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2011年05月21日(土)更新

出させない工夫よりもどうやったら出せるのかを考えてほしい



前菜3種、先月訪問した時には、ユッケ、サシミ、タタキが品よく彩られていた。

しかし、今日は趣向を凝らしたといえばカッコがいいが、
苦肉の策といった感が否めない。

おいしかったのだが、やはりナマの舌触りと食感にはとうていかなわない。

先日、保健所の方と話したのだが、

包丁、まな板の殺菌消毒、すべての器具は生食専用であること。
シンクも生食用に設けること。しかも生食専用の室内で調理すること。

これが生食を提供する条件だと言っていた。

これだけの設備をおいそれと投資できるわけがない。

つまりは、生食を出させないための縛りを作ろうというわけだ。

ナマモノを自粛しているため売り上げが減少しているという
声を多く聞く。

反面、ナマモノを提供し続けている店は、以前と変わりなく出ているという
声も聞く。

 出させない工夫よりも、どうやったら出せるのかを考えてほしいものだ。


ナマモノは衛生管理がもちろん最重要だが
しっかりとした正しい知識があればけっして危険なものではない。

「生肉(ナマニク)」を扱うには、徹底した管理は当たり前のことだ。

そのためには、肉の鮮度を見極める目、つまりは経験が必要であり、
日々変化する肉質やにおい、粘りなどにも敏感に対応できる肉のプロが必要だ。

社員よりアルバイトが主流の店では、生肉を管理することはむつかしい。

肉の世界はそれほど奥深くてむつかしいものなのである。

 


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2011年05月20日(金)更新

牛肉の部位を知る~外バラ~


 

外バラ、中バラを総称して「トモバラ」と呼びますが、
ここからとれるのが、いわゆる「カルビ」という焼肉の定番中の定番です。

カルビは種類が多く、ソトバラについているササミや中バラについているカイノミも
カルビとして商品化されていたりします。


写真は、中バラですが場所的に言うと腹の上側部分で、
赤身と脂肪がきれいに重なっているのが特長です。

非常に使いやすい部位ですが、写真の部分とカイノミをとってしまえば、
脂の多いプレート状の塊が残ってしまい、切り落としやカレー用として使われます。


一頭買いすると、どうしても使いずらいのがこの部分。


年末年始なんかは上物ばかりが売れるため、この部分が残ったりするのです。


当店では、上質のモモ肉に巻き込んだ「合わせ切り」として販売していますが、
これが好評で、余るはずの部位がときどき足りなくなるぐらいなんです。


さて、もう十年以上も前のことになるのだが、ある商社の冷凍庫で輸入物のバラを大量に
見たことがある。

その頃は私も輸入物を扱っていたので、興味深々だった。
何に興味をもったかと言うと、バラといっても、ササミやカイノミなど売れる部分をとったあとの
脂だらけの使い物にならない部分だけが大量にあったからだ。

しかも冷凍だし、いったい何に使うのかと思ったのだが、
担当者に聞くと、アンガスとヘレフォードがほとんどで、ショートプレートという商品名だと
教えてくれた。

その後、ショープレと略して呼ばれるようになり、脂が多いことからアメリカ人は嫌った。

そこに目をつけたのが、日本の企業で日本向けにカットしたこの牛肉(トモバラ)を
ジャパニーズ・カットと呼び、さらに特殊なカットを施したものを「吉野家スペック」と呼んだ。

幅22.5センチ、長さ50~60センチの9インチカット(吉野家スペック)は、
米国の大手ミートパッカーを通して、大量に輸入されていた。

ショートプレートは牛一頭から約10キロ程度しかとれないので、
吉野家が年間に輸入する量を頭数に換算すると、約300頭分に相当すると言われていた。


私は、和牛を専門に扱っていたのだが、輸入牛肉にも結構詳しかった。


これは私が進んで勉強したのではなく、覚えないといけないという切羽詰まったものだった。


このあたりは何かの機会に書きたいと思う。

 


