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2012年05月25日(金)更新

諦めずにやり続けることの大切さ




京都の花園大学で講義させていただきました。

私程度が講義というのはおこがましいのだが
いつものように牛肉のことを話させてもらっただけだ。

牛肉の話がはたして響くのかなと思ったのだが
生徒たちの関心度は高く、真剣な眼差しについつい私も熱く語ってしまった。

声を張ってしゃべるタイプではないので、淡々と肉の話をする私に
目を合わせるとニコっとしてくれたり、頷いてくれたりと生徒なりに気をつかって
くれていたのかも知れない。

講義が終わり、生徒1人1人と握手してメッセージもしっかり受け取りました。
質問攻めにも合いました(笑)

私から生徒のみなさんに伝えたメッセージは、諦めずにやり続けること。

不器用でも1つのことをやり続けることが大切・・・

みたいなことを私の実体験をもとに話させてもらった。

このような機会を与えていただき感謝です。



2012年05月18日(金)更新

金澤翔子さんの世界





前々から見てみたい書展があった。

ダウン症の女流作家、金澤翔子さんだ。

数年前に彼女の文字をみて衝撃と感動を覚えた。

たまたま建仁時へ風神雷神を見に行ったときに
これまた偶然にも金澤翔子さんの書展が開催されていた。

しかも、最終日ということでご本人にもお会いすることができた。






NHK大河の「平清盛」の題字は金澤翔子さんが書いたものだそうで後日知った。

翌週、引き寄せられるように平清盛の舞台となった広島へでかけてきた。

おかげで広島でもすばらしい出会いがあり、行動することの大切さを改めて知った。



2012年05月07日(月)更新

うちの肉が一番うまいと思ってはいけない




GWが終わって今日から平日モードなのんびりした空気が漂う。

あれだけ混雑した店内もひっそりとしたものだ。

この落差が疲れを倍増させるのだが、気持ちを切り替えて次のビッグイベントに
備えなければならない。

GW中、ご来店いただいたたくさんのお客様から

「さかえやさんの近江牛が一番うまい!」

「いろんな肉食べてきたけど、さかえやの肉が一番や!」

「こないだ買うてあまりにも旨かったのでまた買いに来たで~」

などなど・・・・

最高の賛辞をいただいた。

私たちはもちろんのこと、生産者にとっても一番うれしい言葉だ。

子牛の頃から成牛になるまでを見続け、枝肉から精肉に、さらに試食も繰り返し
流通過程をすべて把握した一気通関の流れは、当店の品質、味、安全性への
自信と繋がっている。

