大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2009年12月22日(火)更新

格付けと「おいしさ」は関係ない

NHK取材

24日放送のNHK「おはよう関西」朝7:45分~の取材でした。
格付けについてお話させていただきました。

さて、年末商戦へ向けて、全国各地で牛肉の共進会や販売会が開催されいます。
我社も手当てに追われていますが、なんとか思い通りの近江牛を確保することが
できました。今年は昨年以上にたくさんのご注文をいただいております。
あとは、切って切って切りまくるだけです。

さて、牛肉には「格付け」というものがあり、「当店はA5等級しか販売していません」
といったコピーを1度くらいは聞いたり見たりあるのではないでしょうか。

ABCが歩留まり等級といって、一頭の牛からとれる肉の量を指します。
そして1~5の肉質等級と組み合わせるわけです。
ちなみに、肉質等級というのは、サシの入り方を指します。

農家の方たちは、みな一様にA5を目指して肉牛を飼育しています。
最高の牛に仕上げることが農家さんの喜びでもあり生活の糧にもなります。
なんといっても、A5等級の勲章は牛への恩返しにもなります。

一方、購買側もある程度は格付けを基準として目利きはするのですが、
農家さんほどこだわってはいません。もちろん中にはこだわっている方もいますが
大半は、自分で枝肉を目利きするのではなく卸業者から仕入れる場合が多いようです。

私は、格付けには「おいしさ」はあまり考慮されていないとおもっているので、
それよりも、だれが育てたかを重要視しています。

ですから、A5等級しか販売していませんというコピーをみると、
もっと他に強みはないのかとついつい思ってしまいます。

来年以降は、ますますこういった独自性の強みが明暗を分けることと予測されます。

2009年12月08日(火)更新

桜田門の変から近江牛味噌漬けとワインへつなぐストーリー

wine

12月といえばお歳暮の時期ですが、江戸時代、牛肉を食べることを
禁じられていたにもかかわらず、「養生肉」と称して彦根藩から将軍家へ
贈答されていたことが史実として残っている。

表立っては、牛肉は薬用として虚実されていたわけだが、
その中でも水戸の徳川斉昭が彦根藩、井伊直亮宛に送った書状が残っている。

「度々牛肉贈り下され、薬用にも用いており忝(かたじけ)い」

さて、彦根藩主で大老の井伊直弼が、水戸藩、薩摩浪士18人に暗殺された
桜田門の変は歴史上、近代日本の幕開けのために避けられなかった悲劇だと
いえますが、ことの発端は、仏教徒の井伊直弼が牛の屠畜禁止令を打ち出し、
将軍家や親藩諸家に牛肉の味噌漬けを贈るのをやめてしまったのが原因だと
まことしやかな説が伝えられています。

つまりは、毎年楽しみにしていたお歳暮の味噌漬けが来なくなったということで、
これに端を発し、両家に不和が生じて暗殺事件にまで結びついた。
という説をおもしろおかしく色づけてはいるのですが、もちろん表向きは開国派の
井伊直弼を危険人物とみた幕府側との対立が原因です。
このあたりをコンテンツとしてサイトを作ったのが2001年の頃でした。

あまりにもすばらしいサイトが出来上がったので、
勢い余って近江牛味噌漬けに合うワインというものを赤白作りました。
丹波ワインさんにお願いしたものですから本格的です。

作った数はこれまた勢いよすぎてここには書けないぐらいの数量で
納品されてきたときのことを思い出すだけで、今でもめまいがします。

さて、結果ですが、まったく売れませんでした。
いまだったら、歴史ブームもあり売れたのかも知れませんが、
結局責任をとって私が消費するハメに。

すでに完全消費したはずのワインですが、本日2本ばかり倉庫から見つかりました。
まだ楽しく語れるほど実績があがっていないのですが、いつか大きな目標が
達成したときに飲みたいと思います。

それまでディスプレーして精進します。

2009年11月16日(月)更新

それぞれのガッツポーズ

7302

この日は何回ガッツポーズをしただろうか・・

しかし、この年までガッツポーズなんてした記憶がない。

案の定、すべての写真が招き猫のポーズになってる。

森本さんも、やや招き猫や(笑)

2009年11月01日(日)更新

こだわりは押しすぎると逆効果

ガス展
11月7日、8日は明日都浜大津にてイベント(トークショー&近江牛試食会)やります!