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2011年05月19日(木)更新

牛肉の部位を知る~イチボ~


写真は「イチボ」です。

本来ならばモモ肉なので赤身が多い部分なのだが、
イチボは格付けにもよりますが、意外とサシが入りやすい部位なのです。

場所的には、サーロインにつづく、腰から尻、モモにかけての部位をランプといい
イチボはそのうちの尻の骨まわりの部分になります。

さて、赤身肉のことは、このブログでも何度も書いてきましたが
最近読んだ本にこんなことが書かれていました。

赤身肉には、鉄分が多く含まれていて、肉に含まれる鉄分は吸収力の高いヘリウム鉄で
植物に含まれる非ヘリウム鉄より吸収力が高いとされている。

特に成長期の子供にとって健全な脳の形成に不可欠な栄養素で、
記憶力や集中力の向上には補給が大切である。

また、お年寄りにとっても鉄分の補給はボケ帽子のために欠かせない。

低カロリー、低コレステロールの赤身肉は、
現代人にうってつけの肉だといえる。

ぜひ、霜降り信仰から脱却し、赤身肉に目覚めてみてはいかがだろうか。

 

 



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2011年05月18日(水)更新

牛肉の部位を知る~みすじ(三筋)~


写真は昨夜の晩御飯です。

各部位の端材ばかりを集めてステーキ風に焼いてみたのですが、

柔らかいものから硬いものまで、
バリエーションに富んでいて、けっこう楽しめます。

自分でカットした肉なので、焼いてあっても
どれがどの部位なのか分かるのですが、この中に「みすじ」という部位が
混ざっています。


原型はこんな型です。


 


 

みすじ(三筋)は、肩ウデの一部で肩甲骨の裏側にある肉です。

一頭から平均5kg前後しかとれません。

しかも、写真のように、サシがよく入った部分は
わずか1.0kg程度しかとれないため、希少部位として少し高めの値段設定で
販売されていたりします。

グルメ雑誌なんかでは、“幻のみすじ”で紹介されていたりします。

幻というほど大げさなものでもないのですが、
希少部位であることから、誇張した表現になっているのでしょう。

みすじと言えば、なんといっても刺身や寿司ネタとしてもよく使われています。

これがたまらなくうまいのです。

わさび醤油で食べる、あのとろける食感は思いだしただけでも生唾ものです。

しかし、今後しばらくは生食の提供が困難なため、
残念ながらステーキなどの“焼き”で食すことになるでしょう。

まさしく“幻のみすじ”となりそうです。


 


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2011年05月17日(火)更新

「近江牛」を知る Omigyu Dictionary

 

「近江牛を知る」          

 

近江牛(生体ではオウミウシ、お肉になるとオウミギュウと呼びます)
 


近江牛は、特許庁に牛肉の地域ブランドとして認められ、
地域団体商標(文字商標)として、平成19年5月11日に登録されました。
<商標登録 第5044958号>


近江牛は、松阪牛、神戸牛とともに日本三大銘柄牛のひとつにも数えられ、
滋賀県を代表する名産の1つでもあります。

その歴史は400年以上も前にさかのぼり、 日本最古のブランド和牛として
全国に名を轟かせています。

ここでは、近江牛ブランドが確立されるまでの歴史と、
近江牛の定義について紹介していきます。

 

「近江牛の定義」

 


近江牛の定義については、関係諸団体の合意のもと、2005年12月に
「豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種」で
JAS法に定める原産地表示が「滋賀県産」と表示できるものと、統一的な定義がなされている。

そのなかでも、近江牛生産流通推進協議会を構成する団体の会員が生産した牛で
「滋賀県食肉センター」または「東京都立芝浦と畜場」で屠畜され、枝肉の肉質等級が「A4」または「B4」
以上とランクづけされたものを特に、認証「近江牛」としている。

認証「近江牛」については、「近江牛生産流通推進協議会」から「近江牛認定書」が発行される。


認証近江牛について詳しくは(→クリック

 

牛肉食の普及と近江牛の歴史
 

仏教伝来とともに肉食禁忌の考え方が導入された日本では。675年の天武天皇による「肉食禁止令」以降、
明治時代に入るまで牛肉が一般的に食されることはなかった。

・・・・・はずである。

しかし実際には、江戸時代の元禄期ごろから、彦根藩では武具用の牛革をとるために屠殺された牛の肉が
味噌漬けにされ、「反本丸(へんぽうがん)」という名の“薬”として食されていたという記録が残っている。


