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TPPでどうなる日本?

投稿日時:2011/11/10(木) 14:29rss

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TPPについてどう思われますか?


ある雑誌の取材で、聞かれた。
本題は牛肉の取材だったのだが、ライターがTPPの記事も書いてるとのことで
私にも意見を伺いたいとのことだ。

まぁ、ええんちゃうの。

これが私の答えだった。

実はよく知らないのだ。
もちろんTPPという名前ぐらいはテレビから聞こえてくる暗号めいたアルファベットで知っていた。
しかし、なんのこっちゃが正直なところで、曖昧な返事をしてしまった。

ライターは、あ、ああ・・・・・

たった3文字でTPPの話は終了した。

なんか知らんが敗北感にも似た後味の悪さだけが残った。

その日の夜、やまけんさんのブログにTPPをわかりやすく解説した本はこれや。
みたいなことが書かれていて、やまけんさんも寄稿しているという。
早速、やまけんさんに連絡して1冊送ってもらった。

TPPで日本はよくならないというのを前提で、いろんな方の考え方、意見が載っているが
読んでも読んでも理解できないものから、なるほど!と電球に灯りがつくようなわかりやすい文章まで
多岐にわたり解説されている。

季刊地域(→クリック

移動中の雑誌や新聞で仕入れた薄い知識と合わせた私の意見はこうだ。

畜産以外の例えは難しくて私には理解しずらいのが正直なところだが
簡単に言うと、「参加した国が、お互いの輸出品にかけている関税を0%にする」という取り決め
がTTPなのだ。

正しくは「環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Partnership)」というらしい。

で、賛成だの反対だのと議論されている内容だが
いったい日本がTPPに参加することによって我々にどんな影響があるのだろうか。

そこがいま一つ分かりにくいのだ。
 

最も注目されているのが農業だが、日本は農家を保護するために
外国産の農産物に高い関税をかけている。

これがなくなれば、保護できないから当然反対となるわけだ。

例えば、こんにゃく1706%、米778%、バター360%の関税がゼロになったらどうなるだろうか。
アホな私でも分かるが、輸入農産物がめちゃくちゃ安くなる。激安だ。

そりゃ、野菜や青果のように鮮度が最重要視されるものであれば
安さに対抗できるが、穀物や粗糖は大きく影響を受けるだろう。

米だって、いまはパサパサの輸入米は毎日口にする日本人の口には合わないと言われているが
関税がゼロになるなら、日本の技術を輸出して国産米に近い味の短粒種が海外で生産されるように
なるだろう。そうすると安くておいしい輸入米に日本の米が太刀打ちできるはずがない。

生き残れるのは、高価なブランド米だけという声もあるが
それすら危ういと私は思っている。

BSEだ、放射性セシウムだとあれだけ騒がれても
安売りの肉に飛びつく消費者がわんさかいるのが現実で
安全な肉を求めながら安売りに走る消費者に何度首をかしげたことか。

BSE問題で10桁の個体番号の表示が義務付けられたが
畜産業、肉屋、焼肉屋など肉がメインの職種にだけ適応で
それ以外の外食産業には義務化されていない。

例えば、居酒屋のメニューにあるサイコロステーキがどこ産なのか
表示義務がないからあえて表示はしない。

それを気にして食べる人もいないということだろうが
冷静に考えたらこれほど怖いことはない。

外食産業は、今後益々価格競争が激しくなることが予想されるが
そうなると原価の見直しがされ、コストの低い輸入品に一気に流れるだろう。
しかも、原産地表示の義務がないのだからやりたい放題だ。

BSE以降、いままで積み上げてきた安全や安心はなんだったのか。

平成3年度の牛肉輸入自由化で、安価な米国産牛が国産牛にとってかわり
乳牛農家が苦しみ、2001年のBSE問題では、破たんした農家が多かった。

米国産の牛肉が輸入禁止となり、その後は国産牛の相場が高騰し
一時は、和牛と変わらない相場が続いたこともあった。

しかし、TTPに参加すればまたもや同じことが繰り返される。

牛肉の関税率は38.5%だがこれがゼロになると、輸入商社は仕入れ値が4割も安くなる。
そうなると、現在の国産牛のラインが輸入牛にとって代わられることは必至だ。
 

TTPに参加することの、もっとも大きなデメリットは
反対派が懸念するように日本の農業が壊滅されることだろう。
 

間違いなく国産の農作物は、安さで外国産に太刀打ちできなくなる。
関税の高い、こんにゃく(1706%)、米(778%)、バター(360%)などを生産している農家は職を失い
乳牛やF1を肥育している農家は廃業に追い込まれるだろう。
 

農水省は、TPP参加が実現すれば、農産物の生産額が4.1兆円分減少して
食料自給率が40%から13%に低下すると予測。農業関係者340万人が職を失うと警告している。
 

そうなると、水田が失われ、農村から人がいなくなり、農地が荒れ放題になり
水は汚れ、自然が壊滅するだろう。

BSEに関しても、米国は間違いなく月齢規制の撤廃を要求してくるだろうし
日本は飲まなければいけない立場に追い込まれるだろう。


膨大な生産量を誇る米国では、食肉はトレーサビリティが実質上不可能で
衛生面でも問題がありすぎる。


品質管理も杜撰で、中身違いなんて日常茶飯事だ。
ストリップロイン(サーロイン)を発注して、届いた箱を開けたら中身はテンダーロイン(ヒレ)だった、
なんてこともあるぐらいだ。

牛のエサに関してもそうだ。
国産の飼料だけで育てている農家はあるにはあるが稀である。
大半が輸入の飼料に頼らないと肥育できない。

季刊地域に掲載されていた東大の先生によると
ウィスコンシン大学のある教授は
「食料は軍事的武器と同じであり、直接食べる食料だけでなく、畜産物のエサが重要」

日本に対して、日本で畜産が行われているように見えても
エサをすべて米国から供給すれば、完全にコントロールできる。

これを世界に広げていくのが米国の食糧戦略だ。
そのために農家の子弟には頑張ってほしい

授業ではこのようなことを教えていたという。

私自身も、まだまだ理解できないことが多すぎるのだが
やまけんさんから送ってもらった季刊地域「TPPでどうなる日本?」を読み終えて
現段階で感じたことことを書いてみた。
 


 


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