大きくする 標準 小さくする

2012年06月24日(日)更新

井寄奈美さんの新著は基本の「キ」が満載の経営者必読本!





→クリック


昨年から講師として参加させていただいている、
中小企業庁委託事業「情報モラル啓発セミナー」だが今年も各地で開催される。


2012年度版は、詳細が分かり次第、ご案内させていただきます。


肉屋が情報モラル?


啓発セミナー?


ものすごく違和感ありそうですが、じつは大いに関係があるのです。
いままでは、生産者は牛を出荷すればお仕事終わり、肉屋は肉を売ればハイ終わり
こんな流れだったのですが、時代が変われば情報社会が変化し、人も変わるのです。



生産者は、消費者の安全を保証する
~~~~~~~~~~~~~~~~


昨年の講演で私が言い続けてきたことです。
牛に与える飼料、水、環境に至るまで、生産者はその先(消費者)の安全を保証しなければ
いけません。その背景にはBSE、口蹄疫、ユッケ事件など様々な問題があります。


とまぁ、こんな話をすれば長くなるのですが・・・



ところで、当社ではネット通販も事業の柱として重要な位置付けです。
実店舗と違って顧客ターゲットは日本全国になります。


毎日の出荷指示書などは紙ベースとなるため、その膨大な顧客情報は厳密に管理
しなければなりません。担当者だけではなく、全社員に守秘義務の徹底など教育にも
余念がありません。



当社では、守秘義務の誓約書や入社時の提出書類
雇用契約書、その他、台帳関係など膨大な資料が存在するわけですが
保管もさることながら、書類作成に苦労するわけです。


ネットからよさそうな文章を引っ張り出そうにも、有料のものがほとんどだったり
かと言ってその都度、社労士さんに面倒かけるのも気がひけるというものです。


そのときに役立ったのが、井寄奈美さんの著書(→クリック)でした。
各種書類がダウンロードできるものがあり、これが良くできている。


ダウンロードしたいがために、本を買ったという知り合いの社長がいたぐらいです。


牛(枝肉)の取引には血統書や検査書が必ずついてきます。
安全性へ取組みとして全国どこの市場でも検査書などがついてくると思うのですが
見落としがちなのが各書類には、繁殖者や肥育者の住所、氏名が公開されているということです。


問屋は、それらを何枚もコピーして、各部位に付けて販売するので
いわば個人情報を拡散しているようなものです。


私の周りの生産者は、あまりそういったことを気にしていないのだが
そのあたりも、今後は改善されるかも知れない。
ただし、なにか問題、事件が起こってからでないと動きは遅いだろう。


さて、井寄奈美さんの話がでたので少しばかり宣伝しておこう。
(もちろん本人に頼まれたわけではない)


「残業ゼロ!ミスゼロ!」の給与計算事務という本が出版された。
友人だからすすめるというわけではないが、1冊は持っていて損はないだろう。


当社は、給与計算含め保険関係はすべて社労士さんにお願いしているのだが
この本を読んでみて、あまりにも自分の無知さに呆れてしまった。


大切なお金の話だからこそ、社長が知っておくべきことが詳しく書かれていた。
基本的なことばかりなのかも知れないが、私は知らないことが多かった。


目から鱗とまではいわないが、経営者である以上、知らなくてはいけない
基本の「キ」が書かれていて、書棚に加えたい1冊であることは確かだ。


例によって、おいしいダウンロードがついていた。


これだけでも購入する価値はありだと思う。





2012年06月19日(火)更新

吟撰但馬系「プレミア近江牛」お披露目会




昔ながらの「ほんまもん」の但馬系近江牛が現代に蘇りました!

2年前からはじめた、自然循環型の取り組みによる、
自家
産粗飼料と国産飼料100%だけで育てた但馬系近江牛がいよいよ出荷の時を迎えました。

牛にも人にも、もちろん環境にもやさしい育て方で、
昔食
べた懐かしいあのお肉の味を再現しました。

黒毛和牛では不可能と言われた国産飼料だけで育てた近江牛が遂にお披露目です。

私の予想では、粗飼料中心で育てたので、穀物肥育と比べて、
含まれるカロリーやタンパク質の量が違います。とい
うことは、増体効率などは明らかに劣ります。

500kg
前後の枝重を平均と考えると300kg~400kgと小さい枝重が予想されます。

さらに、穀物肥育に比べて給与できるカロリーが少ないことから、
余剰カロリーの蓄積である「サシ」の量も多くは
望めません。

サシを入れるためにビタミンコントロールも
一切やっていないので
赤身の多い仕上がりになっていると
予想しています。

自然のままに育てた牛肉の味は、それはそれは嫌みのない
なんともいえないおいしいですが、なかなか食べる機会
がありません。
特に黒毛和牛ともなればなおさらです。
いうい意味でも、今回のイベントは注目すべきかと思われます。

さて、見た目はどうでもよいのですがあえて格付けを予測しますと、よくてもA3あたりでしょう(^^)
しかし、A5以上の「価値」があることは当日お分かりいただけると確信しております。

食事前に少しだけお時間を頂戴しまして、木下牧場@木下その美さんと
