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2011年09月17日(土)更新

霜降り肉より赤身肉に高評価の牛肉大国フランス



牛肉(枝肉)の評価は、格付けで決まってしまう。
写真の肉は、最高評価のA5だが、3切れ食べてギブアップしてしまった。

自分で目利きして仕入れておいてなんたることか。

見た目はキレイなんやけどなぁー、、、残念。

やっぱり見た目と味は別物であることを再確認した。

まぁ、これは当店で販売するのではなく、いわば別注品なのだ。
レストランのオーナーシェフからのご指名というわけだ。

雌牛でA5指定という注文だったので
ご要望通りの肉を仕入れるわけだが、脂質や肉質、価格とのバランスをみながら
その店に合ったものを仕入れるのが私の仕事でもある。

雌牛は融点が低いため、サシが多くてもあっさりしている、
なんて言われているが、実際はそんなことはない。

格付けが上げれば上がるほどサシが多くなるので
量的にはそれほど食べられないものなのだ。

もちろん、プロのシェフ達はそのあたりを心得ているので
おいしくなるように料理してくれる。

ところが、一般小売、つまり肉屋や百貨店の精肉売り場へ行くと
だいたい1枚180gとか200gですすめてくれる。

A:1人前どれぐらいですか?

B:だいたい180~200gですね

とまぁ、サーロインならこんな感じです。
ヒレなら100~150gが適量かと。


家庭で焼いて、おいしいと感じるのは
せいぜい2切れ、3切れで次第に脂くどくて食べ疲れてしまうだろう。

雌牛だのA5だのというのは売り手側の勝手な言い分で
自分たちが食べたい肉ではなく、売りたい肉を販売しているにすぎない。

格付けについては以前にもいくつか書いてきたので
こちらをご覧いただきたい。(→クリック

雌牛でA5をウリにしたやり方はそろそろ終焉が近づいているような気がする。

消費者の意識もたんなる霜降り信仰から赤身志向に変わりつつあり
最近では、あれだけサシ重視で騒いでいたグルメ雑誌も赤身肉の記事が
目立ち始めてきた。

ただ、A5の肉牛は市場でも高値で取引されているのが現状なので
生産者にとっては、どうしても目指すべきはA5になってしまうわけだ。

格付けに関係なく、平均した価格での取引をするには
黒毛和牛を減らすしかない。

このあたりの話は、別の機会に書くとして、
国外の牛肉事情について少し触れてみたいと思う。

例えば、牛肉大国といわれているフランスでは、
肉用品種だけでも約20種あり、しかも25等級にランク付けされている。

部位も47にわけられるというから日本の畜産事情からは想像もできない。

日本のようにサシ重視ではなく、霜降り度合いが高ければ高いほど高評価という
わけではない。

脂肪率等級では、標準的な3が消費者の好む最高ランクとみなされる。

つまりは、見た目よりも「味」が最重要視されているということだ。

さすが畜産大国といわれているフランス、日本の畜産も本来はこうあるべきなのだが。




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2011年09月07日(水)更新

共感から心をつなぐ商いへ


 

みなちゃん(左から2人目)おなか目立ってきたなぁ。
私の予想では女の子やな。

名前は、牛子で決まりや(笑)

たまにこうやってみんなで写真を撮るんです。
今回はみなちゃんの妊婦姿を記念して。

みんなええ笑顔してますわ。

この笑顔が日本の一次産業を支えてるんです。

いや、この笑顔をみんなで支えなあかんのです。

そやないと日本は益々おかしくなる。

 

牛肉の世界はここ10年で大きく変化しました。

0157にはじまり、BSE、口蹄疫、ユッケ事件、震災による放射性セシウムと

上げればきりがないが、何か起こるたびに消費動向が変化し、自分たちでは

どうすることもできない、あまりにも大きな問題にただ立ち尽くすだけの

現状が続いていました。

 

 

お客様の消費マインドは、「欲を刺激されて購入する」という流れから、

「共感して参加する(応援する)」というふうに変わってきている。

 

 

これは、高知のe商人養成塾で講師のこみやまたみこ先生が

おっしゃてたことだ。

 

インターネット上には、たくさんのライバル店が存在する。

 

牛肉で例えるとあまりにもリアルすぎるのでカニで例えてみると、

うちは漁港でセリで直接買い付けたり、時には漁師さんと一緒に漁にでることもある。

 

11月の解禁と同時に獲れたてのカニを翌年の2月まで販売する。

この時期が1年で一番のかきいれどきで、逆にカニが終わると閑散としてしまう。

 

