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2011年04月11日(月)更新

生産者と消費者の考え方(想い)の相違



写真は捌きたてのサーロインですが、まずはこの時点で食味して、
日を追うごとに味の変化をチェックしていきます。

色が浅いのと枝肉重量が小さいので
どうかなと思ったのですが、口あたりが良く熟成後が楽しみです。

こういうあっさりとした肉を食べ慣れると、
サシがたっぷりある肉を体が欲しなくなる。

生産者にとっては、格付けありきで目指すのはA5評価であり、
また経営を支えるためには目指さなければいけないところでもある。

しかし、現実的には格付けと味とはあまり関係がないので
見た目よりも味を求めるお客様にはA3やA4(BMS5~6)あたりが好評である。

A5の肉牛になるように育成しつつ、「うまい肉」つまり味を求める生産者が多い。
しかし「うまい肉」とはいったいどのような肉なのか?

食味試験をやっている先生方もおられるが、オレイン酸が関係あるとかないとか
これといった答えが見つからないのが事実であり、もしかすると答えなんかないのかも
知れない。

食べた人が、おいしいと感じたらおいしいのであって、
極端にいえば、ブランド牛のA5よりホルスタインの肉がおいしいと感じるなら
その人にとっては、それが「おいしい肉」なのだと思う。

さて、枝肉重量の話をすると、

数年前までは、せいぜい450kgあたりだったのが、
いまでは500kg以上というものが多い。

神戸牛は枝肉の重量制限(メスでは230kg~470kg、オスでは260kg~470kg )があるが
近江牛は制限がないのでセリでは600kg超えもたまに見かける。

生産者としては、いくらA5でBMSが10や11でも重量が小さければ儲けにならない。

例えば、A5で重量が420kgで2,300円のセリ値がついたとしましょう。
損益分岐点を100万とすると、税抜きで966,000円だから赤字なわけです。

それよりも、A4で重量が580kg、セリ値が1,800円のほうが利益がでるわけです。
最低でも元がとれないとエサ代も賄えないというわけです。

こういう事情もあって、生産者は牛を大きく育てるのです。

私は個人的に大きな牛(枝肉)は好きではないのであまり手をださないが。

牛の成長には血統や飼料など、いろいろな要因があるわけだが
私が考えるには、やはり“技術”だと思うのです。

この10年で近江牛のレベルはものすごく向上しました。

それは、県をあげてのたゆまぬ研究はもちろんのこと、近江の地に根づいている
先人たちの技術の伝承だと思う。




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2011年03月31日(木)更新

肥育試験牛の枝肉を捌いてみた


肥育試験牛の枝肉を捌いてみたところ、

思っていた以上に脂もしっかりしていて肉質も悪くない。

試験牛ということで、関係者や生産農家さんも食味するので
早々に捌いたが、本当はもう少し枝肉のまま熟成させたかった。

少量だが、スタッフ数名で試食してみたが
見た目は確かによかったのだが、火入れすると脂質がよくない。

まだ落ち着いていないのか、トゲがあるようなしつこさを感じる。
まろやかな脂が理想だが、いまのところほど遠いと言わざるをえない。

数日後、もう一度同じ部位を試食して判断してみたい。

さて、農家さんにとっては頭の痛い話ではあるが、
穀物(小麦・トウモロコシ)相場が高値で推移している。

だからこそ、玄米10%を配合している試験牛に期待したいところなのだ。

飼料の値上げは生産農家にとっては死活問題だ。

しかも、北米産地の牧草作付面積(転作)が減少するとの予想もあり
そうなれば生産は増えないので、穀物の高値はさらに加速するだろう。

こんなときこそ、生産者、販売者が一体となり、
そして消費者は食べることで支えてほしい。


なんといっても、牛肉は元気の源なのだ!

2011年03月29日(火)更新

肥育試験牛の枝肉


黒毛和種去勢牛肥育における玄米給与が生産性および肉質におよぼす影響を調査することを目的に、
滋賀県畜産技術振興センターがトウモロコシの代替えに玄米を10%配合して給与した枝肉が仕上がってきた。

28ヶ月の仕上がりは少し早い気がするが、食味が良ければ今後値上がりする飼料の代替えとして使えるのでは
ないかと期待できる。

サーバー移転のため、テスト的に記事を書いてみたが、新システムになって非常に使いずらい。


2011年03月28日(月)更新

脂肪が少なく旨みを楽しむならランイチがおススメ

rumsteck

赤身肉の代名詞といえばヒレですが、
価格面と使い勝手の良さからランイチの引き合いが強くなってきました。

ここ最近は、東北方面から仕入れていた方々の問い合わせが多く
復旧するまでお手伝いする機会も増えてきそうです。

東北方面の牛肉を使っている方は、
サシ重視より赤身肉を求めるケースが多いので
私としては、得意とするところでもあり逆にありがたいです。

さて、ランプはサーロインの後方に位置する腰から腿にかけての部分です。
さらに、ランプよりお尻に近い、大腿二頭筋上側にイチボと呼ばれる部位が
くっついているため「ランイチ」とも呼ばれます。

イチボは赤身肉のなかでも高級部位、希少部位として
特別扱いされることが多く、A5あたりのイチボだとモモ肉でありながら
サシが強いため、ロースとして商品化されている店もあるようです。

最近では「イチボ」と部位表記したほうが、受けが良いようで
あえて専門用語をメニュー名にしている店も増えてきました。

ちなみに、個人的にステーキをするときは、
サーロインを選ぶことが少なくなりました。

年齢的にもあっさりとした食感が楽しめるランプがベストです。



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2011年03月27日(日)更新

生レバーを分厚くカットしてレアで焼いて

レバーステーキ

写真は、新鮮なレバーを分厚くカットしてレアで焼いたものです。

これだけ分厚くカットすると
新鮮でなければレバー特有のにおいが邪魔しておいしくありません。

レバ刺しで食べるより、少し火入れしたほうが
甘みが膨らみ食感も楽しめます。

合わせるアルコールは、ワインよりも断然、日本酒です。

届いたばかりの「獺祭」を口に含んだ瞬間、レバーの旨さが
口いっぱいに広がり、箸がとまらなくなります。

新鮮なレバーが手に入る方は、ぜひお試しください。



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