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2011年02月22日(火)更新

切りたての新鮮な肉は暗赤色

店頭に陳列している肉は、1つのパイレーシ(入れ物)で
約800g程度を目安にスライスします。

800gという中途半端な量より
区切りよく1.0kgにすればいいのですが、
私の場合、見た目を重視するため盛り付けが800gになってしまうのです。

繁忙期でない限り、余分なストック(切り置き)はしないので
1.0kg以上のご注文をいただくと、足りない分をスライスさせていただきます。

そのとき、ほとんどのお客様が肉の色について指摘されます。

切りたての肉は新鮮なはずなのに、
暗赤色をしているため、必ずといっていいほど「大丈夫ですか?」と
不安そうに声をかけられます。

黒

写真はスライスしたての牛肉です。
この状態を見れば、確かに「大丈夫?」と
心配になる気持ちもわかります。

肉の塊から筋や脂を取り除くと、
酸素に触れた表面は鮮赤色となります。

この肉を切る(スライスする)と上の写真のように、
内部は暗赤色です。

これは、内部の酸素が少ない部分におこる現象で
還元型肉色素と言います。

赤

暗赤色の肉を空気にさらすと
写真のように酸素型色素が増えて鮮赤色に変化していきます。

ネットでのお取りよせの場合、
年に1~2回、肉が黒いのですが大丈夫ですか?
という問い合わせがあります。

梱包上、どうしても肉を重ねて並べるので
重なった部分は暗赤色になります。
特に、モモなどの赤身系は暗赤色になる確立が高いです。

これは当店だけではなく、牛肉通販をしているネットショップ全般に
同じことが言えるのですが、冷蔵発送しているほとんどの店は、
注文内容に合わせて、発送当日にスライスやカットしているはずです。

だから、鮮度落ちや肉が古いということは
まずあり得ないことだと思います。
(そうじゃない店もあるかもわかりませんので、そのあたりは
ホームページをじっくりご覧になって判断してください)

「お宅の肉、古いんちゃいますか~!」

と電話する前に、レビューに書き込む前に、
隣近所に言いふらす前に、まず重なって暗赤色になっている部分を
空気にさらしてください。

しばらくすると、鮮赤色に変化します。

ただ、肉質により、もともとが濃い肉色の場合、
酸化による退色が大きいので鮮赤色に戻らない場合もあります。

もちろん、品質にはなんら問題はありませんので
安心してお召し上がりください。

本当に古い(熟成ではなく腐食という意味)牛肉は、
見た目だけではなく、臭いもありますし、肉の表面に粘りがでたりします。

そのあたりの見極めはむつかしいところでもありますが、
まずは、信頼できる店で買い物することが最良の方法だと思います。




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近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
ホルモンの販売【ホルモンドットコム】
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2011年02月21日(月)更新