天明年間の1781年以降は、彦根藩主の井伊家から将軍家へ「養生肉」として牛肉の味噌漬けが献上されるようになり
その後、彦根藩では「寒の干牛肉」といわれる乾燥牛肉、現代でいうビーフジャーキーなども作られるようになった。

江戸時代後期の嘉永年間(1848年)からは、蒲生郡内で食用のため牛の肥育も始められ、幕末には生の牛肉を
すき焼き風にして食べる「牛鍋屋」が江戸の街に登場した。

明治時代に入り、「文明開化」の掛け声のもと、明治5年(1872年)1月24日に明治天皇が初めて牛肉を試食したことが
新聞によって世に知れ渡ると、牛肉食が広く一般に受け入れられるようになった。

牛肉は文明開化の象徴でもあり、「牛鍋食わねば開けぬ奴」なんて事も言われていたほどだった。

明治12年(1872年)には、蒲生郡竜王町出身の竹中久次と森嶋留蔵が、当時娯楽の中心地であった浅草に
近江牛を扱った牛鍋専門店「米久」を開業した。

こうした経由をたどり、「近江牛」は全国に名だたるブランド牛として確固たる地位を確立していったわけだが
先人たちの並々ならぬ努力、そして現在も生産、流通に関わる多くの方たちの尽力によって、日本が世界に
誇るブランド和牛として、その地位を維持し続けている。




 


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2011年05月16日(月)更新

牛肉の格付けを知る

牛肉(枝肉)には格付けというものがある。

A5という言葉を聞いたことがあるだろうか?

一昔前なら畜産業界にたずさわっている者にしか分からなかったこの言葉、
テレビのグルメ番組や雑誌で見たり、なんとなく聞き覚えがあるという方、多いのではないでしょうか。

牛肉(枝肉)の格付けを簡単に説明すると、ABCが歩留まり等級といって、一頭の枝肉からとれる
肉の量を表します。

1~5の肉質等級で、サシの入り方を表します。

それらを組み合わせるわけだが、Aの5というのが最も上級の格付けとなります。

さきほどテレビや雑誌で、と書きましたが、なぜメディアはA5ばかりを取り上げるのか?

また、焼肉店をはじめとする飲食店でもA5を冠とした牛肉をアピールしている場面をよくみかけるが
つまりはこういうことなのです。

最上級の格付けであるA5であれば間違いなくうまい、テレビの性質上、A5でないと番組上、絵にならない。
とまぁ、このようなことが推測されるわけです。

A5がクローズアップされたおかげで、最近では一般の消費者にも牛肉はA5が最高などと
良くも悪くも浸透しているのが現状です。

しかし、格付けの評価基準は、歩留まりと肉質で判断しているので、味は考慮されていないのです。

とは言っても、一頭一頭を食味検査するには大変な労力がかかるだろうし、
第一人間の舌では好みの問題もあるだろうから実際にはむつかしい問題なのです。

でも、以前に日経MJに牛肉の脂肪に含まれる食味成分のオレイン酸を
数値化し、ブランド力を高めようといった記事が載っていたのを記憶している。

見た目重視の格付けだけでは味はわからないが、
「オレイン酸」を数値化することで「おいしさ」の指標となることが期待されるという内容だった。

さらに、食肉業界唯一の業界紙(食肉通信)にこんな記事が掲載されていた。

格付けに関係なく、おいしい牛肉にはうまみ、甘みがある。
言い換えれば、A5でもうまみや甘みに欠けたものもあるし、A3でも甘みのある肉質に出くわすことがある。

うまみ成分は赤身部分に由来するグルタミン酸が代表的だが
アミノ酸には「甘味系アミノ酸」「旨味系アミノ酸」「苦味系アミノ酸」などがあり、
それらが複雑に作用しあっておいしさを作りだしている。