だから、当店のスタッフは、胸を張って「おいしいですよ!」と心の奥底から
魂の接客ができる。

しかし、「うちの肉が一番うまい」と思ってはいけない。

なぜなら、肉屋のビッグ繁忙期は、年末年始、GW、お盆であり
明けてからは間違いなく暇になるのだ。この落差が大きい。

暇に慣れてしまうと、売れないのはお客が悪い、景気が悪いと
理由を外的要因に置き換えて考えてしまう。

弊社が理念に掲げている「おいしい食卓」は
牛肉をとおしてお客様に喜んでもらい、社会貢献し続けることにある。

それを暇な理由を置き換えてしまったら、考える力や能力が停止してしまい
改善すらできないようになってしまう。

売れない、暇だと嘆くより、お客様の用途と店側が求めるものがズレていないか
再確認する必要がある。

暇こそチャンスなのだ。




2012年05月05日(土)更新

処置5分で13200円なり




写真の牛さんは但馬系近江牛だが本文になんの関係もない。


GWも明日で終わりだ。
連日、たくさんのお客様で店内がごったがえしている。

いつもはネットで買い物をしてくださっている県外のお客様も
わざわざ買い物に来てくださったりとありがたいことだ。

とにかく忙しい・・・

1日のうちに何度かピークがあるのだが、昨日の昼ごろはすさまじかった。
昼ごはんもままならない状況で、少しお客様がひいたときに弁当を流し込んだ。

これがそもそものはじまりで、おかずに入っていた3㎝程度の焼きシャケを
まるごと口に放り込んだときだった。

チクッとした違和感があったのだが、店頭が混み始めてきたので
骨を抜くのは後回しとばかりに、作業に戻った。

どうやら舌の横奥に刺さった模様で、次第に違和感が増幅しだした。
唾を飲み込むだけでも痛みが走る。

たかがシャケの骨だが気分は落ち込みどうにもテンションが上がらない。

この忙しいのにシャケの骨ごときにやられるとは情けない。
トラウマになりそうだ。

結局、夜も寝つけず、朝から救急病院へ行くことにした。
GWだというのに病院はすごい人だった。

頭から血を流している人、足をひきずりながら受付で文句言ってる人、
汗をかきながらソファで横たわっている人、すべての人が重傷患者だ。

救急病院なのであたりまえか・・・

受付で番号札を渡され、順番に看護師が症状を聞きに来るシステムのようだ。
どうやら症状に応じて、対処法や診察の順番を決めている感じだ。

2時間ぐらい待っただろうか、2番の方~、2番の方いらっしゃいますか!~

と看護師さんが叫んでいる。

ウトウトしていたので聞こえにくかったが私の番がきたようだ。

手を挙げると看護師が近づいてきて、どうされましたか?
と聞いてきた。

私の右隣の方は、事故にでもあったのか顔は腫れあがり服には血がついている。
左隣の人は、足を怪我したらしく、これまたズボンに血が染みている。

そんな中で、シャケの骨が刺さったなんて言いにくい。

小声で事情を伝えた後、さらに30分ほど待たされてようやく診てもらえることになった。

しかし探せど探せどシャケの骨が見当たらない。
鼻からスコープを通され、ウェウェしながらそれでも見つからない。

結局、舌ではなく扁桃腺に刺さっていたようで、とれたときの快感ときたらスカッと爽快だった。

驚いたのは会計だ。
なんと13,200円だった。

何かの間違いやないのか?!
と詰め寄ったが、どうやら間違いではないようだ。

シャケ1匹買えるやないか!

思わぬ出費にせっかく骨がとれたのに違う意味でテンションだだ下がりだ。

さて、GWも残すところあと1日

お仕事されてるみなさん、がんばって行きましょう!!!



2012年03月29日(木)更新

生産者と消費者の架け橋に



10年前、はじめて近江牛の生産農家さんを訪ねた。
 

消費者のみなさんは、生産者と販売者、
つまり農家と肉屋は密接な関係にあると思われているようだが
実際は、顔も知らないというのがホントのところだ。

 

自分が販売している牛肉が、どこのだれが育てたものなのか、
そんなことを知らないで、安心ですよ、安全ですよ、おいしいですから買ってください、
ってなんかおかしな感じがしますよね。

 

でも、これが現状なのです。
 

逆に、農家の人たちは、自分たちが飼養した牛さんの肉が
どんな味なのかを知らないまま育てているんです。

 

私は、農家の人たちに、自分たちの育てた牛さんの肉が、
消費者の方たちにどのような評価を受けているのか、
どうしたらもっとおいしくなるのか、そんなことを伝えたいと思いました。

 

とはいっても、私なんかが声を大にしたところで、聞き入れてもらえるはずもなく
かといって、じっとしている性分でもないので、何軒かの農家さんの私の想いを伝えました。

 

消費者が知る牛肉の情報は、一方通行のものが多く、
味そのものの楽しみ方ではなくサシによる見栄えで完結している。

 

日本の畜産は、ここ10年ほどで、格付け評価が厳しくなり、農家のみなさんは
サシを入れることに懸命になりはじめた。

 

結果として不健康な牛さんの肉が市場に出回り、
サシ重視の取引が多くなっていった。

そのことを知っている人は、畜産業界(特に精肉業者)の方でもあまりいない。

 

私の取り組みは、素材からやることで、まず、農家のみなさんと親しくなり、頻繁に牛舎に通った。
飼料のこと、血統のこと、病気のこと、牛さんに関することは些細なことでも気にして学んだ。

 

次第に、私は農家のみなさんと牛さんのことを対等に話せるだけの知識が身に付いた。
農家のみなさんも、私に牛さんのことを相談してくれたりもした。

 

私の強みは、生産者のことも消費者のことも、両方知っていることだ。
 

だからこそ、両者の架け橋になって、牛肉の文化を高めることが
自分に課せられた使命だと思っている。

 

サシ重視でずっと歩んできた日本の牛肉だが、
ここ最近は、赤身肉がブームになりはじめている。

健康志向やダイエットブームなどが影響しているのだと思うが、
私に言わせれば赤身肉のおいしさたるもの、もっと奥深いのだ。

 

その1つが、ドライエイジングによる熟成肉だ。
当社では、専用の冷蔵庫で40日間熟成させるのだが、
これが本当に旨くて感動ものなのだ。

主に経産牛を骨付きのまま熟成させるのだが、
柔らかくて深みのある味わいに生まれ変わる。

 

昔は、牛肉といえば高価なもので「ハレの日」のご馳走だった。
しかし、現在では、和牛の数が多すぎて贅沢感がかなり薄れている。

 

気軽にテーブルミートとしての牛肉もいいのだが、特別な日の贅沢な牛肉も
それはそれで楽しいと思うのだがいかがでしょうか。

 

そして、ワインや日本酒とのマリアージュも特別な日に楽しんでいただきたい。


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