11月は予定を入れすぎて自らの首を絞めている状態ですが、
プレッシャーが心地よく楽しんでいます。

先日は、酒井さん、榎本さんと半日ご一緒させていただき、
びわ湖畔の景色を眺めながらゆっくりと同じ時間を共有させていただきました。

会話の中でこんな話がありました。
霜降り肉のやわらかさと肉のうまさは別で、
「霜降り肉=やわらかい=おいしい」は大きな間違い。
見た目の派手さは底の浅い感動であり、食後の余韻は体重増加の後悔に変わる。

霜降り肉が胃もたれされる方はなにを意図しているのかご理解いただけると
思いますが、今回の取材でまず感心したのは、酒井さん、榎本さんは前日に
南山さんで舌感してこられたということです。

そして、自らの焼肉体験と比較して、私の話、想い、牛、生産者の話などを
足早でしたが取材していただいたことで、久米さんの「メール道」ならぬ
「牛肉道」へ一歩も二歩も足を踏み入れられたように感じました。

詳細は、月間 ニュートップL.12月号をご覧いただくとして。

さて、以前からいろんなところで言ったり書いたりしていますが、
「うちはA5の肉しか販売していない」とか「未経産の雌牛にこだわっています」とか
「去勢牛は販売していません」などという迷文句を先日某ステーキ店で拝聴する
機会があった。

このステーキ店は、産地や種別(雌/去勢)、肥育月齢にこだわっていて
そのあたりを客に解説するのだが、聞いていてものすごく嫌悪感を覚えた。
それは、霜降り肉の否定から始まり、焼き加減のレクチャーまで自分目線を
強要するような圧を感じたからだ。

こだわりは結構だが、それの押し売りは
せっかくのおいしい料理も会話も台無しにしてしまう。

私はプロなので言っていることの70%はわかるが、一般の方には雑音でしか
ないだろう。

さりげなくが達人だと思う。
そして帰り際にお見送りしてニヤリと笑えばそれでいい。

さて、木下牧場さんと飼料の改善に取り組んできましたが、
等級や種別に関係なく、霜降り肉なのに胃もたれしない。
そんな肉にようやく仕上がりつつあります。

格付けはA4等級でBMS(霜降り度合い)は1~12のうち5と
ごくごく平凡な肉ですが、これが最高の出来栄えです。
見た目は霜降りで、焼けば脂が結構出ます。
でも、肉の旨みもあり、なによりもあっさりとしているので胃もたれしないんです。
ちなみに去勢です。
完璧じゃないけど結構ええ線いってます。

いつも食べてるA5なんかと比べていただけると幸いです。

すき焼きのおいしい季節ですしね。

先日の取材の様子です
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

2009年10月29日(木)更新

牧場にて牛たちと

放牧

うちの犬たちは「さんぽ」という言葉に敏感で、
1日家の中でゴロゴロしている彼女らにとっては唯一の楽しみのようだ。

牛たちも同じで、牛舎と放牧場の扉が開くことを察知すると
まるで競走馬のように狭い牛舎を走り回り喜びを表現する。

放牧場に放たれた牛たちは、じつに気持ちよさそうに陽を浴びて草を食う。

sakaienomoto

牛にも人にも、そして自然環境にもやさしい取り組みをご覧いただき、
人間のエゴで作った霜降り肉の話を聞いていただきました。

肉も人も見かけで判断したらあきまへん。
«前へ 次へ»