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2010年11月04日(木)更新

勝負パンツならぬ勝負包丁

包丁
仕事柄、包丁は10本程度持っているが、写真の2本は普段は使わない。
ここ1番の肉を切るときだけ使うのだが、いわゆる勝負包丁のようなもの。

肉の修行をしていた頃、一番辛かったのが包丁を砥ぐことだった。
技術もなく、力まかせに肉から骨を引きちぎるものだから
すぐに切れなくなってしまったり、刃こぼれしてしまう。

包丁は砥石で砥ぐのだが、コツがつかめるまで
指の腹がめくれてしまい、これが痛いのなんのってたまらない。

いまは砥石で砥ぐことが少なくなってきているようだが、
そのかわり、研磨機が大活躍している。

当店でも、明石機工の研磨機を使っているのだが
嫌々砥石で砥ぐよりも、研磨機で楽しく研ぐほうが合理的である。

2010年10月31日(日)更新

個人的に売りたい肉と商売として売らなければならない肉

kahara
海外からもわざわざ食べにくるという、カハラのオリジナル料理、伊賀牛のミルフィーユ
薄切りの霜降り肉を5枚重ねて焼いていて、ワサビをたっぷりのせ、もしくは辛味大根と
ニンニクチップで食べる。

私の感想は、薄切りといえども霜降り肉を5枚重ねると
けっこう食べるのに体力がいる。

結局は提案の仕方だと思う。
脂っぽいのは否めないし、これはどのブランド牛であろうが
雌牛であろうが、サシが強く入れば入るほど、そうそう数食べられるものじゃない
ということだ。

さて、10月も今日で終わりだが、
今月は様々なレストランの経営者や料理人とお話しする機会が多かった。

たくさんのご縁と勉強の機会を与えてくれたみなさまに感謝するとともに
記憶に残った話しをいくつか紹介したい。

タイトルの「個人的に売りたい肉」と「商売として売らなければならない肉」
という矛盾した話だが・・・

お客さんが求める近江牛は、サシがビッシリと入った特選クラス。
しかし、料理人が個人的に食べる肉は霜降り系ではなく赤身系。

う~ん、どうにも矛盾している。

個人的には、赤身系を食べるのに
商売となると霜降り系を使いたがる料理人が非常に多い。

では、なぜ赤身系をお客さんにすすめないのか?

「近江牛=霜降り」という観念が強すぎて
お客さんが求める近江牛がサシ優先だからだという。

以前に、ほんとうにおいしい霜降りが少な目の近江牛を出したところ
お客さんから「これ、ホントに近江牛?」と言われたそうだ。

確かに「目で食べる」というように
まずは見た目のインパクトでひきつけるのもアリかも知れない。

でも、時代は確実に「サシ重視から味重視」へと変化してきている。

某有名ホテルの料理人は、
赤身系の旨さをどのようにしてお客さんに伝えていくかが課題だ。
といって懸命に取り組んでいる。

大手がこのような取り組みをはじめているのに
中小のレストランは、いまだにサシだ、格付けだと変なこだわりをひきずっていては
衰退する一方だ。

自分が食べて、本当においしいと思った肉だけを
お客さんに提供し、そこから利益を出すにはどうすればいいのか、
このあたりを追求すべきではないかと思う。

言うは簡単、やるはむつかしいとは思うが、
ぜひ、チャレンジしていただきたい。

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2010年10月21日(木)更新

Happy Happy Wedding

takahiromina

2010年10月10日はゴロがいいということで
結婚式が多かったようです。

ちなみに私の誕生日でもありました。
(まぁ、それはどうでもいいが)

木下牧場の長女、美奈ちゃんもこの日めでたく結婚式をあげ
後継者として新郎の尭弘君とともに永遠の愛を誓った。

kizi

披露宴には、2人が育てた近江牛がステーキとして登場して
盛り上がった!

引き出物には、近江牛専門店が極めたカレーの特別バージョン、
「喜和味カレー」を豪華パッケージでお手伝いさせていただいた。

「喜和味カレー」の文字は、美奈ちゃんのお爺ちゃん、後藤喜与一さんに
お願いした。

hikidemono

涙あり、笑いありの楽しくて素敵な結婚披露宴だった。

末永くお幸せに!




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2010年10月20日(水)更新

価格競争に業界で利益を伸ばすには

前回からの続き(→クリック!)

安い価格(薄利すぎるという意味)で商談を成立させてしまえば
手間ばかりとられ、そのうち社員のやる気が失せる。

経費や生産コストの削減には限界があるが
一旦、取引がはじまってしまえば安易に値上げができないのが現実。

取引したいがために安価で応じてしまい、そのうち機会をみて値上げすればいいや、
なんて考えでいると、いつのまにか価格競争に巻き込まれてしまっている。
なんてことになりかねない。

しかも、大量販売のシステムに乗ろうものなら大変な目に合う。
このあたりについては後日じっくり書きたいと思う。

そもそもブランドというのは、競争市場でも差別化できるから
それなりの価格で商売ができ、戦略として成り立つのである。

近江牛ブランドを安価で提案すれば、問屋としては新規取引も増え、
飲食店など使う側は安く仕入れられる。

しかし、生産するもの、流通するもの、販売するもの
すべての人がそれで幸せになれるとはとうてい思えない。

なによりも「価格」でブランドの信用を落としていることは明確であり、
もう少しプライドをもった価格で流通させてこそブランドの信頼度が
高まるというものだ。

価格競争が激化する中、利益を上げるには、
こうしたブランド戦略を業界全体で統一する必要があるのではないだろうか。
もっと言うならば「価格」の協定があってもいいと思う。

ブランド牛の安売りは、しいては偽装に繋がりかねない。

最終的には「個」の想いや理念、信念に任せるしかないのだが。

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2010年10月19日(火)更新

適正価格とは三方よしの心得なり

nintei

前回からの続き・・・(→クリック!)

私が考える「適正価格」とは、
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適正価格とは、生産者、流通者、販売者がその商品を
扱うことで生活ができその商品を販売することで意欲が
沸く価格のことを言う。
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テーブルを囲んで緊張が走る中、まず口を開いたのは
責任者でもあり、すべての決定権を握っている役員の方だった。

内容はこうだ!

近江牛のなかでも認定近江牛に限定してほしい。
現在取引している業者は、認定近江牛を納品してくれているし
お客からの評判も良い。

以前より取引しているA社の納品価格は・・・円で
後発のB社は、少し安くて・・・円です。

おたくはさらに後発なので少し値段も考えてもらわないといけない。
品質に関しては、味より認定近江牛であれば良い。


と、こんな感じだった。

まず驚いたのは、知識のなさに加えて、品質よりも認定近江牛という
冠を優先に考えていることだ。
まぁ、認定近江牛とはなんなのか?
それさえも知らずに話している感じではあったが。

そして価格だが、現在の納入価格を聞いてその安さに驚いた。
どうしたらそんなに安く納品できるのか不思議だ。
そこからさらに安くしろと言うのだから恐ろしい。

役員さんの話はさらに続いた。

納入業者が1社独占はぜったいダメ。
それぞれが競争して少しでも安く仕入れることが商売の常である。
私が提示した条件に見合うなら、取引大歓迎です、、、と。

もちろん取引大歓迎はうれしいことですし、
企業としての考えはいろいろですから、それはそれでいいのですが、

近江牛ブランドが確立しきれない原因がこのあたりにあるのではないかと
考えさせられた。

どんなに設備が整おうが、どんなに組合などが一生懸命になろうが、
卸業者やそれを受け入れる企業側の姿勢が、10年前と何も変わっていない。

続く・・・


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