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2010年09月19日(日)更新

【ステーキ考】霜降り肉より赤身肉に傾向が。

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昨夜、といっても25時頃
急に肉が食べたくなったので深夜にも関わらず焼いてしまった。

自宅にはいつでも肉が食べられるように在庫しているのだが
深夜ということもあり、あっさりとした食感のサーロインをチョイス。
現在販売中の後藤喜与一さんが育てた純粋近江牛です。

さて、日本人の霜降り肉信仰は世界的にも有名だが、
赤身の肉をガシガシ食べてきた欧米人にとっては
噛みごたえがなく、なんともたよりなく感じたことだろう。

最近、あらゆるところで「時代は赤身ですよね」と問われる。
もちろん一般の消費者からではなく、業界の人や料理人からである。

ソースを重視するフレンチのシェフは、
霜降り肉よりも赤身肉を好んで使うのだが、
ここ最近、焼肉店も赤身肉を使う店が増え始めている。

高級店では、見栄え重視の霜降り肉を看板メニューにしている
ところが多いが、そもそも肉のうまみというものは赤身であって、
霜降り肉は脂の旨味を味わっているといっても過言ではない。

焼肉店で、キレイに盛り付けられた霜降り肉がでてきたときには
テンション上がりまくるが、1切れ、2切れ食べたら満足していまったという
経験をした人は多いはず。

肉好きが高じて職業にしてしまった私でさえ霜降り肉は遠慮したい。
とはいっても、ロース系には少なからずサシが入ってしまう。

だから私は、牛の血統、飼料、生産者にこだわっているのです。
できるだけ赤身になるように育ててもらい、ロース系でもあっさりとした食感に
なるように仕上げてもらっているのです。

格付け的にはA4やA3になるのですが、脂ばかりのA5よりも見栄えは劣るが
赤身のうまさを堪能できるので常連のお客様には大変喜ばれています。

昨夜食べた後藤さんが育てた但馬系の近江牛もまさしくにそれで、
適度なサシはあるもののあっさりとしているから夜中でもパクパク食べて
しまったのです。

もちろん、夜中にステーキを食べること自体おすすめできることではないが
胃もたれすることもなく、目覚めもバッチリだったことを付け加えておこう。

さて、ステーキをご購入、もしくはご検討されているお客様から
圧倒的に多く寄せられる問い合わせがある。

これが意外な質問なので最初は驚いた。 

ほんまかいな、えぇーっ (続く)


↓後藤牧場をレポート



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2010年09月09日(木)更新

サシがよく入った牛肉は1切れ、2切れだからおいしい

「A5」「メス牛」「一頭買い」「チャンピオン牛」「熟成」等等・・・

いまが旬の肉キーワードだ。
テレビや雑誌でも必ずといっていいほどでてくる。

では、本当にA5はおいしいのか?
メス牛はおいしいのか?
一頭買いってどういう意味?
チャンピオン牛って・・・(アリスのチャンピオンなら知ってるけど)
熟成って何?

いっぱい書いてもオモろないのでボチボチ行きまひょ。
まずは「A5」ですけど、これは牛肉の格付けのことで詳しくはこっちに書いてます。

tataki

要は提案の仕方だと思うのです。
写真は但馬屋さんの「タタキ」ですが、「イチボ」というモモ肉(ランプ)の一部で
非常に希少な部分です。
但馬屋さんでは牛一頭を仕入れて、様々な部位を少しずつ盛り合わせて提供
されています。

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こちらは、「ヒウチ」という部分で、モモ肉(マル)からとれる一部です。
見ておわかりのように、すごいサシでオーバーに表現すると脂だらけです。
どっからどうみてもA5ですが、この量だからおいしいくいただけるのです。

A5の牛肉を200gも300gも食べたら胸焼けして大変なことになります。
何度も言いますが1切れ、2切れだから満足できるのです。

格付けは牛肉の評価を決める「ものさし」であって味は考慮されていません。

良い肉を少しだけ、という方にはA5はおすすめですが、ガッツリ食べたい
という方には赤身肉をおすすめします。

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2010年08月07日(土)更新

サシ志向からおいしさの追及へ

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上の写真を見ていただこう。
部位はサーロインですが、おいしく見えるでしょうか?

赤身が多くて、あまりおいしく見えないですね

それよりも下の写真のほうがサシがきれいに入って
おいしそうに見えます。
462

牛肉には格付けというものがあり、一番上の写真のものはA3で
サシがきれいに入ったサーロインはA5です。

以下参照

歩留まり等級とは一頭からとれる肉の量を示します。
1~5の肉質等級は「脂肪交雑(サシの入り方)」、「肉の色沢」
「肉のしまりときめ」、「脂肪の色沢と質」の4項目からの評価です。
A5が最高ランクの格付けとなります。

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A5が最高格付けということになるのですが、これは牛肉を評価する
「ものさし」であって「味」は評価の対象にはならないのです。

テレビや雑誌でA5、A5と騒ぎ立てるものだから、A5ならなんでもかんでも
おいしいと思い込んでいる方も多く、最近では店頭でショーケースの肉をみて
「この肉のランクは?」なんて質問するお客さんも増えてきました。