【ステーキ】肉の旨みを味わうならレアがおすすめ

here

80歳~90歳のご高齢の紳士たちが集って
肉を食べるのでとびっきりの近江牛を用意してほしいとのこと。

しかも、みなさんかなりの食通で
特に牛肉には精通しているらしい。

知人が当店の近江牛をクチコミしたらしく
それはそれは熱の入ったプレゼンさながらだったようで
そこまで言うなら食べてみたいと電話注文に至ったわけだ。

どれだけ宣伝してくれたのか分からないが
すごく期待されているようで、わくわく感が電話の向こうから伝わってくる。

確かに牛肉に詳しく、名だたるレストランを制覇しているようで
ウンチクも相当なものだ。

聞くところによると、
いつもは神戸牛ばかり食べているそうで、
近江牛は今回が初めてとのこと。

厚さ3cmでほどよくサシが入っていて
柔らかさは当然として香りがウンヌンカンヌン・・・・

こんな感じでとにかく注文が多い。
言い方を変えれば気難しい。
延々と40分は話しただろうか・・・


あぁ~、邪魔くさい。


神戸牛食べといたらええのにとも思ったが(失礼^^;)
猪木イズムな私はだれの挑戦でも受ける精神なので
最終的には快く受けさせていただいた。

もちろん、お受けしたからには
最善を尽くし、最高の状態で食べていただけるよう
とっておきの近江牛を厳選させていただく。

用途はステーキと伺っていたので
ヒレかサーロインで熟成具合をみて判断したい。

さて、話の中で、この方はステーキはレアに限ると
おっしゃっていた。

ほとんどの方は、ミディアムで焼くと思うのだが、
肉の旨味を味わうなら、私もレアがオススメだ。

ステーキの焼き方は適当に焼いても
それなりには焼けてしまうが、せっかくなので
肉の旨味を損なわない焼き方をしてもらいたいものだ。

まず、焼き加減による肉の中心温度だが、
レアで55~65度、ミディアムで65~70度、ウェルダンで70~80度
といったところだ。

鉄板やフライパンで焼くと思うが、
このときに熱した状態の温度は200~250度ぐらいになる。

焼きはじめると、肉に含まれる水分は表面に向かって移動する。

しかし、加熱速度が早ければ表面のタンパク質の凝固が早く、
内部の旨味を含んだ水分の移動が起こりにくくなる。

ということは、肉汁が外に逃げないということだ。

フライパンを熱しておいて、高温で素早く表面の筋タンパク質を
凝固させ、内部の温度を上げないようにすれば肉本来の旨味が楽しめる。

これはレアで焼く場合だが、冷蔵庫から出してすぐに焼くと
中が冷たいというミスを犯しかねない。

焼く30分ぐらい前には冷蔵庫から出して、
室温に戻しておくほうが良いだろう。

焼き加減は好みの問題もあるが、
部位によってレア、ミディアム、ウェルダンと
変えてみるとおもしろい。

機会があれば、部位による焼き加減も
提案したいと思う。



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近江牛さかえや

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2011年02月20日(日)更新

良い食品の4条件、4原則

anko

肉捌けるんやったら
あんこうもいけるやろ?

と無茶振りされて思わずその気になって
大変な目にあいました。

さて、新潟2日目ですが、
せっかくなので市場へ魚を見に行くことにした。
しかし気になるのはどこへ行っても牛肉です。

魚売り場もそこそこに
さっそく精肉売り場へ。

そこで目にしたものは
ショーケース内に陳列された
見るも無残な変色した牛肉だった。

廃棄処分にするレベルの牛肉が
平気で陳列されているではないか。

黒く変色したものや、
なかには紫色したものまであり
とても売り物とは思えないものばかりである。

売れていないから変色するのだろうが、
ここまで色変わりしている牛肉を平気で陳列するということは
見極める知識と常識がなさすぎる。

一方、豚肉はキレイな色合いで
おいしそうに陳列されている。

おそらくは、土地柄だと思うのだが
牛肉の消費が低くて、豚肉が高いのだろう。

売れないから力を入れないしPRもしない
技術も知識もなさすぎる。
こうなればすべてが悪循環だ。

前日に訪れた鹿島屋さん
「良い食品通信」という新聞をいただいた。

そこにはこんなことが書かれていた。


----- 良い食品の条件 -----

1 なによりも安全  (添加物や食品衛生の点で安心)

2 おいしい (形状・色沢・香味・食感のすべてが「本物」)

3 適正な価格 (品質にてらして安い値段)

4 ごまかしがない (不当・誇張表示、過剰包装がない)

----- 良い食品を作るための4原則 -----

1 良い原料 (確かな素性と、安全で良質)

2 清潔な工場 (機械・設備の行き届いた手入れと清掃)

3 優秀な技術 (品質を正しく見分ける眼と、素材の特性を引き出す腕)

4 経営者の良心 (儲けよりも品質を重んじる「職人の心」を持ち、
            地球環境に配慮する)



そこに勤めている人たちが
自分でお金を出してでも、自分ところの商品を買うかどうか。

勤めている人たちが、一番の顧客でないと
一般のお客さんにはとうてい響かないだろう。

ちなみに、黒くなった牛肉が気になって
翌日も市場へ行ってみたが陳列されていなかった。

廃棄処分にしたと思われるが、
空いたスペースにはなにも陳列されていなかった。

せっかくの新潟のブランド和牛、
私ならこうするのに、ああするのにと
そんなことを考える1日であった。




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近江牛さかえや

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2011年02月17日(木)更新

日本一の牛肉は?!

近江牛


日本で一番の牛肉は
どこだと思いますか?

