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「食」を通して「美味しさ」とともに贅沢な時間と楽しさ、笑顔の「食卓」を提案します。
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2011年05月14日(土)更新
安さを追い求めたら安物しか残らない
社長、チョメチョメ新聞から電話ですよ。
お、取材か!
と、喜び勇んで電話にでると
今回の事件について意見を聞かせてほしいと。
そんな電話がもう何件かかってきただろうか。
2年ほど前のことだが、業務用サイトをご覧になって
取引したいといってきた焼肉店があった。
一度会って話しをしたいというので、
数日後、当店に来てもらった。
焼肉屋の社長は、既に近江牛を使っていることと
開業から仕入れに至るまでの経由、さらに売上までしゃべりはじめた。
メニューもみせてもらったが、私の嫌いな食べ放題がメインだった。
社長曰く、売上は上がっているがまったく儲かっていない。
そこをなんとか改善したいので力を貸してほしいということだった。
力を貸すもなにも、高く仕入れて食べ放題やっていたら儲かるどころか
そのうち潰れますよ。
私はそう言って、まず食べ放題をやめましょうと提案した。
数ヵ月後、焼肉屋の社長から食べ放題をやめたと言って電話がかかってきた。
この店は、近江牛のA4アップ~A5の格付けにこだわっていて
売上があがるからと食べ放題に走り、挙句の果てに資金繰りに困ったというわけだ。
近江牛ブランドで付加価値をつけるのは別段珍しいことではないが
売り方が食べ放題では長続きしない。
近江牛に限らずブランド和牛は大量生産ではなく、ある程度希少だからこそ魅力がある。
しかも生産者が手間隙かけ、産地近郊でしか食べられないからこそ希少価値があるというもの。
ところが、売れる商材はだれもが欲しいし販売したい。
そこにメディア戦略を絡めてヒットでもしようものなら一気に加速してしまう。
「良いものを安く売りたい」
商売のやり方なので否定はしないが、「安い」を追い求めると最終的には「安物」しか残らない。
決まった部位を大量に仕入れているから安価な仕入れが実現できる。
よく聞くことだが、そんなはずはない。
例えば、12月はサーロインやヒレの需要が高まる。
大量に仕入れるからといっても、肝心のモノがないので値段ウンヌンではないのだ。
需要に供給が追いつかないのが、この業界の12月だ。
需要が少ない部位、つまり余っている在庫品であれば投げ価格で仕入れることは可能だろう。
しかし、それも在庫が底をつけば終了となってしまう。
なにもブランド和牛だからということではなく、黒毛和牛でも同一部位を仕入れ続けるには限界がある。
要望にすべて応えようとすれば、フードチェーンといわれる生産段階、加工段階、卸段階、小売段階を通して
何らかの行為が行われるようになる。
その結果、原料生産以上の商品がマーケットに並ぶということになる。
輸入牛の肉なら可能だが、和牛では限度がある。
分かりやすい例をあげると、和牛のタンはほとんど出回っていない。
国産牛のタンも同様だ。
(流通ルートをしっかり確保している店は別だが)
しかし、焼肉屋に行けばタンは必ずメニューに載っている。
もちろん輸入モノだが、これは日本と米国、豪州などの諸外国とでは屠畜量が違うためだ。
書きだしたらきりがないが、
なにを行うにしても、最終的には人がやることなのでモラルの問題であり
品質管理、チェック体制などの仕組みをつくり、維持していくことに尽きるかと思う。
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◆近江牛の販売【近江牛ドットコム】
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◆近江牛業務用卸
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2011年05月08日(日)更新
部位名が覚えられない理由
他業種から入社した社員がまず最初にぶち当たる悩みが商品知識だ。
知識以前に、部位名がなかなか覚えられない。
やっと覚えたとしても、捌いたばかりの形と半分ぐらいまでカットしたり形では
見た目が変わってしまう。
さらに、すき焼き用などにスライスしてしまうと余計にわからなくなってしまう。
一生懸命にメモしても覚えられない。
たくさん触って見ることが一番の近道なのだが、
それにしても、私が修業していた頃と比べると覚えが悪すぎる。
もしかしたら私が才能がありすぎるのか?!