食感には、肉の軟らかさが、多汁性には脂肪の質、いわゆるオレイン酸
(不飽和脂肪酸)が大きくかかわる。

脂の融点の低さは和牛全般にいえる特徴であり、オレイン酸が多い牛肉ほど脂が軟らかく滑らかになる。

オレイン酸の果たす役目は高く、系統や肥育期間によっても異なると言われている。

脂肪に含まれるオレイン酸の多さは遺伝(品種、性別、血統)によって大きく左右され、
肥育期間の長さにも関係すると言われている。

ただ、肥育期間が長くなりすぎると肉の締まりがよくないので個人的には疑問が残る。

もともと和牛はオレイン酸を多くつくりだす遺伝子を持っているのだが、
その遺伝子がとくに強く発現するのが但馬系だといわれている。

当店で仕入れている枝肉のほとんどが但馬系なので、なるほどと思う点も多々あるのだが
かと言って、オレイン酸がおいしさのすべてではないと思うし、オレイン酸は関係ないとの意見もあるので
エージングや食べるタイミング、もっというならば保存方法に至るまで、すべてのプロセスがおいしさに
関係するのではないかと思う。

ともあれ、サシ志向の見方からおいしさ重視へ変化しつつあるのは間違いないだろう。


さて、前置きが長くなったが、牛肉の格付けについて解説していきます。


★牛肉(枝肉)の格付けは「日本食肉格付協会」が定めています。
セリで購買するときや取引するときの目安になるのが格付けです。

●歩留まり等級と肉質等級

歩留まり等級は三区分(A,B,C)、肉質等級五区分(1,2,3,4,5)で分離評価されます。

全部で15通りから格付けされ、脂肪交雑、肉の色沢、肉の締まり、きめの各項目から最高の等級5~最低の等級1まで
5段階で判定されます。

枝肉重量に対する部分肉重量の割合。その区分を示したのが歩留まり等級です。


 

・枝肉とは・・・生体(生きた牛)から皮、内臓を取り除いた状態を枝肉(エダニク)と呼びます。 日本全国で行われているセリは枝肉の状態で競売にかけられます。


  



 

●肉質等級 (高) 5 - 4 - 3 - 2 - 1 (低)
 

 

●脂肪交雑・・・シリコン樹脂製のBMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)で判定します。
 


 

 

・BMSとは・・・画像解析で得たデータをもとに農林水産省畜産試験場が開発したものです。
十二個の牛脂肪交雑基準模型があり、肉眼で見て脂肪交雑が皆無状態のNo.1から脂肪交雑5のNo.12まで
その変化を数値で表しています。

 



・肉の色択・・・肉の色択判定は肉色と光沢の複合評価となります。
肉色はシリコン製樹脂製のBCS(ビーフ・カラー・スタンダード)で判定します。
光沢は肉眼で判定し、質は触感でネバリから判定されます。

脂肪色はNo.1の白からクリーム色、黄色とNo.7、までの変化で示されています。

 


 

 
・肉の締まり、きめ・・・機械判定が不可能なことから肉眼と触感で判定します。
締まりは筋肉の保水力、きめはロース芯断面から等級を決定します。




 

  • 肉の締り及びきめ 



 

  • 肉の締り及びきめの等級区分




 

参考資料:JMGA 公益社団法人 日本食肉格付協会


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2011年05月15日(日)更新

牛肉の部位を知る

 

牛肉は部位により、料理の用途が異なり、サシの入り方や食感など知れば知るほど楽しいものです。

例えば、高級部位のヒレ肉は、ステーキにするから素材の良さを存分に発揮するのであって
ミンチに挽いてしまっても期待するほどのおいしさは得られません。
それよりも、身が引き締まったスネ肉を挽くほうが、味わいがありおいしいのです。

このように、部位には適材適所があり、特徴を知ることで料理の幅も広がります。 


① ネック
首の部分で肩ロースに続いている。
特殊スペック以外では、ネックのみの流通はない。
肩ロースに含まれての流通となる。
肉質は硬めで、ミンチや煮込み用としてスライスする。

② 肩ロース
肩に位置するロース部位で「くらした」とも言います。
すき焼きやしゃぶしゃぶの霜降り系には、肩ロースが適している。
リブロースよりも脂が少ない。
焼肉店で上ロースとして出されるハネシタ(ザブトン)は肩ロースの一部分。
 