ところが、年がら年中カニを売ってる店がある。

 

当然輸入ものだが、いつ冷凍したか分からないようなカニを広告打ちまくって売りまくるわけです。

 

これが北海道の会社なら消費者は北海道というだけで安心して買ってしまう。

 

どこで獲れたかわからないものを安いというだけで買ってしまう。

 

そしてマズかったら文句言ったり書きこんだりするわけです。

 

うちとはスタンスがまったく異なるので比較するようなものではないが

同じカニを扱ってる者としてはこういう売り方はどうかと思ってしまう。

 

しかも、ちゃんとやってるうちよりめちゃくちゃ売ったりするわけです。

商売のやり方といってしまえばそうなんだが、なんかしっくりこない。

 

とまぁ、こんな感じなのだがどの業界でもよくある話だ。

 

ネットである程度成功すると、次にやることは業務の簡素化であり

効率化だ。誤解を恐れずに言ってしまえばいかに楽して金儲けできるかに走ってしまう。

 

牛肉の繁忙期でもある8月、牛肉関連は昨対から2~3割ダウンだと聞くが、

当店はなんとか目標設定した数字をクリアすることができた。

 

広告や派手な宣伝は一切やっていない。

もちろんなにもやらなかったというわけではない。

 

唯一やってきたことは、生産農家さんとの取り組みを発信し続けた。

 

その結果、フードアクション・ニッポンアワードで優秀賞を受賞できたり

テレビや雑誌で紹介されたり、それが情報発信となり共感の輪が広がっていった。

 

共感する消費者の方々が集まり、なかには東京から牧場へ行ってみたいと訪問され

実際の牛をみるとエサをやりたくなり、生産農家さんと触れあい、命について考えさせられ

それらが食育であったり、安全や安心につながっていったのだと思う。

 

きっかけはネットだけど、それをどうやってリアルにつなげるか。

生産農家さんを「買い支える」ということをやってきて、そこに共感してくれた人たちと

本当にいろんなことにチャレンジし、失敗もあったし成功もあったが、感動と笑いと涙と

お金で繋がっている商売ではない心の商いをやらせてもらってると、いまこういうときだからこそ

実感しています。

 

これから益々、こういった行動が大切になると思っています。




 


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2011年09月01日(木)更新

伝え方



先月だったか百貨店で見つけたスイカです。

見たところ普通のスイカだが
箱に入って包装されていると高価にみえる。

暑い日にたまたま贈り物探してウロウロしていたら
もしかしたら買っていたかも知れない。

見慣れたスイカでも、包装1つで購買意欲がわくというもの。

近江牛の牧場がある大中地区はスイカの産地として有名だ。

夏になると、道路沿いにスイカの販売所が立ち並ぶ。

おばちゃんが網に入れて販売しているスイカと
百貨店の箱入りスイカは味自体は変わらないと思うが
ギフトとなると見栄えも重視しなければいけない。

いくら味に自信があるからと言っても
見栄えを粗末にすると味にも影響しかねない。

牛肉も同様で、店頭のショーケース前で迷っているお客さんに声をかけると、
自分用ではなく贈り物をどれにしようかと迷っているケースが多い。

自分用なら赤身肉を買うんやけど、人様にあげるとなると
やっぱり見た目も大事やし霜降りにしとこかなぁ~

てな具合だ。

店頭だったら接客で対応できる部分ではあるが
サイトでは、伝え方がむずかしい。

写真、テキスト、スタッフのおすすめ、お客様の声・・・

どれも伝え方の1つではあるが、一番大事なのはサイトの「姿勢」だと思う。

しかし、独自サイトならいざ知らず、
モールは様々な制限があるため、伝えたいことが伝えられない。

資金力のない企業は淘汰されていきそうな気配さえ感じる。

最近、ブログを見ての問い合わせが多い。

サイトではデザイン上の問題などから書ききれない部分がたくさんある。
それらをブログで補っているつもりで書いているのだが、それが本音の部分であり
良質なコンテンツの積み上げはサイトの信頼性へと繋がっていくものだと思う。





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2011年08月26日(金)更新

おいしい食卓にこそ牛肉を
























先日の新聞に「給食で牛肉使用自粛」という見出しがあり

記事はこう続いていた。


稲わらの汚染問題が明るみに出て以降、国が牛肉の全面的な出荷制限をかけたのは
岩手、宮城、福島、栃木の4県。宮城県については一部制限が解除されている。

しかし、牛肉に対する不安は4県以外の産地にも飛び火している。

農林水産省によると、少なくとも17道県産の牛肉で取引価格が下落。
関東以東産が中心だが、岐阜、三重、島根県産でも価格が下落しており、
消費者の牛肉に対する不安はなかなか消えない。

