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2011年01月26日(水)更新

お客様の嗜好に変化が

赤身


100g3000円ぐらいで赤身の肉ありますか?


他県から店舗に来られるお客さんが増えてきた。
ホームページの影響だろう。

今日来店されたお客さんは
100g3000円ぐらいで、できれば赤身の肉が欲しいと言う。

用途をお聞きすると、すき焼きにするとのこと。

赤身は部位的には、カタウデ、モモをスライスするのだが
100g3000円もださなくても1,050円~1,500円で十分おいしい。

高けりゃうまいというものでもない。

結局、100g1260円のすき焼き用を
ご購入いただいた。

牛肉の価格は、赤身系からロース系になるにしたがい
高くなる。

見栄え重視で値付けするので
赤身はどうしても安価になりがちだ。

たまに牛ヒレをミンチにしてほしいとか
カルビをすき焼き用にスライスしてほしいと言われる。

やってできないことはないが
使用用途に適した部位があって
例えば、牛ヒレはステーキにしてこそ能力を発揮できるのであり、
ミンチやすき焼きにしてもおいしくない。

ミンチはスネ肉とか硬い部位が適している。

さて、赤身肉を求めるお客さんが増えてきている
ということは何度も書いてきたが、

実際に店舗に来店されるお客さんの動向も
普段使いは以前より赤身が多かったのだが、
ギフトも赤身を要望される方が増えてきた、

実際に、いまのお客さんは5等級の牛肉を求めていない。
だいたいが高すぎるし、何よりも脂身が多いので少ししか食べることができない。
食べた後の、ドッシリ感がたまらなく辛い。

格付けでいえば、
3等級でも十分肉の旨さを堪能できる。

しかも、3等級を買い支えることで、生産者にも喜ばれる。

とはいえ、全国的にみると
まだまだ見栄え重視、霜降り重視で肉を選ぶ方が多い。

サシの多い肉を食べ慣れている方は
赤身はおいしくないという思い込みもあるのだろう。

そのあたりの評価を変えていければと思う。




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2011年01月25日(火)更新

間違いやすい和牛と国産牛

ロケ
朝9時からのロケは琵琶湖からの風が強くてとにかく寒かった。

和牛と国産牛については、以前にも書いたことがあるのだが
度々、お客様から問い合わせやら質問がある。

昨日も電話であれこれ説明したのだが
私の用事で時間切れとなり、続きはブログでということなので
再度書いてみたい。

現在日本で流通している牛肉は、和牛・国産牛・交雑種・輸入牛の
4種からなります。

和牛=国産牛ではない、ということは
みなさんなんとなく分かっていると思いますが、

例えば、

スーパーへ買い物に行くと、入り口から、野菜売り場があって
魚、肉、そして冷凍食品や乳製品、お惣菜とほとんどの店はU字型に配列してます。

これは消費者心理をついた配列なのですが、
野菜を買って、今日は白菜が安かったから牛肉と炊いてみようかな、
なんて考えながらメインの肉コーナーへ行くわけです。

スーパーの場合、対面販売は少ないので
冷蔵ケースのパック入りの牛肉をあっち取りこっち取りして
品定めします。

パックには、「国産牛」と印字シールが貼っています。

ここは滋賀県のスーパーです。
滋賀県といえば近江牛、しかも国産と表示してある。

滋賀-国産-近江牛

このように連想して買う人はさすがにいないとは思いますが
なかには、おられるかも知れません。

国産牛の前に、まず和牛について説明します。

和牛というのは、日本古来の食肉専用種のことで
黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種のことをいいます。