 ③ リブロース
胸最長筋の最も肉厚の部分で、肉本来の旨みが凝縮された部位。
ただ、脂が多いのでスライスの仕方によっては、脂だらけに見える。
これは技術的な問題なのだが、バラに近い脂が多い部分をカットするか
巻き込んでスライスすると良い。
すき焼き、しゃぶしゃぶに適している。ステーキにも適しているが芯が
大きめだと1枚のカットが薄くなってしまうので、「かぶり」を外してカットすると良い。

④ サーロイン
リブロースに続く背中の部位で、ロイン3種(リブロイン、サーロイン、テンダーロイン)
のうち、サーの称号を与えられた高級部位。ステーキといえばサーロインと言われる
ほどメジャーな部位でもある。すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉、ローストビーフとあらゆる
料理に適している。

⑤ ヒレ(ヘレ・フィレ)
一頭の牛からわずか3%しかとれない希少部位。
赤身肉の最高峰で、腎臓脂肪の一部とその周辺の脂肪に覆われていている。
柔らかくて脂肪が少ないことから、幅広い年齢層に好まれる。そのため
ホテルのパーティや披露宴のメイン料理として使用されることが多い。
中心部のシャトーブリアンと両サイドのテート、フィレミニヨンに分かれます。

⑥ ランイチ
ランプとも言います。サーロインに続く、腰側に位置する部位で、ランプとイチボから
構成されるため「ランイチ」と呼ばれている。モモ肉4種(ランイチ、ウチモモ、ソトモモ、シンタマ)
のかなで最も柔らかく、ステーキに適している。ヒレに次ぐ赤身肉の最高峰だが、格付け上級の
イチボにはサシが入るため、赤身肉フリークには、A3あたりのランイチがおすすめだ。

⑦ 外モモ
モモ肉4種(ランイチ、ウチモモ、ソトモモ、シンタマ)のうち、運動量が多い外側の部位のため
肉質はやや硬め。きめが粗い「まくら」、きめが細かい「なかにく」、スネに近い「はばき」の3つに分かれる。

⑧ 内モモ
内側の脂肪を取り除けば、ほとんど赤身の部分で、モモ肉4種のかなでは一番赤身率が多い部位です。
すき焼き、しゃぶしゃぶに適していて、赤身肉が好きな方にはおすすめの部位です。

⑨ シンタマ
マルとも言います。「マルシン」、「マルカメ」、「マルカワ」、「ヒウチ(トモサンカク)」の4つに分かれる。
通常は、そのままスライスして、ヒウチを焼肉に使うのだが、焼肉店では4分割にして商品化することが
多い。モモ肉なので赤身系だが、ヒウチには若干のサシが入る。

⑩ トモバラ
ソトバラとナカバラに分かれる。ソトバラにはササニク(ササミ)がついていて、ナカバラにはカイノミが
ついている。カルビと呼ばれる部分は、トモバラから商品化することが多く、脂が多いことから
ホットプレートで焼くより、炭焼きに適している。

⑪ 肩バラ
前バラ、ブリスケとも言う。赤身と脂肪が層になりきめは粗くやや硬い。
薄くスライスして、すき焼きや焼肉、ブロックにカットしてカレーやシチューに適している。
上カルビで使われる「三角バラ」はここからとれる。

⑫ 肩
ウデとも言う。赤身肉だが、前肢でよく運動するのでモモ肉よりもサシが入りやすい。
「ミスジ」や「トンビ」はこの部位からとれる。
霜降りと赤身が交差している部分があり、すき焼きやしゃぶしゃぶ、分割して焼肉にも
適している。

⑬ スネ
チマキとも言う。前肢を「前ずね」、後肢を「ともずね」言う。運動量の多い部位なので肉質は硬め。
ミンチや煮込み料理に適しているが、筋が少ないところを薄くスライスして焼肉にしても歯ごたえがありおいしい。





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2011年05月14日(土)更新

安さを追い求めたら安物しか残らない



社長、チョメチョメ新聞から電話ですよ。


お、取材か!