中でも子供への影響を危惧する保護者の不安は根強い。
文部科学省には今でも毎日のように、電話やメールで給食で使われる牛肉を含めた食材について、
意見や問い合わせが届く。

風評被害の拡大を懸念しつつ、保護者の不安解消を優先した自治体教委もある。
大阪府東大阪市教委の場合、9月から当面、小学校54校の給食で牛肉の使用を見合わせるが、
保護者から使用自粛を求める意見が届いたわけではないという。


とまぁ、こんな内容だが、当店でも影響はでている。


地元の幼稚園や保育園に食肉を使っていただいているのだが
先月から牛肉メニューを少しずつ豚肉メニューに変更しつつある。

安全なのは分かっているが、ほんの少しで不安であれば
自粛したいというところだろう。


かたや、病院や公共施設などからは、
牛肉をもっと増やしたメニューに変更したいとの要望をいただいている。


当店では、以前より自主検査を行っているので安全面は問題ないのだが
それよりも、おいしい牛肉を食べたいということだろう。


「独食」、「個食」が問題になっている昨今、
家族が揃って食卓を囲むことが少なくなってきている。

「いただきます」「ごちそうさま」などのしつけは
家庭の「食卓」で行われてきたものだが、いまは学校の給食時がその役割となっている。

そこに牛肉が担う役割は大きいと思うのだが、
安心して食べられる牛肉が全国に流通するよう早期解決を願うばかりだ。


 


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2011年08月16日(火)更新

安全vs価格



先月末に開催された滋賀B級バトルは12万人という集客だったとか。
滋賀県では初のB級グルメのイベントだったので大盛況のようだった。

私は初日に参加してのだが、朝9時の開催と同時にいきなりすごい人だった。

写真は、近江牛ホルモンを練りこんだソーセージのお店。

下処理が良いのかホルモン特有のにおいもなく、
コリコリとした食感が楽しめておいしかった!

さて、B級グルメとは、
価格も 庶民的で気軽に手が届き、かつ、味も楽しめるものである。
格安の値段で一流の味を提供し、なおかつお買い得である料理のことを言うのだそうだ。

なるほど、写真のソーセージなんかは
高級レストランの一品としても十分通用すると思うので
まさしく、B級の名にふさわしい料理だと言える。


先日、とある市場へ行ってきた。


なにがすごいかって、肉屋が5店舗もあるんです。
もしかしたら私が見落としていただけでもっとあったかも知れません。


隣が肉屋なんて、私なんて気が弱いので
想像しただけでゾッとする。


5店舗のうち1店舗は小売というより業務用に特化していて
2店舗は老舗の肉屋、1店舗は安売り店、1店舗は揚げ物に力を入れてる感じだった。


それぞれに競合しないように住み分けしているようだが、
どの店も私がいた時間帯(13時~16時)は暇そうにしていた。

唯一、安売りの店だけがたえずお客さんが入っている状態で
店先にはたれやスープが山積みにされていたり、ショーケースには
ソーセージやハムが溢れるぐらいに積み上げられていた。

豚肉、鳥肉は専門外なので分からないが
たぶん安いんだと思う。

牛肉は、とにかく安かった。
だけど、個体番号の表示もなければ産地表示もない。
国産とだけ表示はあるが、お客さんは不安じゃないんだろうかと思った。

とにかく安ければいい、
お客さんはもちろんだが、店内からもそんな空気がビンビン伝わる。

赤いシールが貼ってあるパックの肉に群がっているお客さんをみて
いろいろと考えさせられた。

一方、このお盆はどこの店も2~3割減で昨対を大きく下回ったと聞く。
そんな苦境の中、当店はおかげさまで例年並みの忙しさで締めくくることができた。

県外から安全な牛肉を求めて来店されたお客さんや
関東方面からの需要も多かった。

フードアクション・ニッポンアワード
当店の取り組みを知ったお客さんもたくさん来店された。


なにをもって安全とするのか?


証明書や検査書はないよりはあったほうがいい。

けど、細く長く続ける取り組みに勝るものはないと思う。


これだけ安全性が騒がれても
無意味な安売りに群がる客がいることも事実。


わざわざ、安全な牛肉を探し求めて当店を選んでくださる
お客さんがいることも事実。


苦しくてもブレない取り組みが明日に繋がる


そんなことを思うお盆最終日だった。




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