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安さを追い求めたら安物しか残らない

投稿日時:2011/05/14(土) 08:27rss



社長、チョメチョメ新聞から電話ですよ。


お、取材か!


と、喜び勇んで電話にでると

今回の事件について意見を聞かせてほしいと。

そんな電話がもう何件かかってきただろうか。
 

2年ほど前のことだが、業務用サイトをご覧になって
取引したいといってきた焼肉店があった。

一度会って話しをしたいというので、
数日後、当店に来てもらった。

焼肉屋の社長は、既に近江牛を使っていることと
開業から仕入れに至るまでの経由、さらに売上までしゃべりはじめた。

メニューもみせてもらったが、私の嫌いな食べ放題がメインだった。

社長曰く、売上は上がっているがまったく儲かっていない。
そこをなんとか改善したいので力を貸してほしいということだった。

力を貸すもなにも、高く仕入れて食べ放題やっていたら儲かるどころか
そのうち潰れますよ。

私はそう言って、まず食べ放題をやめましょうと提案した。

数ヵ月後、焼肉屋の社長から食べ放題をやめたと言って電話がかかってきた。

この店は、近江牛のA4アップ~A5の格付けにこだわっていて
売上があがるからと食べ放題に走り、挙句の果てに資金繰りに困ったというわけだ。

近江牛ブランドで付加価値をつけるのは別段珍しいことではないが
売り方が食べ放題では長続きしない。
 

近江牛に限らずブランド和牛は大量生産ではなく、ある程度希少だからこそ魅力がある。
しかも生産者が手間隙かけ、産地近郊でしか食べられないからこそ希少価値があるというもの。
 

ところが、売れる商材はだれもが欲しいし販売したい。
そこにメディア戦略を絡めてヒットでもしようものなら一気に加速してしまう。


「良いものを安く売りたい」


商売のやり方なので否定はしないが、「安い」を追い求めると最終的には「安物」しか残らない。

決まった部位を大量に仕入れているから安価な仕入れが実現できる。

よく聞くことだが、そんなはずはない。

例えば、12月はサーロインやヒレの需要が高まる。
大量に仕入れるからといっても、肝心のモノがないので値段ウンヌンではないのだ。
需要に供給が追いつかないのが、この業界の12月だ。

需要が少ない部位、つまり余っている在庫品であれば投げ価格で仕入れることは可能だろう。
しかし、それも在庫が底をつけば終了となってしまう。

なにもブランド和牛だからということではなく、黒毛和牛でも同一部位を仕入れ続けるには限界がある。
要望にすべて応えようとすれば、フードチェーンといわれる生産段階、加工段階、卸段階、小売段階を通して
何らかの行為が行われるようになる。

その結果、原料生産以上の商品がマーケットに並ぶということになる。

輸入牛の肉なら可能だが、和牛では限度がある。

分かりやすい例をあげると、和牛のタンはほとんど出回っていない。
国産牛のタンも同様だ。
(流通ルートをしっかり確保している店は別だが)

しかし、焼肉屋に行けばタンは必ずメニューに載っている。
もちろん輸入モノだが、これは日本と米国、豪州などの諸外国とでは屠畜量が違うためだ。

書きだしたらきりがないが、
なにを行うにしても、最終的には人がやることなのでモラルの問題であり
品質管理、チェック体制などの仕組みをつくり、維持していくことに尽きるかと思う。

 


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コメント


まいど!

<なにを行うにしても、最終的には人がやることなのでモラルの問題>

刺さりました。
労務管理も同じです。

法律云々ももちろんありますが
それが人としてどうやねん、という判断をするのは
その人自身です。

仕事だけではなく普段から「ここだけはダメ」という
自分のデッドゾーンの線引きをきちんとやっていきたいです。

昨日は綺麗なお花を贈っていただきありがとうございました!
いよりんのセクシーショットは寺田さんのブログにて(笑)

Posted by いよりん at 2011/05/14 12:14:09 PASS:

まいどです。

法律は作るのも人やし破るのも人やしね。

ほんまは参加して手渡したかったんですが
残念でした。

セクシーショットは朝から拝見しました。

おかげで食欲なくなりました(笑)

Posted by 新保 吉伸 at 2011/05/14 14:31:15 PASS:
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