と、喜び勇んで電話にでると

今回の事件について意見を聞かせてほしいと。

そんな電話がもう何件かかってきただろうか。
 

2年ほど前のことだが、業務用サイトをご覧になって
取引したいといってきた焼肉店があった。

一度会って話しをしたいというので、
数日後、当店に来てもらった。

焼肉屋の社長は、既に近江牛を使っていることと
開業から仕入れに至るまでの経由、さらに売上までしゃべりはじめた。

メニューもみせてもらったが、私の嫌いな食べ放題がメインだった。

社長曰く、売上は上がっているがまったく儲かっていない。
そこをなんとか改善したいので力を貸してほしいということだった。

力を貸すもなにも、高く仕入れて食べ放題やっていたら儲かるどころか
そのうち潰れますよ。

私はそう言って、まず食べ放題をやめましょうと提案した。

数ヵ月後、焼肉屋の社長から食べ放題をやめたと言って電話がかかってきた。

この店は、近江牛のA4アップ~A5の格付けにこだわっていて
売上があがるからと食べ放題に走り、挙句の果てに資金繰りに困ったというわけだ。

近江牛ブランドで付加価値をつけるのは別段珍しいことではないが
売り方が食べ放題では長続きしない。
 

近江牛に限らずブランド和牛は大量生産ではなく、ある程度希少だからこそ魅力がある。
しかも生産者が手間隙かけ、産地近郊でしか食べられないからこそ希少価値があるというもの。
 

ところが、売れる商材はだれもが欲しいし販売したい。
そこにメディア戦略を絡めてヒットでもしようものなら一気に加速してしまう。


「良いものを安く売りたい」


商売のやり方なので否定はしないが、「安い」を追い求めると最終的には「安物」しか残らない。

決まった部位を大量に仕入れているから安価な仕入れが実現できる。

よく聞くことだが、そんなはずはない。

例えば、12月はサーロインやヒレの需要が高まる。
大量に仕入れるからといっても、肝心のモノがないので値段ウンヌンではないのだ。
需要に供給が追いつかないのが、この業界の12月だ。

需要が少ない部位、つまり余っている在庫品であれば投げ価格で仕入れることは可能だろう。
しかし、それも在庫が底をつけば終了となってしまう。

なにもブランド和牛だからということではなく、黒毛和牛でも同一部位を仕入れ続けるには限界がある。
要望にすべて応えようとすれば、フードチェーンといわれる生産段階、加工段階、卸段階、小売段階を通して
何らかの行為が行われるようになる。

その結果、原料生産以上の商品がマーケットに並ぶということになる。

輸入牛の肉なら可能だが、和牛では限度がある。

分かりやすい例をあげると、和牛のタンはほとんど出回っていない。
国産牛のタンも同様だ。
(流通ルートをしっかり確保している店は別だが)

しかし、焼肉屋に行けばタンは必ずメニューに載っている。
もちろん輸入モノだが、これは日本と米国、豪州などの諸外国とでは屠畜量が違うためだ。

書きだしたらきりがないが、
なにを行うにしても、最終的には人がやることなのでモラルの問題であり
品質管理、チェック体制などの仕組みをつくり、維持していくことに尽きるかと思う。

 


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2011年05月13日(金)更新

究極のカレーを目指して~八ヶ岳のヴィラ・アフガン~


昨日の続き


八ヶ岳のカレー屋に着いた。

カレー屋というよりロッジ風の建物で「ヴィラアフガン」という名前だった。

達人は、ミッキーカーチスそっくりで、体調が良くないとのことだった。

ヴィラアフガンはいまもすごく流行っているようだが、
ブログなんかで調べてみると店主の顔が違う。

どうやら店をだれかに譲ったようだ。
訪れた人のブログから推測すると
たぶん、私が知ってるヴィラアフガンの味じゃないのかも知れない。

さて、話を戻そう。

到着後、さっそくカレーをご馳走になりながら
達人のこだわりを伺った。

また長くなるので内容は省くとして、
カレーは普通においしかった。

ただ、みんながやいやい言うほどでもなかった。

なんか拍子抜けした感じで店を後にし、
有賀さんの勝沼醸造へ向かった。

 



 

