近江牛.com (株)サカエヤ 新保吉伸の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
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2011年09月27日(火)更新
近江牛のスネ肉(チマキ)
牛肉の部位でどこが一番おいしいですか?
これは本当によく聞かれます。
私が肉好きな方に同じ質問をすれば
ハラミとかカルビ、ヒレ・・・
こんな感じの回答が多いような気がします。
しかし、これらは焼くという料理法
いわゆる、焼肉メニューを想定した場合がほとんどだ。
私が思うには、部位は料理法によって
評価が大きく変わってしまう。
写真の肉は、右が豚肉で左が牛肉だ。
ちなみに、牛肉の部位はチマキといって
スネ肉で、肉屋ではミンチ商材として使うことが多い。
最近でこそ、焼肉屋さんでメニュー化しているのを
見かける機会が多くなったのだが、チマキはすごく味があっておいしい。
繊維が入り組んでいるので、薄めにスライスして焼くと
ミンチとして使っていたプロ達も新たな食感に驚いたりする。
しかし、写真のように煮ると、赤身特有のぱさぱさ感がでてしまう。
マズくはないのだが、おいしい部位の候補にはあがらないだろう。
このように、牛肉の部位は料理によって大きく変わるのだ。
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2011年07月03日(日)更新
牛肉の部位を知る~シンタマ(マル)~
「一頭買い」を看板にしている焼肉店が増えてきた。
一頭買いとは、枝肉から骨を抜いたすべての部位を買い取って商品として提供しているという意味だ。
しかし、実際には、問屋から一頭買い取った形をとり、使いにくい部位を引き取ってもらうという
納品伝票だけで操作する一頭買いが少なくない。
一頭買いを看板に謳っているのは、焼肉店がほとんどだが
滋賀県大津市にある、ダイニングMOOでは、一頭買いをして
そのほとんどの部位をステーキとして提供している。
さすがに、チマキ(スネ肉)やバラ系はステーキには適さないので
創作料理として煮たり焼いたりして商品化している。
写真のステーキは、シンタマ(マル)だが
赤身と脂肪のバランスが絶妙で食べ飽きない味だ。
同席していた肉好きのメンバーも
これがシンタマなのかと驚いたほどだ。
ラムシン、ヒレと間違うほどだった。
シンタマは、関西ではマルといい、場所は 内モモの下位にある球状をした赤身肉です。
丸い形状から「マル」と呼ばれるようになったとか。
すき焼き、しゃぶしゃぶに使うのが一般的だが、 分割して焼肉商材としても使うことがあります。
分割した場合、マルシン・マルカメ・マルカワ・ヒウチ(トモサンカク)にわかれます。
ダイニングMOOでは、野菜も肉もすべて地元産にこだわり
生産者との太いパイプにより実現した、いわば作り手の声が反映した店でもある。
肉は木下牧場のものだけを扱い、できるだけ赤身の肉を要望する。
格付け的にはA3がベストだ。
A4、A5はサシが入りすぎて日本人の咆哮に合わない。
これは私の考えだが、サシがたくさん入った肉は
1~2切れで十分満足してしまい、次第に食べ疲れしてしまう。
楽しい食卓ではなく、疲れた食卓になりがちだ。
早食いの方だったら、それこそ5分、10分で食べ終えてしまうのではないだろうか。
それよりも、1時間、2時間かけてじっくり肉を楽しみ、会話をはずませたいものだ。
健康志向で注目されている赤身肉だが、もちろんそれだけではない。
香ばしい肉の香り、噛みしめるごとに溢れる肉汁
会話中であれ、もう一切れと無意識に手が止まらなくなる。
柔らかいから良い肉という思い込み、そろそろ卒業してみませんか。
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2011年06月28日(火)更新
牛肉の部位を知る~カイノミ~
ナカバラから切り出した形が“貝の身”に似ていることから“カイノミ”と呼ばれています。
適度なサシが入っていますが、ヒレに近い部位なので肉質は柔らかく、あっさりとした味わいです。
赤身肉が好みで、なおかつ霜降り肉の柔らかさを求める方におすすめです。
個人的にも好んで食べる部位のひとつですが、
とにかく喉越しが良く、肉の旨みをじっくり堪能することができます。
4~5切れを生で食べたあとに、少し赤身が残るぐらいに焼きあげるのですが
とにかく旨い!