・黒毛和種
日本全国で飼育されており、現在日本で肥育されている和牛の90%以上が
この品種です。

・褐毛和種(あかげ)
褐毛和種熊本系と褐毛和種高知系の2種があります。
脂の含有量が12%以下と少ないのが特徴。

・日本短角種
主に東北地方で飼育されている品種です。

・無角和種
山口県萩市を中心に飼育されていて毛色は真黒で角がない。

さて、「国産牛」についてですが、
主にホルスタイン種の雄を去勢して食肉用とします。
ちなみに雌は搾乳できるので乳牛として育てます。

ついでに交雑種にも触れておきますと、
ホルスタイン種の雌牛に黒毛和種の精子を人口受精させた品種で、
なかには黒毛和種と見分けがつかないぐらいサシが入り
管理をしっかりしないと黒毛和種と間違って販売したりすることも考えられます。

当店では交雑種の扱いがないので
間違うことはないのですが、20数年前にこんなことがありました。

ある中堅クラスの問屋の営業マンが近江牛を買って欲しいと飛び込んできました。
どうみてもF1(交雑種)で、そのことを告げると「近江牛として仕入れたので
間違いないはずだけど」と言い張る。

結局、その営業マンは「近江牛」というブランド名を鵜呑みにして
大問屋から騙されて仕入れていたわけです。
つまりは、実際の肉を見る眼がなかったわけです。

いまはトレーサビリティによる管理がしっかりされているので
多分(^^;)そのようなことはないと思いますが、
仕入れは自分の足で歩いて目で見て手で触ってが基本です。
そして経験を積むことで選畜眼が備わるのです。

以上、国産牛と和牛の違いについて、でした。



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2011年01月24日(月)更新

カルパッチョ

牛肉の生を薄切りにしてソースを網の目状に掛けた料理のことを
カルパッチョと呼びますが、本場イタリアでは牛肉の生は敬遠されているので、
魚を使うことが多いようです。

これは、日本の刺身の影響だと言われています。

居酒屋のメニューに、マグロのカルパッチョや鯛のカルパッチョなど
魚介類を薄切りにして「カルパッチョ」と呼称していることが多いので
牛肉ではなく魚が本家本元だと思っている方もいるかも知れません。


カルパッチョ

写真は、昨日行ったもつ鍋屋で頼んだ近江牛のカルパッチョです。
鍋が煮るまでカルパッチョで冷酒をいただきました。

部位はサンカクというサシの強い部分なのですが
生で食べるより、このように軽く火入れして
あっさりしたソースで食べるとおいしいです。

makura

こちらは、LUXE Tajimayaの本格的なカルパッチョです。
モモ肉でも一番硬いソトモモのマクラという部分を使っています。

肉屋では、この部分はスライスにして
すき焼き用やしゃぶしゃぶ用として販売するのですが、
まさかのカルパッチョです。

硬い部分でもこれだけ薄くスライスすれば柔らかいです。
しかも、もともと味のある部位なので食感がいいです。

こういうところは、
焼肉店の柔軟な発想を見習わなければいけません。

肉屋では年々、枝肉を使う店が減少し、
必要な部位だけを仕入れる、パーツ買いが主流となっています。

パーツ買いが主流になったそもそもの理由は、
職人の減少から枝肉を使いこなせないからです。

それと、1頭仕入れよりもパーツ仕入れのほうが
商品ロスも少なくてすみます。

必要な部位だけを問屋が持ってくるわけですから
非常に楽ですが、肉屋は枝肉を捌いて小割りして
筋を引いて商品化してこそオモシロイ仕事だと思います。




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2011年01月23日(日)更新

地域密着の商売~クリック&モルタル~

ほうれんそう
朝採れのホウレン草です。

1月はなにかとバタバタしており
朝市を中止していたのですが、

結局、お客様からのご要望に後押しされる形で
昨日、今年初めての朝市を開催しました。

朝市は、社員が一週間前から準備し、
休みも返上で農園へ出向いたり、近隣にビラを配ったりと
すべて手作りで行っている。

私が行ったことは、
携帯会員様へメルマガ配信とブログでの告知をしただけです。

10年ぐらい前に、
クリック&モルタルという言葉をよく耳にした。

インターネットと現実の店舗や流通機構を組み合わせる
ネットビジネスの手法だが、ネットを利用することが日常的になるに連れ、
こうした言葉の使用頻度自体が低下傾向していった。