これ、よく聞かれるんです。
特に初めてお会いする方との
酒の席では必ずこの話題になる。

私は、いつも松阪牛と答えるのですが、
ほとんどの方が驚きます。

え、近江牛売ってて
松阪牛ですか・・・。って

そりゃ、近江牛だってそこそこ有名ですよ。

でも、全国ともなれば松阪牛や神戸牛のほうが
有名でしょう。

ただ、有名だからおいしいかと言えば
それはちょっと違います。

松阪牛の中でも、
ピンもあればキリもあるでしょうし、それは近江牛でも同じです。

作り手や売り手は、我こそが日本一、
いや世界一、と言ってみたところで
最終的な判断は消費者が決めることです。

当然、作り手も売り手も
日本一を目指してやっているのですが

どこまでこだわるか、
どこまで妥協できるかなんですよね。

例えば、売りたい牛肉と売れる牛肉は
違うわけです。

本当は、赤身で健康的な牛肉を売りたいけど、
A5等級でサシがきれいに入っている牛肉のほうが
売りやすいし、値段も高くつけられる。

商売として考えるなら
断然、赤身より等級で差別化したほうが
いまは売りやすいんです。

ホームページだってそうです。

きれいなサイトと売れるサイトは違うわけです。
きれいな写真と買いたくなる写真も違うわけです。

通販サイトの場合、
いくら高額なカメラできれいに撮影しても
売れなかったら意味がありません。

それよりも、2万円程度のデジカメで撮って
牛肉と料理写真を掲載したほうが売れるかも知れません。

だとしたら、後者のほうが理にかなっている
ということになります。

味覚は人それぞれですが、
売りたい牛肉が売れる牛肉になるためにも
もっともっと想いを伝えていかないと。





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2011年02月03日(木)更新

どこにこだわるか、私は健康な牛にこだわります

フードアクションニッポンアワード優秀賞

授賞式では、いろんな方と話すことができ
改めて受賞の重みと責任感を感じた次第です。

さて、フードアクションニッポンアワードの受賞式の後、
懇親会において、数名の方とお話させていただいたのですが、
その中で話題になったのが牛肉の格付け等級でした。

食のプロ達は、みなさん一様にして
格付けで味は判断できないとのご意見。
さすがわかってらっしゃる。

私の考え方というか持論はこうです。

まず、私の中には
牛肉はすべておいしいということが根底にあります。

肉屋で買っても、スーパーで買っても
どこで買っても牛肉はおいしいということです。
逆に、マズい牛肉を探すほうがむつかしい。

もちろん、これは和牛のことで
輸入牛のことではありません。

ただ、そんな中で、
作る側、売る側、買う側が
どこに価値を見いだせるかだと思うのです。

生産者は、黒毛和種の最高レベル、
A5等級BMS12を目指して日々努力しながら肥育します。

売る側も、A5等級ですよ、しかも雌牛ですよ。
などと謳って販売するわけです。

そこへメディアが煽るものだから
消費者はA5等級こそ最高の牛肉だと思い込んで
高い値段で買うわけです。

確かに、等級としては最高レベルだが
等級と味はほとんど関係ないんです。
等級はあくまでも「ものさし」なのです。

少し話がズレますが
肥育牛は、栄養のバランスをとるために
ビタミンAが必須栄養素となります。

ビタミンAの濃度を下げると
サシが入りやすくなるので、肥育中期に制御します。
これをビタミンコントロールと呼び、A5等級の牛を作るために
躍起になっている生産者は、ビタミンAを制御しすぎるのです。

すると、肥育牛はビタミン欠乏症となり、
皮膚がただれたり、足が腫れたりと障害が生じてきます。

肥育牛にサシを入れることを否定しませんが、
やりすぎることで牛に負担がかかってしまいます。
果たしてそれが、健康な牛なのかと言われると私は断然違うと思います。

私が考える美味しい牛肉とは
イコール健康な牛なのです。

これからも等級や性別よりも
健康な牛を追求していきたいのです。

そのためには、和牛ではぜったい無理だと言われていた
国産の飼料だけで育てていければと考えています。

そうすることによって美味しさが実現し
本当の意味でお客様にも喜んでいただけると思うのです。

もちろん、国産の飼料だけだと
コスト面で採算が合わないし、
リスクのほうが大きいのが現実です。

いつだったか後藤牧場のオヤジさんが言ってました。

餌をケチったらあかん、
腹いっぱい食べさせてやったら
ほっといてもええ牛に仕上がるんや

この言葉がすべてです。

サシがなくても、大きく育たなくても
健康な牛を追求していきたいと思います。



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