赤身でサシが入りやすい部位だが、ロース系とは異なった
赤身肉特有の歯ごたえを残しつつ、サクサクッとした柔らかさも堪能できます。
肉のサシはその牛の血統で決まり、味は飼料で決まるといわれています。
格付け上位の枝肉からとれるカイノミともなると
ロースなみにサシが入っているのだが、
それでもくどさがなく、胃もたれを感じさせないのがカイノミの魅力でもあります。
とれる量が少ないので、焼肉屋さんでも見かけることは稀だと思いますが、
一頭買いをウリにしている焼肉屋さんでぜひ問い合わせてください。
「カイノミ」おいてますか?
「え?カイノミ」
「なにそれ?」
「置いてないです」
と言われたら、
「ほんまに一頭買いですか~?」
と、やさしく言ってあげましょう。
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2011年06月27日(月)更新
牛肉の部位を知る~ステーキ~
A-4はいわずと知れた格付けで
BMSは、ビーフマーブリングスタンダード(霜降り度合い)といい、
12段階あるうちの7番目という意味だ。
1(サシが少ない)~12(サシが多い)
A-5 BMS12が最高ランクで、チャンピオン牛ともなると
このレベルです。
詳しくは→こちら
しかし、私はチャンピオン牛にはまったく興味がない。
数年前までは、格付けを優先して購買していたこともあったが
牛舎を見たり、牛の勉強をしていくうちに、まったく興味がなくなった。
それよりも、信頼のおける生産者が育てた健康な牛の肉こそ
自信を持って販売できるし、格付けに左右されるのは本来ならばおかしな話なのだ。
生産者は、格付け上位のほうが高く売れるので、
A5を目指して肥育するわけだが、いままではそれでよかった。
しかし、ここ最近の動きを見ていると
A5評価の枝肉に高値がつかなくなってきた。
景気が悪くて高価な肉が売れないということもあるが、
消費者が霜降りの肉を求めなくなってきたのも理由のひとつだと思う。
牛の仕上がりは、エサや環境などに影響されるが、
それらはほんの一部で、90%は血統で決まるともいわれている。
ほんとがどうかは分からないが、私が記録している食味評価によると
福之国の血統が入った牛肉はおいしい。
普通は、これだけサシが入った肉は好みではないのだが
血統と懇意にしている橋場牧場の肉ということで仕入れてみた。
サーロインは、リブロースに続く背中の部位で上部腰肉である。
サーロイン(sirloin)の命名については
イギリスのヘンリー8世に由来するという説があるそうで、
食道楽として有名なヘンリー8世が食べた腰肉(loin)があまりに美味しくて、
サー(sir)の称号を与えたというものだ。
牛肉のサイトや雑誌にも「サーの称号を与えられたからサーロイン」と
書かれていることがほとんどだが、これは俗説だという話もある。
実際に「サーロインステーキ」と言うのは、
イギリスでそう呼ばれるよりもっと前からフランス語の
『シュールロンジュ』(surlonge)に由来するという説もある。
上(シュール)のロンジュ(背肉)と言うことで
それが英語読みになって「サーロイン」と呼ばれるようになったといわれている。
サーロインの特徴は、写真のようにサシが入りやすいことから
ステーキはもちろんのこと、すき焼きやしゃぶしゃぶにしても美味である。
ステーキにした場合、平均のカットが200gだとして
完食するには一苦労する。
霜降りといっても脂だから、
くどくて食べられない。
そんなことを言ってしまえば元もこうもないのだが、
そのあたりを目利きするのが肉のプロの仕事なのだ。
サシが入っていてもあっさりとした食感の肉質を探し出すのが
目利き力であり、長年の経験がモノを言うのである。
業者からパーツ買いしているだけでは
こうはいかない。
さて、ステーキを購入検討されている方から問い合わせが多いのが
焼き方だ。
肉を焼く方法は多岐にわたり、時間をかけ空く雑な工程を経て
肉にストレスをかけないように・・・・
専門的に言えばこんな感じになるのだが、
むつかしく考えることはなく、フライパンで豪快に焼けばOKなのです。
コツは、肉から脂がでるので、高温で揚げるように焼くことです。
昔のようにサーロインをガブッと食べたいが
