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2009年03月08日(日)更新

敬牛の集い

後藤牧場さんに「なかのり」という名前の牛がいます。
1990年の初産をかわきりに産みも産んだり19産もしました。
牛の寿命はだいたい20歳平均ということを考えると、
「なかのり」がどれだけ元気な牛なのかお分かりいただけるだろう。

さて、19産もした牛は、通常は廃牛扱いされることがほとんどだが、
後藤さんは「なかのり」の命が尽きるまで飼い続けようと考えていました。

しかし、本当の意味での“はなむけ”は、おいしく料理してたくさんの人に
食べてもらうことです。

後藤さんは京都の焼肉料理屋「南山」なら、「なかのり」を任せられると
楠本さんに命を繋ぐことにしました。

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後藤さんの想いを受け継いだ南山の楠本さんは、出荷の当日、お客様や
子供たちを連れだって「なかのり」の見送りにやってきました。

19産した牛を再飼育して肉牛にするという試みは、私が知っている限りでは
はじめてのこと。再飼育に関して、ご指導いただいた畜産農家のDr.コトーと
慕われる松本先生も鹿児島から駆けつけてくださった。

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牛肉と牛は違うものだと思っている子供がいるという事実。
わたしたち人間は命あるものを食べて生きています。
肉だけではなく米も野菜も命を宿しています。
そのような現実に背を向けず、子供たちに伝えることも大切なことです。
子供たちは絵を描いて「なかのり」に捧げます。

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松本先生の解説は丁寧でわかりやすく、子供たちの目が輝いています。

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「なかのり」が旅立つ時がやってきました。
子供たちの「なかのりさ~ん」というかけ声とともに「なかのり」は一鳴きして
みなに別れを告げるかのように旅立ちました。

子供たちの笑顔での見送りが印象的でした。
今日の子供たちはきっと心やさしく、たくましく育ってくれることでしょう。

さて、19産した牛の肉質はいったいどのようなものだろうか?
そして南山ではどのように料理するのだろうか?
このような牛を食べる機会はこの先たぶんないだろう。

畜産関係者だけでなく、一般の方々にもぜひ味わっていただきたい。
3月20日から南山でお披露目です。

春の近江牛祭り(3月20日~3月31日)
◆ きたやま南山 ◆
京都市左京区下鴨北野々神町31
Tel:075-722-4131

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お疲れ様でした。
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