、もっというならばF1やホルスのほうが適している
ということになるのか?

すべての牛肉で試したわけではないので、
どれが熟成に向いているのかは、正直分からないのだが、

むかしは、枝肉を冷蔵庫に長期間吊るして
自然に表面が乾燥している状態のものを幾度となくみてきた。

その表面を削いで、すき焼き用にスライスしたりするわけだが
いまは、部分肉流通が主流なので、そのようなことが減ってきているのが
現状である。

これも自然熟成と言えるのではないだろうか?

よくよく考えると、部分肉があたりまえのように流通しだしてから、

「むかしの肉はうまかったのに、最近の肉は甘味がかけた肉が多い」

などという声をよく聞くようになった。

私の考えだと、むかしは自然に熟成がなされていたことを考えると
こういう仮説がたてられる。

と畜後、硬直解除されるのが7日~10日かかるため、それまでは
筋肉がすべてのミオシンがアクチンと結合した硬直複合体を
形成しているため非常に硬くなる。

さらに、硬直時の筋肉はpHが最も酸性になっていて、
保水性が悪いため食肉としては適していない状態といえる。

しかし、実際には、と畜後すぐに(枝肉になってから翌日とか)精肉にしても
たいした問題はなく、柔らかさも旨さもある。

これは、サシの多い黒毛和牛だから成せることなのか、
正直分からない部分ではあるが、

1週間も、2週間も枝肉のまま冷蔵庫で保管することは
現在では稀で、早出しが多いのがどこの店舗でもあたりまえだと思う。

ということを踏まえて考えると、
サシの多い等級上位の牛肉は、硬直解除されてすぐに精肉にしても
問題はないが、等級の低い赤身系の牛肉ほど長期熟成が向いているのでは
ないかと思う。

40日以上熟成させた牛肉は、生クリームのようなフレーバーな香りがするが
枝肉の選定を見誤ると、肉が腐ってしまうことがある。

まずは、長期熟成に耐えうる枝肉でなければいけないし、
それを見極められる知識と経験が伴っていなければならない。

さて、前置きが長くなってしまったが、
5週目の熟成肉を自宅で焼いてみた。

焼く前に、生の状態で少し食べてみたが
チーズのような奥行きがある、なんとも甘美な味だった。

オーブンでじっくりと30分かけ、
そのあとはフライパンで強火にして焦げ目をつけてみた。

5週ともなれば、水分も抜け切り、アミノ酸が増えているので
旨みが詰ったような食感である。

柔らかさもほどほどで、とろけるような・・
とはいかないが、肉の旨みを堪能するには十分すぎる。

ここまで手間隙かけた熟成肉だが、
肉が好きで、ある程度いろんな肉を食べた経験のある方にしか
わかってもらえない味かも知れない。

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2010年11月27日(土)更新

料理とワインの相性

タン

そむりえ亭の樋口さんに調理をお願いしたのは、
熟成肉だけではなく、近江牛のタンもお願いしてみた。

タンといえば、タン塩のイメージが強いが、
はたしてどのように調理してくれるのか
興味津々といったところだ。

登場したのは、
タンのまわりを白菜が囲むという
斬新な料理だった。

樋口さんが料理の説明をしてくれたが
写真を撮るのに忙しくて聞いていなかった。

タンの食感がしっかり感じられる厚さなので、
クセのある味わいを楽しみながら、旨みも堪能しつつ
白菜との相性もバッチリである。

ワイン

あわせるワインはこちら

ワインだけ飲むと、薄いというか物足りなさを感じるのだが
料理とあわせるとおもしろい味に変わる。

さすが樋口さん、最高のマリアージュです。

いつも言っていることだが、
ワインのソムリエに学ぶところが多く、

うちの社員にも、
まずは、お客さんに何を聞かれても答えられる知識、
そして熱く語れるぐらいの情熱をもって接してほしいと指導している。

商品力も重要だが、最後はモノはだれから買いたいか、

そこに尽きると思う。

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2010年11月26日(金)更新

熟成肉を心斎橋のそむりえ亭で調理してもらう

saz

熟成肉について、田園調布「中勢似」の加藤さんにお話を伺ったとき、

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うまく熟成が進むと、通常の牛肉で感じることができない風味が得られ
組織が変化することにより、アミノ酸が増し、奥行きのある生クリームにも似た
フレーバーな食感、そして甘味を感じることができる。
-------------------------------------------------------------------

