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2012年03月20日(火)更新

ハレの日

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先日、大阪で講演を行った際の懇親会でのこと。
隣に座った24歳(女性)との会話がおもしろかった。

おもしろいというより、新鮮?いや違う、驚いたというほうが正しいかも知れない。

これが「いまどき」なのかどうかは他の若者と比較したわけではないので定かではないのだが
とにかく私の常識、「あたりまえ」とは逸脱していた。

以前、うちのバイト(学生)が飛騨高山に旅行に行った時の話をした。
素泊まりで、食事は近くのコンビニで済ませたそうで、旅行の楽しみといえば泊るところもそうなのだが
その土地の料理がメインみたいなもの。飛騨まで行ったのなら飛騨牛食べないと・・・

なんて話をしたのだが、驚きもせず私もそうしますよ。
と、いとも簡単に言い放ついまどきの子。

車も別に必要ないし、どうしても必要にせまられればレンタカーがあるし
第一、電車で十分事足りるでしょう。とのことだった。

驚いたのが、「ハレの日」についてだ。

昔は「ハレの日」に食べるのが牛肉であって・・・
なんてことを話すと、「へぇー、昔の人は天気の良い日はお肉を食べるんですね」との
私の引き出しにはないボケ(失礼、当人はいったって真面目でした)

検索すると「ハレの日」はこういうことだ。

「ハレの日」とは、ふだんの生活を示す「ケ」に対して、
冠婚葬祭や年中行事(お祭り)などが行われる改まった日を呼ばれました。

ハレの日になると、普段着とは違った晴れ着を身につけ、おせち料理などの特別な料理を作って、
神や近所の人々と共に飲食する風習がありました。

もともと米や酒もハレの日にだけ許された食べ物でした。
特に昔で言うところのお百姓さんは、ききんや日照り続きで、年貢に事欠くことがあっても、
このハレの日を励みに頑張ることができました。

そうした意味では、かつての日本人にとって、ハレの日は社会生活上の「飴」でもあったのです。



つまりは、昔は牛肉は高価なものだったということもあり
盆正月など特別な日に食べるものとしての位置付けだったのだ。

高い安いは別にして、現在では日常であたりまえのように牛肉を食べる機会が多くある。

それはそれでいいのだが、「ハレの日」には、服を新調して特別なものを食べて
非日常的であってほしいと思う。

そういうことをいつまでも大切に思える人間でありたいと思う。



 


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2012年03月18日(日)更新

エシカルな時代に目指すのはエシカルな牛肉



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今月は講演が多く、自分がいったい何屋なのかと思うぐらい少しハードだ。

正真正銘、肉屋であり、肉屋しかできない私だからこそ伝えることができることがあり
参加者のみなさんは、忙しい時間を割いて聞きに来てくれる。

しかし、申し訳ないが私はしゃべりがうまくないので、日によって出来不出来があるわけだ。
いままで納得できたしゃべりなんて1回もないが、それでも共感できる内容だったと言って
もらえると、自分の中ではホッとするわけで、時間をかけてレジメを作ったかいがあるというものだ。

さて、先日、ネットショップコンテスト北陸2012の表彰式において
基調講演をやらせていただいた。

以前からネットショップ系の講演をよく頼まれるのだが、
私にテクニックの話を期待しても無駄なわけで得意なのは根性論なのだ(笑)

餅は餅屋で、テクニック的な話は、その筋の方の講演を聞けばいいわけで
私が期待されるのは、実際にサイト運営しての実務から基づく経験談なのだ。

しかし、ここ最近感じることは、方向性についてだ。
自分が進むべき方向はこちらで合っているのか?

どこへ行っても参加者の感想からそんなことを感じることが多い。

2008年に「エシカル」という言葉を知ったのだが
ついに、というかやっとというか、先日病院の待合室で読んだ女性誌にも
「エシカル」について書かれていた。

エシカルとは直訳すると“倫理的”“道徳的”という意味で
エコやロハスに続く、新たな環境保護を目的としたキーワードとして注目をされている。

欧米では浸透しているエシカルだが、日本ではフェトレードがなじみ深い。
ただ、エシカルは環境保護だけではなく、地域や社会貢献まで考えた消費行動や
ライフスタイルで、幅広い意味を持つ。