朝早くからビラを持って来店してくださるお客様に
なぜ朝市を知ったのかを聞いてみると、

ビラを見て、店頭告知で、メルマガで、
ということだった。

高齢者がメルマガをみて知ったという方が何人もいたことを考えると
ブログ、Twitterでの告知、さらにFacebookのファンページも
今後は告知媒体としては有効かも知れない。

インターネットは全国のお客様をターゲットにしがちだが
近隣の方に向けてのメッセージ発信にもっと積極的に取り組むべきだと思う。

そのためのコンテンツ作り
そして実店舗との融合などなど・・・


地域のみなさまに愛されてこその商売、
そのためにも、オンライン、 オフライン双方にチャネルを展開する
クリック&モルタルに目を向けてみるべきだと思う。




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2011年01月22日(土)更新

「生産量にあわせた販売システム」であるべき

子牛
子牛も寒さで震えていたので服を着せてやりました。

さて、今日は車の移動が多い1日でした。

信号待ちで何気に外をみるとホルモン屋がありました。
懸垂膜には、おいしそうに焼けてるホルモンの写真と
「近江牛ホルモン」の文字

でも、よーく見ると「近江ホルモン」でした。
すなわち、近江牛のホルモンではなく近江のホルモン
というわけです。

なんちゅうややこしい。

滋賀では「黒毛和牛」と表示するより
「近江牛」と表示するほうが断然売れるわけです。

全国どこへ行っても
地域の特産品や地域ブランドは人気があります。

では、なぜ地域の特産品や地域ブランドが人気なのか?

それは、もともとが希少価値であり、
手造りであり、おまけに手間がかかっていて、
なんといっても原料がその地域でしかとれないからです。

ただ、地域の特産品の欠点というか難点は
NB(ナショナルブランド)のように大量生産ができないことです。

そんなこともあって
近江牛の場合は、認証制度を作ったりしているわけです。

当店の近江牛カレーハンバーグ
毎日のように大手企業から取引依頼があります。

でも、数少ない原料で作っているため
受けるに受けられないのが現状なのです。

もし、万が一ですよ、
これを受けてしまったらどうなるのか?

例えば、某人気番組で紹介され
司会者やゲストのタレントたちが絶賛したとしましょう。

するとどうなるのか?

検索されまくり商品はすぐに売り切れることが安易に想像つきます。

そこへ今度は量販店が目をつける。
小売店もスーパーでも扱いたいと問い合わせが増える。

大手企業からの取引依頼を受けてしまった場合と
同じです。

そして、取引がはじまり、

大量販売のシステムに乗ってしまうと
限られた原料の場合、こういうことが考えられます。


もともと限られた原料だから、
しだいに商品(製品)が不足しだして


生産段階 → 加工段階 → 卸段階 → 小売段階


この4つの流通過程の段階で、
何らかの増量行為や生産方法の変更(大量生産型)が行われるようになります。

つまりは偽装ということになるのだが、
そこに利益があればなおさらやめられない。

結果どうなるのかというと、
原料生産以上の商品が市場マーケットに並ぶということになる。

先日、北九州市の百貨店で偽装が発覚しました。
テナントの食肉店が「松阪牛」と偽って九州産の牛肉を販売していたと
ということだ。

「松阪牛」も「近江牛」も「地域ブランド」であり、
原料生産から加工、販売まで、地域に徹してこそのブランドであり、
それでこそ価値があるものだと思う。

銘柄牛、銘柄豚、銘柄鶏も
生産量には限界があるのです。

スーパーやコンビニなどでは
欠品がおこると業者に売上を補填させるところもあるらしいが

販売量にあわせた生産システムではなく
生産量にあわせた販売システムでなければ、
いつまでも間違ったことが繰り返されるように思います。




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