近江牛.com (株)サカエヤ 新保吉伸の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
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適正価格とは、そして持続可能な商売の在り方とは
3月は人前でお話しする機会が多かった。
ようやく机にゆっくりできる時間ができたので
昨夜は久しぶりに、お気に入りのイタリアンの店にでかけてきた。
写真は、牛肉にいく前の海の幸カルパッチョだ。
あいかわらず、うまい!!!
さて、各地での講演で「適正価格」について少しお話しさせていただいたのだが
私が思うには、ここ20年間、商品は安ければ安いほうがよいという時代だった。
これからも、不景気が続く限りそういった傾向は変わらないだろう。
もちろん、私も一消費者として、安いほうがありがたい。
ところで、商品の価格はいったいだれが決めているのか?
これは、店側ではなく消費者であり、
結局は、売れそうな価格、売れる価格が値付けされて
結果、利益がとれるどころか、最終的には生産者にしわ寄せがいくことが多い。
数珠つなぎのようだが「しわ寄せ」について考えてみたい。
同じ黒毛和牛でも、近江牛や松阪牛、神戸牛のようなブランド和牛と呼ばれる牛肉と
冠のない和牛とでは、流通価格がかなり違ってくる。
しかし、ブランド和牛の相場は市場により多少の変動はあるものの
それほど大差はない。
ということは、本来なら各社の販売価格はある程度同じでなければいけない。
しかし、同じような商品でもスーパーと百貨店では、家賃や人件費など経費の
兼ね合いから当然ながら値段設定は異なる。
当店で100g2,000円ぐらいで販売している牛肉が、百貨店の精肉売り場で
3,000円とか4,000円で販売されていると、ついつい購入している方に
「奥さん、やめときなはれ」と言いたくなる。
しかも素性の不確かな和牛であったりするのだ。
もちろん、そんなことは言えないので、あくまでも心の中でのことだ。
販売価格について、今度はリアルからインターネットに目を向けてみると
同じようなブランド和牛でも、当店で100g2,000円のものが6,000円で売られていたりする。
どうやればこんな価格がつけられるのか?
本当にこんな価格で売れるのか?
消費者は買うのか?
買うとしたらブランド力なのか?
それとも、ページの見せ方が上手なのか?
いろいろと思うところはあるのだが、この手の店に限って
熱心にリスティング広告に投資しているケースが多い。
私は、広告が好きではないのであまり力を入れていないが
今回、近江牛.comをリニューアルするにあたりリスティング広告も少しやってみた。
しかし、牛肉関連のキーワードが高すぎることから
早々に手を引くことにした。
考えようによっては、商品を値上げして、その差益分を広告に振り分ければ
いいのではないか。
パートナー企業からそのような提案もあったのだが、お客様に広告代を負担させている
ような心苦しさがあり、却下した次第だ。
もちろん、広告を否定するわけでもないし、販売戦略の1つとしては大いにけっこうだが
私には、100g2,000円でも利益がとれる商品を、6,000円で販売することはできない。
それよりも、しっかりと想いのこもったページを作って
生産者・販売者・消費者が喜んでもらえるものを伝えていきたい。
そのためには、適正価格をしっかり商品に落としこまなければいけない。
商品を作る人、流通させる人、販売する人、そのすべての人たちが
その商品に携わることによって生活ができ、またその商品を作りたいという
意欲が湧く価格、それが適正価格なのだ。
100g6,000円で販売する商売が長く続くとは私にはとうてい思えない。
今回、毎週のように日本全国でたくさんの人の前でお話しする機会をいただき
私の想い、そして参加者のみなさんから強く感じたことを今日は書いてみた。
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