なんてことは思ってはいないが、
これにはちゃんとした理由だあるのだ。
一昔前は、枝肉が主流でまず捌き(脱骨作業)から教え込まれる。
いきなり捌き方ではなく、先輩が捌いた骨についた肉をそぎ落とす作業を
延々とやらされるのだ。
これは、骨の形を覚えるためなのだが
けっこう邪魔くさくて忍耐のいる作業だ。
次に捌き包丁を使って大きな肉の塊から骨を取り除いていくのだが
当時は嫌で嫌で仕方がなかった。
でも、この経験があるから仕事を早く覚えられたわけだし
いまにして思えば指導してくれた恩人に感謝している。
現在、捌きをしている店はほとんどなくなり、
問屋から仕入れるボックスミートが主流となっている。
ボックスミートとは、枝肉のような一頭買いではなく、
好きな部位だけが箱に詰められて納品されてくる部位のみの仕入れ方法である。
たとえ枝肉で購入したとしても、捌きは外部へ出しているため
結局は、ボックスミートでの納品となるわけだ。
このような理由から、じつは覚えが悪いのではなく、
一番大切な基礎の部分が省かれているから、覚えるのに苦労しているのだ。
とはいっても結局は、切羽詰まってやる気をだすかどうか、、、なのだが。
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2011年05月05日(木)更新
熟成肉に竹虎の粒炭を使う
「熟成」には、様々な諸説があり、
と畜後、枝肉となってから精肉になるまで期間を置いた状態を
熟成と呼ぶ場合が多い。
昔と違ってボックスミートが主流の現在では
これらをウェットエージングと呼ぶのだが、真空パックされた肉は
時間を置けばおくほどドリップが脂に浸透して、旨みが損なうように思う。
肉の香りは脂の質が重要なことを考えると
ウェットエージングでは理想的な熟成はできない結論に達する。
私が修業していた時代は枝肉が主流だったので、
冷蔵庫に長期間吊るして自然に表面が乾燥している状態のものを幾度となくみてきた。
その表面を削いで、すき焼き用などにスライスしたりするわけだが
いま考えると、自然に熟成されていたのではないだろうか。
よくよく考えると、部分肉があたりまえのように流通しだしてから、
「むかしの肉はうまかったのに、最近の肉は甘味がかけた肉が多い」
などという声をよく聞くようになった。
枝肉主流の時代、自然に熟成がされていたことを考えると
こういうふうに考えられないだろうか。
と畜後、硬直解除されるのが7日~10日かかるため、それまでは
筋肉がすべてのミオシンがアクチンと結合した硬直複合体を
形成しているため非常に硬くなる。
さらに、硬直時の筋肉はpHが最も酸性になっていて、
保水性が悪いため食肉としては適していない状態といえる。
しかし、実際には、と畜後すぐに(枝肉になってから翌日とか)精肉にしても
たいした問題はなく、柔らかさも旨さもある。
これは、サシの多い黒毛和牛だから成せることなのか、
正直、分からない部分ではあるが、
1週間も、2週間も枝肉のまま冷蔵庫で保管することは
現在では稀で、早出しが多いのがどこの店舗でもあたりまえだと思う。
ということを踏まえて考えると、
サシの多い等級上位の牛肉は、硬直解除されてすぐに精肉にしても
問題はないが、等級の低い赤身系の牛肉ほど長期熟成が向いているのでは
ないかと思う。
40日以上熟成させた牛肉は、生クリームのようなフレーバーな香りがするが
枝肉の選定を見誤ると、肉が腐ってしまうことがある。
まずは、長期熟成に耐えうる枝肉でなければいけないし、
それを見極められる知識と経験が伴っていなければならない。
いろいろと研究していくなかで、調湿効果に優れていることから
竹炭を冷蔵庫内に敷き詰めたら、と考えてみた。
もちろん、竹炭を用いる理由はそれだけではない。
使い方も一工夫するのだが、さっそく竹虎の山岸社長に相談したところ
粒炭がええんやないかということで本人自ら、慣れない梱包までして送ってくれた。
ゴールデンウィークが終わったらさっそく試してみたいと思う。
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2011年04月27日(水)更新
経産牛はもっと見直されるべきだ
どっちもうまいけど、こっちのほうが好みかな。
霜降り肉と赤身肉を食べ比べた友人の感想だ。
こっちとは赤身肉のほうだ。
しかも赤身肉は、経産牛なので霜降り信仰が根強い業界人が聞いたら
味音痴などと罵られるかも知れない。
ちなみに、経産牛とは、数回の出産を終えた牛で、肉質が硬く、風味、
食感ともに落ちるため、精肉として商品化されることはほとんどなく、
大半は加工用原材料として用いられている牛肉のことである。
従来は、枝肉としての市場出荷価格はかなり安価での取引のため