ということをおっしゃっていた。

4週間をすぎたあたりから、奥行きのある肉本来の旨みは感じることができた。
問題は、その後であるが、どこまで熟成をさせれば求める味になるのかは
まだまだ分からない状態である。

これは、個体が持つ能力にもよるところが大きいと思う。

今回選んだ枝肉(但馬系で木下牧場産)は、長期熟成に耐えうることが
分かった。(写真のものとは異なる肉である)

偶然だったのかも知れないが、枝肉の状態で水分が少なく、
小ぶりのものを選んだので、あながち間違いではなかったということだ。

ちなみに写真の熟成肉は、あくまでも個人で楽しもうと思っていたのだが
店頭にディスプレー的に陳列したところ、どうしてもというお客さんがご購入された。

さて、45日を過ぎた熟成肉は、まだまだ進化しそうな勢いだったが、
ちょうど、友人達との食事会に合わせて、会場となる西心斎橋の「そむりえ亭」
樋口さんに料理をお願いした。

樋口さんといえば、大阪知事表彰「なにわの名工」に選ばれた
カリスマ的なソムリエで、ソムリエ協会関西支部長でもある。

ワイン単体ではなく、料理に合わせたワインのチョイスが抜群で
ワインに無知な私が、毎回感激するほどである。

熟成肉

さて、一通りの料理を食べ尽くし、
いよいよメインに登場した熟成肉

低温でじっくりローストされたサーロインは
肉本来のガシガシした歯ごたえを残しつつ、
艶のある色合いと甘美な香りをまとって我々を堪能させてくれた。

熟成肉アップ

通常、45日もすれば牛肉はネトがでたりして腐食するのだが
今回の熟成肉は試験的とはいえ、一切それがない。

ただ、表面を削るので歩留まりはよくないので
商売として考えると買い手を絞り込まないといけない。

それと、大量生産がむつかしいので
本当にわかってもらえる方だけを対象として販売しなければ
いけないだろう。

調理法もあるていどの知識がないと、
せっかくの熟成が損なわれる可能性が大きい。

でも、この味は一度食べるとクセになることは間違いない。

シェフ

熟成肉を料理してくれたシェフ

ありがとうございました。



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2010年11月06日(土)更新

熟成肉にチャレンジ

ribr

写真のリブロースは、骨付きのまま約1ヶ月たった状態でカットし
このあと試食してみた。

ご覧のように、リブといえばサシがよく入る部位だが、
赤身がちの格付け評価も散々たるものだった。

しかし、こういう肉が化けるのだ。
しっかりと熟成させてやれば肉は旨みを発揮してくれる。

ただ、枝肉の状態で水分が多いとうまく熟成してくれない。
それと血統が関係あるのか、熟成に向き不向きがあるように思う。
さらには冷蔵庫も水冷、空冷により若干の違いがあるように感じる。

試食した感想だが、歩留まりは良くないが、あきらかに肉の奥行きが広がり
旨みが増している。

この肉牛は、穀物主体の配合飼料は抑え目で
牧草主体で育ててもらった。

血統的にも大きくならない但馬系ということもあり、
あとは、熟成期間に耐えられる牛を育ててもらうことが
必須条件である。


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1961年、父と母が京都にて繁殖に成功。玉のような可愛い赤ちゃんとして生誕。現在、中年おっさん道を順調に歩んでおります。

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