わたくし新保が今回の取り組みについてお話
しさせていただきます。

その後、南山の定番、和牛食べ比べ
(プレミア近江牛、木
下牧場近江牛、京たんくろ和牛、いわて短角牛、プレミア短角牛)、

南草津イタリアンの名店、サルティンボッカの
木村シェフによるプレミア近江牛を使った特別料理、
そし
て、わたくし新保もキッチンで腕を振るわせていただき宴を盛り上げさせていただきます。

特にサルティンボッカの
木村シェフによる特別料理は、なにがでるかお楽しみです

吟撰但馬系「プレミア近江牛」お披露目会
日時:2012年7月19日(木)
時間:19:00~21:00(受付18:45~)
会場:きたやま南山 別館2階 南山はなれ
会費:8,000円(税込)食事、ワンドリンク付)
参加方法:HPのフォームよりお申し込みください
詳しくはこちら(→クリック






 

2012年06月12日(火)更新

プレミア近江牛が順調な仕上がりで楽しみ2倍





facebookの近江牛.comファンページにうれしいコメントをいただいた。
ご紹介いただいたリンクをたどると農水省の官僚の方のエピソードが書かれていた。

農水省にもこんな方がいたんだと目頭が熱くなった。
読み進めていくとトレーサビリティを作った方のようだ。
お会いしたかったが、残念ながらお亡くなりになられているようだ。

ご興味のある方はぜひお読みいただきたい(→クリック

7月11日に十勝、帯広でお話しさせていただくことになった。
「フードECサミットin十勝帯広」というすばらしいイベントだ。

これからレジメを作るのだが、畜産関係者の方々も来て下さるということなので
牛の話もたくさんしたいと思う。

先日、花園大学でお話しさせていただいたときに、
生徒たちに霜降り肉と赤身肉のどっちが好き?
という質問をしてみた。

数年前なら、圧倒的に霜降り肉が多かったのだが結果は半々だった。

牛は産まれて8ヵ月あたりまでは、粗飼料を中心に与えてそれ以降は
穀物飼料を与える。

その穀物飼料は、ほとんど海外品に頼っているのが現状だ。
日本の食糧自給率は40%を切っているわけだが、厳密にいえば牛肉は日本で作られているが、
穀物は輸入品だから、これは自給食糧とは言えない。

話を霜降り肉に戻すと、10年ほど前からビタミンコントロールという技術が流行りだした。
私は技術だとは思っていないが、ビタミンを欠乏させてサシを入れるというやり方だ。

牛の肥育にはビタミン剤を与えるのだが、必須栄養素であるビタミンA剤をカット
することにより、意図的にサシを入れるのだ。

驚くなかれ、カットしない場合との差は歴然なのだ。

ビタミンコントロールを行った場合、Aランクになる確率は高く等級は4~5、
BMSは8以上になりやすいと言われている。

実際は、格付け基準が厳しくなってきているので、そのあたりは定かではないが
ビタミンAコントロールによって、牛の健康を損なうことも実際にはあるので理由はどうあれ
私は賛成しかねない。

そうやってサシを入れた牛肉が、いくらキレイな見栄えをしていても
おいしいとは思えないし、自信を持ってお客さまに販売することはできない。

2年前から、木下牧場さんにお願いしてグラスフェッドによる飼育をはじめている。

自家産のサイレージ(粗飼料)を通常の2倍与えて、穀物飼料は与えない。
穀物の代わりに、地元でとれた米ぬかやおから、豆乳粕などを与えるというわけだ。

穀物を与えないで育つのだろうかと、そんな声も聞こえてきそうだが
写真のとおり健康に育っている。

もちろん、ビタミンコントロールもしていない。
ただ、粗飼料をたっぷり与えて育てているので、穀物飼料で育てた牛と比較すれば
カロリーやタンパク質の量は違ってくる。

おまけに、増体効率も明らかに劣るため、枝肉重は300kg台の可能性が高い。

当然ながら、給与できるカロリーも少ないから、サシの量も期待できない。

しかし、牛はもともと草食動物なので、自然のまま育てた結果として
サシがあろうがなかろうが、事実として病気もせずに健康に育っている。
毛ツヤも最高に良く、今月21日の出荷が待ち遠しいぐらいだ。

私は、10年後の日本の畜産のあるべき姿がこの牛のような飼育だと思っている。

7月19日に、きたやま南山にて試食会を行うが、ぜひ畜産関係者はもとより
牛に興味、関心のある方は歴史の証人になっていただきたい。

ちなみに、当日は私も南山の厨房に入らせていただきお手伝いさせていただく。
そして、肝心の料理は、南草津のイタリアン、サルティンボッカの木村シェフに
腕をふるっていただく。

楽しみすぎて今からわくわくが止まらない。

2012年06月05日(火)更新

6月の課題図書




当社では、毎月、課題図書がある。
今月は「命をいただく」ということにスポットをあて
生産者から出荷された牛が「屠殺」されるということを、正面から受け止めて
各々が感じたことを述べてもらう。


・・・本書より


仕事は選ぶより続けるほうが格段に難しい。

そして続けられる理由なら私にも答えられる。

屠殺が続けるに値する仕事だと信じられたからだ。

ナイフの切れ味は喜びであり、

私のからだを通り過ぎて、牛の上に軌跡を残す。