震災から1年が過ぎ、少しずつだが日本人の消費行動が変化しつつある。
いままでは「自分のための消費」だったように思うのだが、この1年をみていると
「消費を通して支援を行う」へシフトへしつつあるに感じる。

もちろん、まだまだ少数ではあるが、「エシカル」を実践する人が増えれば
消費者は善意による幸福感が得られ、支援先に喜んでもらえる。

企業はイメージアップにつながり、末長く支援ができるというもの。

エシカルは、企業・消費者・支援先の三方が幸せになれる消費活動であり
いわゆる「三方よし」の教えなのだ。

さて、話を牛肉に戻そう。

和牛の肥育は、無理やりサシを入れるやり方が、ここ10年ほどで主流になってきた。
「和牛=霜降り」を否定する気はまったくないのだが、狭い畜舎に牛を詰め込んで
輸入の穀物飼料をたっぷり食べさせ、不健康なまでにサシを入れるやり方は
どうも好きにはなれない。

やれA5だの、チャンピオン牛だのと霜降り肉の押しつけのような売り方、見せ方は
今後、グローバルな視点からみればどうなんだろうと考えてしまう。

やりようによっては、国産グラスフィーディングの可能性だったあるわけだ。
もちろん、サシが入らない可能性が大きいので、受け入れ先の問題などがでてくるが
ギトギトした霜降り肉より、よほど旨くて肉本来の味がある。

ビタミンAやEもたっぷり入って健康にもいいし、草を多く給餌するので
βカロチンも摂取できる。

ということは、若さを保ち発がん性の予防にもつながるので、サプリメントを
必要以上に摂らなくてもいいということになる。

何度も言うが、霜降り肉を否定している訳ではない。
輸入自由化のときもそうであったように、TPPの影響で安価な輸入牛肉が巷に溢れたとき
価格競合を避けるためには、格付けが必要なのは承知している。

ネットショップ運営者が方向性について悩んでいるのと同様に
私たち畜産に携わる者も軸をしっかり立てて、どの道に進むべきなのか
真剣に考えるときがきているのではないだろうか。






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2012年01月30日(月)更新

奇跡のりんごが届いた

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「奇跡のりんご」の木村秋則さんを京都にお呼びして講演していただいたのが2年前


