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2010年12月23日(木)更新

牛筋にまつわる勘違い

suzi

昨夜は牛すじを煮込んだカレーを作ってみました。

牛すじといっても、肉を付けた状態で筋をとった贅沢仕様で
見た目はご覧のように肉そのものです。

もちろん、このような商品は販売していないので
あくまでも自分用です。

肉の旨みと筋特有のどろっとしたゼラチン質も味わえるため
二度おいしい感じです。

さて、寒くなると牛すじの問い合わせが急増し、
店舗には牛すじを求めて遠方からの来店があったり、

サイトで販売すればあっと言う間に完売したりと、
とにかく牛すじ人気は凄まじいものがあります。

すじ

上記の写真は、だれでもわかると思うのですが
まさしく牛すじです。

さて、そんな牛スジですが、
たまに「赤い牛すじ」が欲しいというお客さんがいます。

赤い牛すじなんてあるわけないのですが、
こちらの写真をご覧ください。

gyusuzi

こういうなのを言ってるのだと思うのですが、

筋というより肉です。
最初の写真が本当の筋ですが
急いでの作業のときなどは、どうしても多少の肉がついてしまうのです。

仕事が雑といえばそれまでなのですが、
こういう類のものが出回っていることもあり
お客さんからすれば、肉のついた牛筋が本物で
最初の筋は脂だと勘違いされている方が結構いるようです。

牛すじが品不足になり、チマキ(スネ肉)を牛すじとして
販売している店もあり、そういう商品を買った方は
それがあたりまえに牛すじだと思ってるわけなんです。

まぁ、牛すじといっても
肝心の牛肉そのものが売れなければできないわけで
そうそうあるものではないんです。

そう考えると、
この時期は、高価なすき焼きやしゃぶしゃぶ、ステーキの肉より
牛すじのほうが貴重なのです。


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近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
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2010年12月22日(水)更新

霜降り肉はしゃぶしゃぶで

しゃぶしゃぶ

肉屋に鍋料理で思い浮かぶもの、
と問えば、すき焼きかしゃぶしゃぶと答えるでしょう。

内臓を扱っていれば、
ホルモン鍋とかもつ鍋と答える人もいるかも。

さて、当店の場合、なぜかしゃぶしゃぶ用の牛肉は人気がなくて
ご注文される8割がすき焼き用の肉なのです。

しゃぶしゃぶ用の牛肉をご注文される方は
月に数える程度です。

しかも、大半の方のご住所は関東で、
関西の方でしゃぶしゃぶの牛肉を注文される方はいません。
あくまでも当店の場合ですが。

かくゆう私もしゃぶしゃぶは年に1回するかしないか程度です。
今年に関しては、しゃぶしゃぶした記憶がございません。

ところで、今日はこんな問い合わせがありました。


正月に肉を食いまくろうと計画しているのですが、
すき焼きに適した肉、しゃぶしゃぶに適した肉、
あとオススメなどがあれば教えてください。


というものです。

和牛の代名詞ともいえる霜降り肉の融点は
人間の体温よりも高いため、一口目はおいしく感じるのだが、
次第に脂肪の舌触りが悪く、食べすぎると胃もたれすることが多々あります。

少量なら霜降り肉もおいしく食べられるが、
満足いくまで食べるなら赤身肉をオススメします。

一方、しゃぶしゃぶには断然、霜降り肉をオススメします。
霜降り肉というのは、筋線維の外側を囲む筋周膜や筋内膜に
脂肪が入り込んで霜降りが形成されています。

熱によって脂肪が溶けることにより、加熱香味を引き出し
すき焼きにしたときのようなクドさがなく、あっさりとした食感が味わえます。

ごまだれ、ぽんずの2つを用意して
交互に味わうもよし、肉はごまだれ、野菜はぽんずと
わけるもよし

ぜひ、霜降り肉を腹いっぱい食べたい方は
しゃぶしゃぶがオススメです。


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2010年12月13日(月)更新

高齢社会を救うのは牛タンだ!

tan

昨夜は知人が訪ねてきたので
久しぶりに自宅で焼肉としゃれこんだ。
(こういう使い方だったっけ)

まぁ、そんなことはどうでもいいのだが、
近江牛のタンはやっぱりうまい!

しかも、自分で筋とってカットしたから
うまさ倍増である。

知人はやたら「ヘルシーやわ」と言いながら
牛タンをパクついていたが、それほど低脂肪というわけではない。

レモンをギュッと絞ると、
なんだかヘルシー感が増したような気になる。

では実際どうなのか、ということなのだが

牛タン(可食部100g当たり)に含まれるたんぱく質は15.1g、
同じくレバーが19.3gだからけっして高い数値ではない。

低脂肪という点でも、牛タンの脂質は23.1kgで、
輸入牛肉のサーロインの28.9kgよりは低いものの、
レバーの3.6kg などに比べるとかなり高い部類に入る。

つまり牛タンはとびぬけて「高タンパク、低脂肪」と
言うわけではないが、ヘルシーじゃないわけでもない。
(どっちやねん)

牛タンにはタウリンが豊富に含まれています。
タウリンとは、ファイト一発でおなじみの栄養ドリンクに配合されているアレです。

タウリンは心臓や血管の収縮を調整したり、
肝汁酸の排泄やインシュリンの分泌を促進する働きをしています。
また、膏血圧や脳卒中、糖尿病に対する予防効果があります。

つまり、牛タンは主な成人病の予防にイイというわけか。
となると、高血圧気味の人はロースやタンを食べたほうがいいかも。

今後、高齢化社会に突入する日本は
牛タンに救われるのだ!