ご覧のようになんとも素敵な会社だった。

建物の裏は畑になっていたのを覚えている。


この時点で夕方近くなっていたのだが
なぜか、またカレーが食べたくなった。

ふたたびヴィラアフガンへ行くのだが
まったく同じカレーを食べたのに、今度はものすごくうまく感じた。

廣瀬さんが「ほらね」という顔をしていた。

もう1杯食べられそうだったが時間も時間なので帰ることにした。
 

さて、山梨を後にして滋賀に着いたのは深夜だった。

しばらくは廣瀬さんから連絡はなかったのだが、
1ヶ月だったか、2ヶ月だったか、廣瀬さんから大きな透明容器に入ったカレーが送られてきた。

やっと出来たのか、とわくわくしながら
そのカレーを食べてみた。

すごくおいしかった。

正直、ヴィラアフガンで食べたカレーより
おいしいと思った。

しかし、廣瀬さんは、
まだ完成ではないので商品化できないとのことだった。

達人には、すべての工程を教えてもらったのだが
なにか1つ肝心なことを教えてもらっていないような気がすると言っていた。

その「なにか」を見つけるまでは商品化できないというわけだ。

それから、かなりの月日が流れた。

心配になって電話してみると
体調を崩して入院していたとのことだった。

カレーも一時お休み状態だとのこと。

て言うか、まったくやる気が感じられなくなっていた。

病が気力を奪ったのだろうが
あまりにも、もったいない。

年賀状のやりとりは続いているので
久しぶりに声を聞いてみようかな。




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2011年05月12日(木)更新

究極のカレーを目指して②


昨日のつづきから


忘れかけてたある日のこと、男性から電話がかかってきた。


1ヶ月間連絡がなかったのは、
八ヶ岳に住み着いてカレー作りを教えてもらっていたとのことだった。


ということは、私が送った近江牛のスネ肉が達人のオメガネにかなったいうことだ。



聞くところによると、達人は私の送ったスネ肉を絶賛しており
取引までしたいと言い出しているらしい。


しかし、40過ぎ(もしかすると50過ぎだったかも)の男が
厨房で1ヵ月寝泊まりして教えを請うとはすごい根性だ。


数日がたち、ふたたび男性から電話がかかってきた。


交通費、宿泊費を出すので八ヶ岳に来てほしいと言ってきた。


少し興味があったのと、指定された日がなにも予定がなかったので
行くことにした。

男性とは名古屋駅で待ち合わせをした。
一度、県の畜産課の紹介だと言ってうちの店に来ているので
男性と会うのは2度目だ。


名古屋から長野へ行き、駅から男性が運転する車で
山梨へ向かった。


えらく飛ばすので少し怖かったのと
このおっさん、かなり道慣れしてるなと思った。


1時間ぐらい走っただろうか、宿泊先のホテルに着いた。


すっかり日が落ち、あたりは暗くなりかけだった。


夕飯は連れて行きたいところがあるとのこと。

チェックアウトから30分後にロビーで待ち合わせると
男性の友人が迎えに来た。

友人は、坊主頭のイケメンで有賀と名乗った。

名刺には、勝沼醸造の専務と書かれていた。


有賀さんの車で向かった先は、カフェ ラ トゥーシェという店で
工藤結花さんという素敵なソムリエがいたのを覚えている。

残念ながら整理下手な私は、当時の写真を探してみたが
見当たらなかった。


もしかしたらと、ライブドアブログのファイルを検索すると
なんとあったではないか、当時の写真が。 



男性の名前も忘れていたのだが、廣瀬さんと判明した。




 


有賀さん(左端)も八ヶ岳のカレーを絶賛していた。
1日2回食べるときもあるという。


さて、翌日
ふたたび有賀さんの車に乗せてもらって八ヶ岳へ向かった。


しかし、なぜ私を八ヶ岳へ連れて行きたいのか?


いまさらながら車中で聞いてみたところ、


とにかく、達人のカレーを食べてほしい


たったそれだけの理由だった。



引っ張るようだが長くなりそうなので


またまた明日へつづく
  
 


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近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
ホルモンの販売【ホルモンドットコム】
近江牛業務用卸
業務用焼肉のたれ
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会社概要

(株)サカエヤでは、「食」を通して「美味しさ」とともに贅沢な時間と楽しさ、笑顔の「食卓」を提案します。 【関連会社】 株式会社 アヴァッツ 近江牛ドットコム株式会社

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個人プロフィール

1961年、父と母が京都にて繁殖に成功。玉のような可愛い赤ちゃんとして生誕。現在、中年おっさん道を順調に歩んでおります。

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