当日は、伊丹空港まで迎えに行き、車内で私が空港内で買った弁当を食べながら
京都の会場へ向かった。


時間にして1時間程度だったが、木村さんはしゃべりっぱなしだった。
講演では聞けないような話もしてくれた。



どうしたら大馬鹿者の大天才になれるのか...市川海老蔵


怒涛の4月、まずは奇跡のりんご、木村秋則さん



木村秋則さんについては、茂木健一郎さんの解説がわかりやすい。


ここまで木村さんを知ると、どうしても「りんご」が食べたくなる。


しかし、これがなかなか手に入らない。
聞くところによると3年待ちだそうだ。

木村さんのホームページにも記載されている。


昨年のこと、知り合いのお子さんが難病になってしまい
なんとかして木村さんのりんごを食べさせてやりたいと思った。

「奇跡のりんご」を食べて奇跡を起こしてほしい。

シャレやないけどそれぐらいしか私には思いつかなかった。


ありがたいことに、私と木村さんを繋いでくれた方が
木村さんの農園に出入りしていることもあり、なんとかなりそうとのことだった。


とりあえずはお願いしておいたのだが
昨年はりんごが不作だったらしくて送られてこなかった。


しばらく間があったので、りんごのことはすっかり忘れていた。


縁があればそのうち食べられるだろう・・・
そんなふうに思っていたのだが、昨日、貴重なりんごが届いた。


予測していなかったので驚いた。


さっそく、知人に電話してとりにきてもらった。
その日のうちに、Facebookにりんごを食べている子供の笑顔がアップされていた。



素敵な笑顔だった。


縁者の方々にも少しずつだがもらってもらった。
私も1個食べたが、身がしっかりしていて甘かった。



奇跡のりんごは腐らない。
しぼむだけだと聞いているので、あとの数個はしばらく食べずに飾っておくことにした。 


木村さんのりんごだったら1個、1,000円でも2,000円でも売れるだろう。
手間暇がかかっている分、ストーリー性もあるのでお客さんも納得して買うだろう。


しかし、奇跡のりんごはスーパーで売られているりんごと変わらない値段だ。



話は変わるが、日本には数えきれないほどのブランド牛が存在する。

有名無名はあるが、なにがどう違うのだろうか。

例えば、有名どころでは、松阪牛、神戸牛、米沢牛、前沢牛、飛騨牛などなど
もちろん、近江牛も入るだろう。


これらの仕入れ価格は、格付けによっては差があるだろうが
どこそこのブランド牛だからといって、驚くほど高く仕入れていることはない。

相場というものがあるので、それほど変わらないのだ。


しかし、販売価格を比べると、例えば同じロースでも、100g2,000円もあれば4,000円もあり
なかには、6,000円というビックリするような価格もある。

なぜこうも違うのか?

百貨店のテナントであれば場所代もいるだろうし、
従業員を多くかかえていれば経費もかかるだろう

考え方は各々違うだろうし、いくらで売ろうがそれは自由だ。

では、ネット販売における価格の違いはどうなのだろうか?


おっと、これから、京都へ出かけなければ行けないのでタイムアウトだ。








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2012年01月27日(金)更新

一歩先の気配り

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牧場へ連れて行ってほしいと声をかけられることが多い。

夏場はいいのだが、まわりに防ぐものがない牛舎は極寒で
四方八方から風やら雪やら、この時期は勘弁してほしい。

さて、某有名な大企業の社長から電話がかかってきた。

昼前にはそっちに着くから牛がみたいと。

電車でやってきた社長さんは、ジーンズにブーツといったいでたちだ。

この時期の牛舎は、雨風のためにかなり汚れている。
おまけに牛糞が所狭しと転がっていたりするので、靴は泥だらけになり帰りの車内に
素敵な匂いをまき散らすことになること間違いない。