年のせいか最近は赤身しか食べられない。
そんな方におすすめしたいのが、味噌漬けです。
これなら、サシの多いサーロインでも200g完食できます。
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2011年06月06日(月)更新
牛肉の部位を知る~リブロース~
ロースの中央部で、カタロースとサーロインに挟まれた部分で
リブロースのリブ(rib)は肋骨の意味です。
雑誌などの説明で、ステーキにも使えると書かれていることもあるが
実際には、サーロインに比べて判(断面)が広いため無理がある。
特に、昨今、生産者は牛を大きく育てる傾向があるので
枝重が500kg以上ある牛のリブロースではステーキに不向きである。
1枚200gが基準として、リブロースをステーキカットすると
焼肉用よりも薄くなってしまう。
分厚くカットしてこそステーキの醍醐味なので、
リブロースより、サーロインがおススメである。
ただし、但馬系あたりの小ぶりなリブロースは
その類ではない。
もしくは、断面が大きなリブロースの場合、
「かぶり」を外してしまえば問題ない。
とはいっても、私はリブロースはすき焼きにしてこそ、
そのポテンシャルを最大限に発揮できるものだと思っている。
味は、カタロースよりも濃厚で、脂の旨みが堪能できるので
肉好きには、ぜひリブロースですき焼きを試していただきたい。
良いものを少しだけという方や、
濃厚なすき焼きがお好みの方におすすめです。
ブロックだとこんな感じです。
切りだしは結構脂が多く、サーロインに近くなると“かぶり”がなくなるので
脂が少なくなっていきます。
リブロースの芯にあたる部分をくり抜いた“芯ロース”です。
これだけ分厚くカットして焼いても、柔らかくて甘みも抜群です。
焼肉屋さんでは、こういうカットをするところもありますが、
肉屋では“芯ロース”以外の部分が売りにくいので普通はやりません。
すごく贅沢ですが、普通の部位では満足できない方は
ぜひ、一度お試しください。
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2011年06月04日(土)更新
牛肉の部位を知る~ヒレ~
赤身肉の最高峰「ヒレ」を2本、BBQで焼きました。
ヒレ2本というと牛一頭分です。
こんな贅沢は、肉屋じゃなければ少し頭がイタイ人だと思われそうな行為です。
やや分厚くカットして備長炭で焼かれたヒレは
柔らかいだけではなく、肉を食ってるぞ!というダイナミックな食感があり、
外で食べてる非日常的な空間も重なって、最高の味わいでした。
ちなみに、ヒレはサーロインの内側に位置し、腰椎に沿った肉です。
フィレとも呼びますが、フィレは(flet)は、フランス語です。
英語名では、テンダーロイン(tenderloin)と呼びます。
とにかく働かない筋肉なので、「ende=やわらかい」のです。
18~19世紀のヨーロッパで辣腕外交官として活躍し、
ロマン派に大きな影響を与えた作家、シャトーブリアン。
彼は、ヒレでも特に真ん中、芯の部分を好んだことから
彼にちなんでこの部分が、シャトーブリアンと呼ばれたそうです。
フランス人だからピッタリハマるネーミングだが
これが日本人だともっちゃりしている。
日本の辣腕外交官だったら、
西園寺公望、小村寿太郎、幣原喜重郎、野村吉三郎・・・
てゆうか、呼びにくい。
参考のためにヒレを細分化したときの呼び名
切り出し部分を「テート」
真ん中を「シャトーブリアン」
後ろ部分「フィレミニヨン」と呼びます。
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2011年06月01日(水)更新
牛肉の部位を知る~ハラミ~
焼肉の人気メニューといえば、ハラミははずせないだろう。
ロースやカルビはだれもが知っているが
ハラミを注文すると通な感じがしないでもない。
しかも、ハラミは横隔膜だということを知ってる人も多く、
牛肉ではなく内臓に分類されるんやで~
なんて言われた日にゃ、惚れてまうやろ的な感じになるかも知れない。
もう少しハラミを詳しく解説すると、
横隔膜は、胸部と腹部の境にある筋肉性の膜で、肺の呼吸作用を助ける器官です。