なわけないか(笑)



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2010年12月09日(木)更新

牛レバーをナマで食べるということについて

近江牛レバー
牛レバーはこんな感じでゴロッとまるごとドーンって感じです。
(なんのこっちゃ)

12月になると“と畜”が多くなるので
必然的に内臓の入荷も増えてきます。

牛レバーについては以前にも書いたのだが、
もう少し書いてみたい。

以前の記事はこちら(→クリック

入荷の段階で、ドリップ(血汁)が容器に流れているモノは
あまり良いモノとは言えない。

触ってもぶよぶよとした感じで、食べても血なまぐさく
こういうレバーはナマ(レバ刺し)には不向きである。

もちろん、希少な生レバーゆえ
“生入荷”であれば、よほどの粗悪品でない限り
提供する店はたくさんある。

逆に良いレバーは、ドリップが出ず、包丁でカットしても
カドが立ち、味は甘くて臭みがない。
色は写真のように濃い紅色をしている。

レバ刺しとして提供する場合、
店側の考え方が様々で、

たとえば「新鮮なレバー毎日入荷!」
という張り紙なんかをみると、ひねくれた私なんかは、

日曜、祝日はと畜がないのに毎日入荷はないやろ、
冷凍モノか、それとも2~3日前のモノか?

なんてうがった見方をしてしまう。

チェーン店の居酒屋なんかで「レバ刺し」がメニューにあると
ついついこんなことを思ってしまう。

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2010年12月06日(月)更新

5週目の熟成肉はクリーミィーでフレーバーな香りがした

熟成50日

「熟成」には、様々な諸説があり、
と畜後、枝肉となってから精肉になるまで期間を置いた状態を
熟成と呼ぶ場合が多い。

例えば、ボックスミートと呼ばれる真空状態の部分肉は
30日~40日の消費期限を設けているのだが、
これを熟成だと主張する店舗もあったりする。

早い段階で売れなくて、古くなった牛肉を苦肉の策で
熟成肉と冠につけているアイデアマンも時折いるようだが、

ここでいうところの熟成肉とは、
古くなった牛肉=熟成ではなく、意図的に熟成させる
という意味合いである。

ところで、熟成に対する考え方は、いろいろあるようだが、
サシの多い牛肉よりも赤身の牛肉が熟成には適していると
言われている向きがある。

ということは、A4やA5といった等級のものよりも
A3以下、もっというならばF1やホルスのほうが適している
ということになるのか?

すべての牛肉で試したわけではないので、
どれが熟成に向いているのかは、正直分からないのだが、

むかしは、枝肉を冷蔵庫に長期間吊るして
自然に表面が乾燥している状態のものを幾度となくみてきた。

その表面を削いで、すき焼き用にスライスしたりするわけだが
いまは、部分肉流通が主流なので、そのようなことが減ってきているのが
現状である。

これも自然熟成と言えるのではないだろうか?

よくよく考えると、部分肉があたりまえのように流通しだしてから、

「むかしの肉はうまかったのに、最近の肉は甘味がかけた肉が多い」

などという声をよく聞くようになった。

私の考えだと、むかしは自然に熟成がなされていたことを考えると
こういう仮説がたてられる。

と畜後、硬直解除されるのが7日~10日かかるため、それまでは
筋肉がすべてのミオシンがアクチンと結合した硬直複合体を
形成しているため非常に硬くなる。

さらに、硬直時の筋肉はpHが最も酸性になっていて、
保水性が悪いため食肉としては適していない状態といえる。

しかし、実際には、と畜後すぐに(枝肉になってから翌日とか)精肉にしても
たいした問題はなく、柔らかさも旨さもある。

これは、サシの多い黒毛和牛だから成せることなのか、
正直分からない部分ではあるが、

1週間も、2週間も枝肉のまま冷蔵庫で保管することは
現在では稀で、早出しが多いのがどこの店舗でもあたりまえだと思う。

ということを踏まえて考えると、
サシの多い等級上位の牛肉は、硬直解除されてすぐに精肉にしても
問題はないが、等級の低い赤身系の牛肉ほど長期熟成が向いているのでは
ないかと思う。

40日以上熟成させた牛肉は、生クリームのようなフレーバーな香りがするが
枝肉の選定を見誤ると、肉が腐ってしまうことがある。

まずは、長期熟成に耐えうる枝肉でなければいけないし、
それを見極められる知識と経験が伴っていなければならない。

さて、前置きが長くなってしまったが、
5週目の熟成肉を自宅で焼いてみた。

焼く前に、生の状態で少し食べてみたが
チーズのような奥行きがある、なんとも甘美な味だった。

オーブンでじっくりと30分かけ、
そのあとはフライパンで強火にして焦げ目をつけてみた。

5週ともなれば、水分も抜け切り、アミノ酸が増えているので
旨みが詰ったような食感である。

柔らかさもほどほどで、とろけるような・・
とはいかないが、肉の旨みを堪能するには十分すぎる。

ここまで手間隙かけた熟成肉だが、
肉が好きで、ある程度いろんな肉を食べた経験のある方にしか
わかってもらえない味かも知れない。

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