近江牛.com (株)サカエヤ 新保吉伸の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「食」を通して「美味しさ」とともに贅沢な時間と楽しさ、笑顔の「食卓」を提案します。
ドライエージングとウェットエージング
関西ウォーカーに牛肉サミットの記事が掲載されているということで
近くのローソンへ寄ってみた。
立ち読みせんと買えよ、て話ですが
もちろん、ちゃんと買いました。
ついでにグルメ雑誌をパラパラとめくると
「熟成肉」のことが載っていた。
最近、「熟成肉」の問い合わせが増えてきているので
メディアにも注目されつつあるのだろう。
ただ、格付けの「A5」が一人歩きしているように
熟成肉も一人歩きしないかと危惧する声もある。
私が思うに、A5に関しては、肉屋も飲食店もこだわりとして看板にしている店があるが
熟成肉は、飲食店からの引き合いはあるが、肉屋での扱いはむづかしいから
それほど危惧する心配はないように思う。
歩留まりが悪くなるので販売価格を高めに設定しなければいけないし
なんといっても、熟成が仕上がった頃が食べごろなので、一気に売りさばく必要がある。
つまりは、暇な店には不向きな商材と言うことになる。
それと、熟成肉に関しては、これが正しいというものがなく、
同じ条件で熟成をかけても仕上がりにバラつきがある。
私の考え方は、サシのよく入った、いわゆるA4やA5の格付け等級の優れたものは
なにも熟成させる必要はない。
と畜から1週間程度寝かせて精肉にすれば十分おいしいし
普通に売ればいい。
A2やA3、経産牛やホルス、輸入牛など赤身で身が締まった肉を
熟成させてこそ威力を発揮するのが本来の熟成肉の価値であり熟成技術だと思っている。
当然ながら表面を削るので歩留まりは悪くなる。
このあたりが熟成肉の賛否両論なところなのだが、
命あるものを大切に育てて、おいしく食べてもらうことが生産者の願いであるならば
肉屋は、それらの肉をおいしく仕上げることが仕事なのだ。
さて、熟成には、「ドライエージング」と「ウェットエージング」の2通りがある。
詳しくは過去記事をご覧いただきたい(→クリック)
先にも書いたように、当店ではA4やA5をわざわざ熟成させることはやっていない。
あくまでも赤身の肉を基本にドライエージングしている。
熟成(エージング)の本場、米国では骨付きのままエージングする方法が主流だが
日本では、歩留まりが悪くなる点とバクテリアができるだけ少ない状態に維持する冷蔵庫の問題から
真空パックしたまま熟成させるウエットエージングが多い。
しかし、肉を真空パックにすると、キリングを30~40日に設定するのだが、
日が経つにつれ独特の真空臭がし、ドリップが激しくどう考えてもエージングではなく
日持ちさせるための方法としか思えないのだ。
日本の牛肉のほとんどが、屠畜場からセリにかけられ、問屋で部位別にカットし、
真空パックした各部位を箱詰めしたいわゆる「ボックスミート」流通が主流であり、
それを肉屋やレストランなどか仕入れるのである。
肉質や真空パックの機械の精度にもよるのだが、
例えば水気の多い肉を真空パックにしてしまうとドリップがよく出る。
ドリップが脂や肉にまわってしまい、結局は日持ちのメリットはあるものの
味を損なうと言うデメリットが生じる。
こんな感じでドリップが発生する。
ドリップシートを入れるのだが、ご覧のように追いつかない。
真空パックは品質保持のためには良い面もたくさんあるのだが
日持ちさせるためだけに考えるのなら、味の劣化は多少なりとも仕方ないところだ。
枝肉を知っている者にとっては、このような意見になってしまうのだが
輸入肉のチルドで経験を積んだ者は、また違うのかも知れない。
どちらにしても、やり方は多種多様なのでどれが正解と言うものはないのだが。
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