大きくする 標準 小さくする
前ページ

2011年08月05日(金)更新

歓喜のドライエージングビーフ

前回の続きから(→クリック


6月28日から熟成させた経産牛を東京の知人宅で焼いてみた。

DAB(ドライエージングビーフ)が食べられるとあって
30人以上が集まった。

特にDABの本場でもある、アメリカ人のマイクはテンションが高かった。
久しぶりにこんなにうまいDABを食べたと喜んでもらった。

ところでこの肉は、販売するために熟成していたのではなく
あくまでも私が楽しむためにDABにしたものだった。

どうせなら、いろんな方の意見や反応もみたかったので
前日にロース1本分を知人宅へ送ったというわけだ。




焼く前に少し生で食べてみたが、ナッツのような香りがして赤身の旨さが引き立っていた。

リブを塊のまま、約30分程度ローストした。
適度な噛みごたえがあり、あちらこちらから驚きの声があがった。

用意した牛肉は、藤井牧場さんの近江長寿牛で、
2産している経産牛だ。

通常なら硬くてジャガード(無数の針で突く道具)を何度も入れて
さらに肉の繊維を切るように隠し包丁を入れなければ柔らかくならない。

しかし、DABにすると驚くほど柔らかくなるのだ。

5週経過すると、筋肉線維が崩壊してタンパク質と水分が結合し、
肉の保水が増す。

さらに、タンパク質が分解され、脂肪酸のバランスが変化する。

この時点での匂いは、あま~い香りがして
そろそろ仕上がりだという目安にもなる。

DABにすると脂肪の質が変化するので融点が低くなる。

ただ、赤身の肉を柔らかくするためだけが目的ではなく
よりおいしくするために行うのがDABなのだ。

それが消費者に受け入れられるかどうかはまた別問題で、
要はブランディング次第ということになる。




Twitter「つぶやく」ボタン

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
ホルモンの販売【ホルモンドットコム】
近江牛業務用卸
業務用焼肉のたれ

2011年08月02日(火)更新

経産牛をドライエージングしてみた



6月28日から熟成させていた経産牛。

表面はビーフジャーキーのような色合いになり
指で押すとカチカチに乾いていて硬くなっていた。

ドライエージングにより水分は約20%程度抜けていて、
熟成前のずっしりとした重みは感じなくなっていた。

写真は、乾ききった表面を削ぎ落とした後の写真だが
肉質は粘りがあり、フレーバーな香りがなんともいえない。

熟成肉に関しては、熟成過程においてこれが正解というものはなく
勉強すればするほど奥が深い。

温度、湿度、風が重要なのは分かるが、
科学的知識と資金力、そして偶然の重なりが明暗を分けるように思う。

冷蔵庫も空冷式よりも水冷式のほうが菌が付着しやすいし、
とにかく試行錯誤で作りあげていくのが熟成肉だ。

カビだらけの肉をみたとき、ほんまに食べられるんかいな・・・
と、一瞬引いてしまったこともある。

少し削っては生で食べ、香りのチェックをしながらお腹の心配をし、
さらに焼いては一喜一憂し、そんなことの繰り返しである。

私が肉屋に入りたての頃、冷蔵庫にはカビの生えた枝肉が
たくさん吊るしてあった。

常時2~3頭は在庫していたので、変色の早いバラのカッパなんかは
霜のような白カビが生えていた。

冷蔵庫内は、なんともいえない匂いが充満し
それが肉屋の匂いとして強く記憶に残っている。

いつからか、そういった匂いがしなくなったのは
先にも書いたが、冷蔵庫の問題かも知れない。

記憶を遡りながら科学的に検証すると思わぬ発見があったりして
熟成肉は奥が深くてまさしく温故知新の知恵である。





Twitter「つぶやく」ボタン

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
ホルモンの販売【ホルモンドットコム】
近江牛業務用卸
業務用焼肉のたれ

2011年08月01日(月)更新

赤身肉の時代がやってきた

赤身肉の火付け役となった、きたやま南山の短角牛


ここ最近、赤身肉が注目されている。

店頭のお客さんもあきらかにサシ狙いではなく
赤身のおいしいところを500gといった感じの買い方が目立つようになってきた。

もちろん、霜降り肉も贅沢品の象徴として重宝されているのだが
時代は断然、赤身肉に傾倒しつつあるようだ。

私も個人的には、霜降り肉はほとんど食べなくなった。
食べても一切れで、2切れ目からは重く感じる。

ただ、霜降り肉も食べ方によってはおいしい。

例えば、京都あたりの和食屋さんで
コース料理のシメにすき焼きを出すケースをよくみかける。

スライスした肉を1枚、多くても2枚程度なので
ここで赤身肉だとインパクトに欠けるというもの。

見た目鮮やかな霜降り系のこってりとした肉こそが
贅沢感があり、食後の余韻に浸れるというものだ。

一方、焼肉だとどうだろう。

どのようなシチュエーションにしろ、
霜降り系は胃もたれ激しく、食べ疲れしてしまう。
テンション高く食べられるのは最初だけで、
次第に会話も少なくなりしんどさだけが残る。

そのようなことも理由の1つとして、
当店では、できるだけ赤身の肉になるように生産者にお願いして育ててもらっている。

A4やA5になるようにビタミンコントロールしないで
自然のまま粗飼料をたっぷり食べさせて育ててほしいということだ。

とはいっても、カタロースやリブロースのようにサシが入りやすい部位には
それなりにサシが入ってしまう。

ただ、意図的にサシを入れていないので
サシが入っていても食感はあっさりとしているのです。

こってりとした味の霜降り肉を食べ慣れている方にとっては
物足りなさを感じるかも知れません。

それと、霜降り肉で食感が赤身肉のように淡泊だと
どうしても価格とのバランスがとりにくいのが実情です。

まだまだ課題は残るが、
赤身肉も霜降り肉同等の価値をつけても購入していただけるように
もっと付加価値をつけてアピールしなければいけない。



Twitter「つぶやく」ボタン

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
ホルモンの販売【ホルモンドットコム】
近江牛業務用卸
業務用焼肉のたれ
«前へ

会社概要

(株)サカエヤでは、「食」を通して「美味しさ」とともに贅沢な時間と楽しさ、笑顔の「食卓」を提案します。 【関連会社】 株式会社 アヴァッツ 近江牛ドットコム株式会社

詳細へ

個人プロフィール

1961年、父と母が京都にて繁殖に成功。玉のような可愛い赤ちゃんとして生誕。現在、中年おっさん道を順調に歩んでおります。

詳細へ

<<  2011年8月  >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

コメント一覧

最新トラックバック

  • 訳あり from 通販商品一覧
    訳あり
  • pkxqJVYO from pkxqJVYO
    やまけんさんが育てた短角牛「さちの肉」を食す会 - サカエヤ 代表取締役 新保吉伸
  • フェラガモ アウトレット from フェラガモ アウトレット
    牛肉の美味しさは、味・香り・食感 - サカエヤ 代表取締役 新保吉伸
  • プラダ バッグ from プラダ バッグ
    ○八ホルモン - サカエヤ 代表取締役 新保吉伸
  • フェラガモ バッグ from フェラガモ バッグ
    ブログをやっていてよかったこと - サカエヤ 代表取締役 新保吉伸