上質になるほど、身が厚くなりサシもよく入っている。
ロースやカルビよりあっさりしているというイメージがあるが
サシが入っていれば、あっさりもなにもない。
くどいに決まっている。
そりゃ、2切れ程度ならパクッといけるだろうが
脂が多くなればなるほど重たくなるのが普通だ。
少し話がそれるが、和牛の場合も同じで
雌牛は融点が低いからサシが入っていてもあっさりしていると思い込ませる節があるが
そんなことはない。
融点が高かろうが低かろうが、サシが入れば入るほどクドいに決まっている。
こんなのは売り手側の勝手な押し付けで、結局は食べ方であり、食べる量なのだ。
20年ぐらい前かな、焼肉といえばロースとバラ(カルビ)しか
メニューになかった時代があった。
もちろん、現在と同じように、ウチヒラもソトヒラも、
さらに細分化したヒウチやイチボ、ミスジも存在した。
しかし、当時はネットもなく情報も一方通行だったため
モモもカタも希少な部位もロースやバラに混ぜて売られていた。
市場が大きく変化したのが1991年4月だ。
牛肉の自由化により、米国産のハラミが安価で市場に出回わりはじめた。
すると一気にハラミの需要が増え、しかも安価なものだから
食べ放題の焼肉メニューを支えるまでに成長した。
それ以降は、「ハラミ=安い肉」というイメージが強くなり、
ハラミは安い牛肉の代名詞になっていった。
かたや和牛のハラミはというと、
いまでこそ希少扱いされ入手困難な部位として重宝されているが
当時はそれほど和牛のハラミに執着がなく、
どちらかといえばロースの脇役扱いだった。
しかも、ハラミは内臓肉に分類されるため、
業界的にも世間的にも格下のイメージとして扱われていた。
いまでこそ「ハラミ」という料理名が確立しているが、
当時はロースの名前で出していた店も多かった。
ハラミは、一頭の牛からわずか2kg程度しかとれないため、
メニューとして成り立たなかったというのが理由だ。
話を輸入牛のハラミに戻そう。
BSE以降は、米国産のハラミが入手しなかったため
一時期、市場から消えた状況が続いていたのだが、豪州産がとってかわり
いままた米国産の復活、そして安価なニュージーランド産などが出回るようになった。
安売りの焼肉屋やネット通販でみかけるハラミは、
100%この類のものだ。
ハラミは内臓なので変色が早く、すぐに色変わりしてしまう。
そのためにたれに漬け込んで販売されていることが多い。
しかも、輸入牛のハラミは、赤身が多く、ほどよく柔らかいので
売り方に工夫さえすれば、セール品としてもってこいなのだ。
もちろん、当店ではこういった商品は扱っていないし
個人的にも、食べることはない。
私の考え方は、現在流通している牛肉でマズいものはない。
どんな牛肉でも、そこそこおいしく食べられる。
また、基本的に、食べられないものは販売していない。
しかし、価格ばかりに目がいってしまい、生産国や産地
もっと言えば売り手の顔さえ見えないものがある。
ネットショッピングはそれらを演出しやすい。
食べ物の本質は、価格ではなく、流通が明確で、作り手、売り手の顔が
みえる商品こそが安全であり、安心なのだ。
なにか事件が起こったときだけ、こういったことがクローズアップされるのだが・・・
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2011年05月20日(金)更新
牛肉の部位を知る~外バラ~
外バラ、中バラを総称して「トモバラ」と呼びますが、
ここからとれるのが、いわゆる「カルビ」という焼肉の定番中の定番です。
カルビは種類が多く、ソトバラについているササミや中バラについているカイノミも
カルビとして商品化されていたりします。
写真は、中バラですが場所的に言うと腹の上側部分で、
赤身と脂肪がきれいに重なっているのが特長です。
非常に使いやすい部位ですが、写真の部分とカイノミをとってしまえば、
脂の多いプレート状の塊が残ってしまい、切り落としやカレー用として使われます。
一頭買いすると、どうしても使いずらいのがこの部分。
年末年始なんかは上物ばかりが売れるため、この部分が残ったりするのです。
当店では、上質のモモ肉に巻き込んだ「合わせ切り」として販売していますが、