加工品(カレーやハンバーグ)に使われることが多い。
しかし、ここ最近、経産牛の旨さが再認識され始めている。
確かに硬いが、カッティングや調理方法によっては
柔らかくもなるし、なんといっても風味、味わいが格別なのである。
サシが多いとろける肉よりも、若干の歯ごたえを感じつつ
ジュワ~と肉汁があふれる肉らしい肉のほうが通にはうけている。
とはいっても、頻繁に出回らないので商品化はむつかしい。
真においしいものほど大量生産できないものである。
それを可能にするには、生産流通においてなんらかの変更が必要なのだ。
もちろん、それは犯罪行為になるのでやってはいけないことなのだが・・・
数年前から、地域の特産品や地域ブランドに注目があつまり、
NBよりPBが人気だ。
特に「地産地消」「地場」と呼ばれているものにメディアも注目したりする。
地域の特産品の人気の秘密は、
希少価値、手造り、手間がかかっている、原料がその地域でしかとれない、
こんなところだろうか。
しかしながら、地域の特産品の難点はNBのように大量生産ができない。
ひっそりやっていればいいものの、ひょんなことでテレビや雑誌で取り上げられると
大変な目にあう。
つまりは、予想以上に売れすぎるのだ。
そこへ量販店が目をつける
そして小売店やスーパーでも扱いたいと問い合わせがくる。
そして取引がはじまってしまうとさらに大変なことになる。
大量販売のシステムに乗ってしまうと
限られた原料の場合、次第に製品が不足しだして
何らかの増量行為や生産方法の変更(大量生産型)が行われるようになる。
そこに利益があればなおさらで、利益が上がれば上がるほどやめられない。
結果どうなるのかというと、原料生産以上の商品が市場マーケットに並ぶということになる。
「地域ブランド」というのは原料生産から加工、販売まで、地域に徹してこそのブランドであり、
それでこそ価値のあるものということが当たり前になってほしいものです。
現在は、「販売量にあわせた生産システム」という考え方がマーケットを支配している。
しかも、一度販売が始まれば、売り場で「欠品」は許されない。
生産量に合わせた販売量が本来あるべき姿なのだが、それでは大きな商いが成立しないということだろう。
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2011年04月17日(日)更新
平成の怪物種牛雄 平茂勝
肉牛の仕上がりは環境や飼料によるところが大きいが、
生産者が重要視するのは“血統”だ。
例えば、子牛のセリ市では、人気のある血統(優秀な成績を残している)は高くなりがちで
サシがよく入り、大きくなる資質がある牛が好まれる傾向にある。
つまりは、A5になる確率が高く、大きく育って利益がとれる牛ということだ。
血統書の見方も人によっては異なるようだが、
まず共通しているのは、父を重要視している点である。
添付の血統書は、父が百合茂(鹿児島)で、脂肪交雑(サシ)、脂肪質に優れていて
モモ抜けも良いとの評価がある。
次に母方の祖父と合わせて総合的に評価して買い付けたりするわけだ。
私は、但馬系の血統が好きなので、九州系を買い付けることは少ないのだが
それでもときどき買い付ける九州系でよく目にするのが「平茂勝」だ。
平茂勝(鹿児島)は、安福(岐阜)、北国7の8(島根)とともに
現役の種牛や雌牛、子牛のほとんどに入っている。
特に平茂勝は、平成の怪物種牛雄と呼ばれていたぐらいだから
さしずめ、肉牛界のタイガーウッズといったところだろうか。
その平茂勝だが、小ぶりな但馬系と比べて
枝肉重量が500kg以上はとれ、しかもサシがよく入りやすいことから
生産者には人気が高く、事実、セリでも高値がつくことが多い。
しかし、平茂勝に限らず大きな牛は肉屋泣かせで
精肉にするときに、大きすぎてスライサーに入らなかったりする。
そのために、スライサーのサイズに合わせてカットするわけだから
結局、ロスが多くなり、歩留まりが悪い牛ということになるわけだ。
もちろん、大きな牛が好きな方もいるので一概には言えない。
一方、但馬系は450kgにも満たない枝肉が多くスライサーにもベストサイズで収まる。
ただ、血縁が濃くなれば肉質は上がるだろうが、環境変化に弱く、病気にかかりやすくなり
牛自体が小さくなると言われている。
生産者も経営していかなければいけないので、少しでも大きくなるように育てるのは理解できるが
最近では、枝肉重量が600kgを超えるものもではじめてきた。
年々大きくなっていく牛をみていると、いくら経済動物だからといっても
本当にこれでいいのか?と違和感を覚えてしまう。
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