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「食」を通して「美味しさ」とともに贅沢な時間と楽しさ、笑顔の「食卓」を提案します。
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2010年10月31日(日)更新
個人的に売りたい肉と商売として売らなければならない肉
海外からもわざわざ食べにくるという、カハラのオリジナル料理、伊賀牛のミルフィーユ
薄切りの霜降り肉を5枚重ねて焼いていて、ワサビをたっぷりのせ、もしくは辛味大根と
ニンニクチップで食べる。
私の感想は、薄切りといえども霜降り肉を5枚重ねると
けっこう食べるのに体力がいる。
結局は提案の仕方だと思う。
脂っぽいのは否めないし、これはどのブランド牛であろうが
雌牛であろうが、サシが強く入れば入るほど、そうそう数食べられるものじゃない
ということだ。
さて、10月も今日で終わりだが、
今月は様々なレストランの経営者や料理人とお話しする機会が多かった。
たくさんのご縁と勉強の機会を与えてくれたみなさまに感謝するとともに
記憶に残った話しをいくつか紹介したい。
タイトルの「個人的に売りたい肉」と「商売として売らなければならない肉」
という矛盾した話だが・・・
お客さんが求める近江牛は、サシがビッシリと入った特選クラス。
しかし、料理人が個人的に食べる肉は霜降り系ではなく赤身系。
う~ん、どうにも矛盾している。
個人的には、赤身系を食べるのに
商売となると霜降り系を使いたがる料理人が非常に多い。
では、なぜ赤身系をお客さんにすすめないのか?
「近江牛=霜降り」という観念が強すぎて
お客さんが求める近江牛がサシ優先だからだという。
以前に、ほんとうにおいしい霜降りが少な目の近江牛を出したところ
お客さんから「これ、ホントに近江牛?」と言われたそうだ。
確かに「目で食べる」というように
まずは見た目のインパクトでひきつけるのもアリかも知れない。
でも、時代は確実に「サシ重視から味重視」へと変化してきている。
某有名ホテルの料理人は、
赤身系の旨さをどのようにしてお客さんに伝えていくかが課題だ。
といって懸命に取り組んでいる。
大手がこのような取り組みをはじめているのに
中小のレストランは、いまだにサシだ、格付けだと変なこだわりをひきずっていては
衰退する一方だ。
自分が食べて、本当においしいと思った肉だけを
お客さんに提供し、そこから利益を出すにはどうすればいいのか、
このあたりを追求すべきではないかと思う。
言うは簡単、やるはむつかしいとは思うが、
ぜひ、チャレンジしていただきたい。
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