先日のことですが、写真の2つの肉をスタッフ全員で試食したのですが、
たまたま、店頭でステーキのご購入を検討されているお客さんもおられたので
一緒に食べ比べしたところ、全員A3がおいしいという結果に。

食肉通信にこんな記事が掲載されていました。

おいしい牛肉にはうまみ、甘みがある。
うまみ成分は赤身部分に由来するグルタミン酸が代表的だが
アミノ酸には「甘味系アミノ酸」「旨味系アミノ酸」「苦味系アミノ酸」などがあり、
それらが複雑に作用しあっておいしさを作りだしている。

食感には、肉の軟らかさが、多汁性には脂肪の質、いわゆるオレイン酸
(不飽和脂肪酸)が大きくかかわる。脂の融点の低さは和牛全般にいえる特徴で
あり、オレイン酸が多い牛肉ほど脂が軟らかく滑らか。

オレイン酸の果たす役目は高く、その中でも但馬系や長期肥育された和牛は
オレイン酸をより豊富に含み、目利きにも高く評価されている。


脂肪に含まれるオレイン酸の多さは遺伝(品種、性別、血統)によって大きく
左右され、肥育期間の長さにも関係すると言われています。
ただ、肥育期間が長くなりすぎると肉の締まりがよくないので個人的には疑問が
残る。

もともと和牛はオレイン酸を多くつくりだす遺伝子を持っている。
その遺伝子がとくに強く発現するのが但馬系だといわれている。

試食した赤身が多い肉も但馬系であることからするとあながち間違っては
いないと思うのだが、オレイン酸がおいしさのすべてではないので、
エージングや食べるタイミング、もっというならば保存方法もおいしさに関係する
のではないかと思う。

ともあれ、サシ志向の見方からおいしさ重視へ変化しつつあるのは間違いないだろう。



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2010年07月28日(水)更新

近江牛ブランドから生産者ブランドの確立へ

top
(→クリック

WEBサイトは、ユーザーがそのサイトにアクセスした際に、
一番最初に目に入るモノ(商品)で何屋さんかわからないと
2階層目(各商品ページ)へ誘導することができません。
3秒ルールなんて言われますが、すなわち3秒で何屋さんかわからないと
ユーザーはサイトを閉じてしまうというわけです。

弊社の場合だと、肉の写真がドーンとあり、肉を販売しているサイトだと
3秒でわからないといけない、ということになります。
こんな感じです。近江牛ドットコム

さて、先日リニューアルしたばかりの業務用サイトですが、
トップページの看板バナーは肉の写真ではなく生産者の写真を大きく
配置しています。

これだと何屋さんかわからないかも知れません。

しかしながら、リニューアル後から問い合わせも多く
驚いたことに、現在すでに近江牛を使われている方が大半なのです。

近江牛はブランド力はあるのですが、
それだけでは売れない時代がすでにきているということです。

2010年07月23日(金)更新

素材について考える

itarian

新しいお店を開拓するのはワクワクする。
某有名レストランで腕をふるっていたシェフが立ち上げたイタリアン

立地よし、店構えよし、雰囲気よし・・・
でも、味が可もなく不可もなく。

素材は最高のものばかりを使っているのだが
うまくいかしきれていない。

牛肉の世界でいうと、A5だからおいしいとか
雌牛だからおいしいという思い込みとよく似ている。

もちろん、A5は最上級の格付けなので、しっかりとした知識と経験、
そしてカット技術が伴っていればおいしいのだが・・・

きれいなサシが入った牛肉を見ると、
「おいしそぉ~♪」とすでに目で食べている。

次いで「これは出産していない雌牛でA5なんです!」
なんて言われたら、「うまい!」という思い込みで脳で食べる。

そして、いざ口にした段階ですでに「うまい」が刷り込まれている。

牛には格付け等級というものがあって、
ABCが歩留まり等級といって、一頭の牛からとれる肉の量を表します。
そして、1~5までの肉質等級というのが、サシの入り方を表します。

このABCと1~5を組み合わせると、Aの5というのが最も上級の格付けと
なるのですが、この格付けはあくまでも「見た目」の評価であって「おいしさ」は
考慮されていない。

和牛は、濃厚飼料といわれる配合飼料を与えるのですがその大半が、
高カロリーの輸入穀物飼料です。

A5の評価を受けた牛は確かに見た目はサシがいっぱい入って、
みるからにおいしそうです。

しかしながら、スポーツをガンガンやっていた学生の頃ならともかく、
50前の私なんか、一口目はおいしくても数切れ食べたら満足してしまいます。
翌日なんか腹はでるわ、胃もたれするわで大変です。

ブランド和牛=霜降り、というイメージが強いと思います。
近江牛もご多分に漏れずそうなのですが、私が生産者にお願いしているのは
牛に付加をかけず、自然のままにできるだけ赤身になるよう育てて欲しいという
ことです。

生産者の評価は格付けで、いわば通信簿のようなものです。
ほとんどの方がA5に近づくように肥育するのですが、
A2やA3の評価で落胆している生産者を見ると、なんか違うなぁと思ってしまいます。
ま、利益面を考えると分からないでもないのですが。

格付けに関係なく、ちゃんとした評価が与えられて、
それを大切に使ってくれる方がまだまだ少ないのが現状です。

続く。

明日のイベントに向けて
いまから福井へ出発です。

しかし暑い・・・
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