これが好評で、余るはずの部位がときどき足りなくなるぐらいなんです。
さて、もう十年以上も前のことになるのだが、ある商社の冷凍庫で輸入物のバラを大量に
見たことがある。
その頃は私も輸入物を扱っていたので、興味深々だった。
何に興味をもったかと言うと、バラといっても、ササミやカイノミなど売れる部分をとったあとの
脂だらけの使い物にならない部分だけが大量にあったからだ。
しかも冷凍だし、いったい何に使うのかと思ったのだが、
担当者に聞くと、アンガスとヘレフォードがほとんどで、ショートプレートという商品名だと
教えてくれた。
その後、ショープレと略して呼ばれるようになり、脂が多いことからアメリカ人は嫌った。
そこに目をつけたのが、日本の企業で日本向けにカットしたこの牛肉(トモバラ)を
ジャパニーズ・カットと呼び、さらに特殊なカットを施したものを「吉野家スペック」と呼んだ。
幅22.5センチ、長さ50~60センチの9インチカット(吉野家スペック)は、
米国の大手ミートパッカーを通して、大量に輸入されていた。
ショートプレートは牛一頭から約10キロ程度しかとれないので、
吉野家が年間に輸入する量を頭数に換算すると、約300頭分に相当すると言われていた。
私は、和牛を専門に扱っていたのだが、輸入牛肉にも結構詳しかった。
これは私が進んで勉強したのではなく、覚えないといけないという切羽詰まったものだった。
このあたりは何かの機会に書きたいと思う。
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2011年05月19日(木)更新
牛肉の部位を知る~イチボ~
写真は「イチボ」です。
本来ならばモモ肉なので赤身が多い部分なのだが、
イチボは格付けにもよりますが、意外とサシが入りやすい部位なのです。
場所的には、サーロインにつづく、腰から尻、モモにかけての部位をランプといい
イチボはそのうちの尻の骨まわりの部分になります。
さて、赤身肉のことは、このブログでも何度も書いてきましたが
最近読んだ本にこんなことが書かれていました。
赤身肉には、鉄分が多く含まれていて、肉に含まれる鉄分は吸収力の高いヘリウム鉄で
植物に含まれる非ヘリウム鉄より吸収力が高いとされている。
特に成長期の子供にとって健全な脳の形成に不可欠な栄養素で、
記憶力や集中力の向上には補給が大切である。
また、お年寄りにとっても鉄分の補給はボケ帽子のために欠かせない。
低カロリー、低コレステロールの赤身肉は、
現代人にうってつけの肉だといえる。
ぜひ、霜降り信仰から脱却し、赤身肉に目覚めてみてはいかがだろうか。
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2011年05月18日(水)更新
牛肉の部位を知る~みすじ(三筋)~
写真は昨夜の晩御飯です。
各部位の端材ばかりを集めてステーキ風に焼いてみたのですが、
柔らかいものから硬いものまで、
バリエーションに富んでいて、けっこう楽しめます。
自分でカットした肉なので、焼いてあっても
どれがどの部位なのか分かるのですが、この中に「みすじ」という部位が
混ざっています。
原型はこんな型です。
みすじ(三筋)は、肩ウデの一部で肩甲骨の裏側にある肉です。
一頭から平均5kg前後しかとれません。
しかも、写真のように、サシがよく入った部分は
わずか1.0kg程度しかとれないため、希少部位として少し高めの値段設定で
販売されていたりします。
グルメ雑誌なんかでは、“幻のみすじ”で紹介されていたりします。
幻というほど大げさなものでもないのですが、
希少部位であることから、誇張した表現になっているのでしょう。
みすじと言えば、なんといっても刺身や寿司ネタとしてもよく使われています。
これがたまらなくうまいのです。
わさび醤油で食べる、あのとろける食感は思いだしただけでも生唾ものです。
しかし、今後しばらくは生食の提供が困難なため、
残念ながらステーキなどの“焼き”で食すことになるでしょう。
まさしく“幻のみすじ”となりそうです。
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