社長さんには、トランクに積んでいた長靴に履きかえてもらい
牛舎内を一通り案内した。

案の定、長靴は泥まみれの牛糞まみれになった。

社長さんは、その長靴を素手で洗い出した。

この光景を見たのは今回だけではない。
過去にも3回程度、同じような場面に出くわしたことがある。

長靴にこびりついた牛糞は、時間の経過とともに硬くなり
少々の洗いではとれないのを、この社長さんは知っているのだ。

多少の気配りは私もできると自負しているのだが
一歩先を見越した気配りができるようになるには、まだまだ修行が足りない。





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2012年01月17日(火)更新

結果より成果

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樋口農園さんの野菜です。

カウンター越しにシェフが笑顔で説明してくれた。

樋口農園てどこにあるのかさえも知らないけど
こだわった野菜を作っているのだなという気持ちが伝わる。

本物の土ではありませんので、どうぞ召し上がってみてください。

料理の合間にふたたびカウンター越しに
シェフが笑顔でそう言った。

容器の中に樋口農園を再現しているのだろうが
このあとも心憎いばかりの演出が続いた。

さて、一昨年から開催している朝市だが
メインは牛肉ではなく、草津市の若手農家の筆頭、田渕農園さん直送の野菜たちだ。

月1から月2、そして毎週の開催となり、少しずつだが認知度もあがってきた。
新鮮でおいしい野菜なのでそのうち売れる日がくるだとうと、そんな感じで販売を続けてきた。

振りかえると、とにかくおいしい野菜で、しかも若者が農業をがんばっている姿を応援したくて
利益なしで販売していた。

ついでに、牛肉でも買ってくれればいいや、みたいな感じでスタートした。

売れなかった。

1回買った方は、かなりの確率で次も来てくれた。
やっぱり田渕さんの野菜はうまいんや。
そんな思いがスタッフみんなにあったと思う。

しかし、スタッフが手づくりのビラを配る程度の告知では
完売することがなかった。
いつも最後は自分たちが買って帰るはめだった。

野菜の担当者は、定休日の日も畑へ行って
次回の打ち合わせをしたりしていた。

そんな努力もむなしく完売することはなった。

夏場は、野菜が少ないこともあり、朝市は休止となり
秋からふたたびはじまるのだが、スタッフが価格について話し合っているのを
傍らでずーっと聞いていた。

とにかく安く、という流れになりそうだったので
そんなにおいしい野菜だと思うのであれば、高く売ればいいと
アドバイスした。

原価でも売れない、スーパーより安くしても売れない野菜が
そんなに高くして売れるのかと、みんなの顔に不安が見え隠れした。

そして、先日、はじめて完売したと担当者から
出張先の私にメールが届いた。

当たり前のことだが、商売もスポーツも結果がすべてだと思う。
いくら厳しい練習をしても負けてしまえばお終いだ。

しかし、行動やプロセスも同時に評価してこその結果だと考えれば
成果に目を向けていきたい。




2011年12月10日(土)更新

安全確保は消費者の権利

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最近の講演は、USTREAMで配信されるのことが多いので
カメラの向こうでもリアルに見られていると思うと妙に緊張する。

さて、先日の講演では過去10年間に畜産業界で起こった
偽装事件をピックアップした。

スライドの写真は、偽装とは異なるのだが、近江牛の証明書だ。
内容は、近江牛認定書、生産履歴書、子牛登記書、出荷証明書、放射能検査書の5枚だ。

いまや安全確保は消費者の権利であるという考え方から
これらの書類を同封して「安全」への証明としているわけだが
生産者から消費者の元に辿りつくには、いくつもの流通過程がある。

つまり、大きな枝肉をそのまま流通させるにはなんら問題はないのだが
枝肉から部位別に細か分かれることが一般的だ。

そのたびに、証明書がコピーされるわけだから結局100枚でも200枚でも
同じ証明書が存在することになる。

国産牛に近江牛の証明書をつけて・・・

なんてことも、やろうと思えば簡単にできてしまうのだ。

紙っきれを信用するのではなく、もっと取り組みをみて買い物してほしい。
ネット上には、いかにも的な広告がたくさんある。

そういうものに惑わされずに、商品の背景を知り
ブランドよりもどこの店で買うのかを重要視していただきたい。

先月、こんな事件があった。

北海道石狩市の焼肉レストランが中国人の団体旅行客に
さまざまな産地から仕入れた国産和牛を「松阪牛」と称して販売していたというのだ。

偽装していたのは、サーロインとヒレの2種類で
1枚180グラム程度をそれぞれ3700円前後で販売していたらしい。

問題はここからだ。

店側はこれらの牛肉を箱詰めにして、生産者が記された松阪牛の証明書をコピーし
さらには「松阪」と印字された自作のシールを箱に貼るなどの工作もしていた。

まさしく、証明書のコピーのバラまきだ。

こういった事件は10年前から後を絶たないが
今後も公になるかならないかだけで、なくなることはないだろう。

当店でも証明書は付けているが、それよりも取り組みを知ってもらうことが
重要であり、消費者の方は商品の裏側をしっかり見て買い物していただきたい。

2011年12月09日(金)更新

「A5=おいしい」は間違いだ

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経済産業省中小企業庁委託事業として開催されている情報啓発モラルセミナーの東京講演に出講させていただいた。

「企業に求められる情報モラルと人権への配慮」がテーマなのだが私は畜産業界からみた、
食の安全・安心と信頼確保のための情報モラルについて話させていただいた。

本題とは少しズレるが、どうしても私の話は牛肉のことが多くなる。
情報モラルの講演で牛肉の、しかも格付けの話はどうかと思ったのだが話の流れでどうしてもハズせない。

参加者の中から「格付けとおいしさは関係ない」という話は衝撃だったという意見があった。

みなさんは、和牛の評価はどうやって決められているかご存知ですか?

じつは、ブランドではなく、格付けがすべてなんです。
近江牛だからとか、松阪牛だとかではなく格付けがすべてにおいて優先されるのです。

格付け制度は、1960年代からはじまっていてこの制度があるおかげで
91年の牛肉自由化において和牛肉と輸入牛肉の差別化ができ、しいては価格競合から守ることができました。

しかし、格付けはあくまでも見た目の評価であって実際においしさはあまり関係ない
と言うのがホントのところなのです。

つまり、格付けは牛肉を評価する「ものさし」であって取引価格を決める目安なのです。
最近では、消費者の方も「A5」という言葉はご存じの方も多いようだが、
A5とは、現在の最高レベルの格付けだ。

ところが、おいしさにはあまり関係がないのが実際のところなのだ。

しかし、生産者は、A5になるようにあらゆる努力をして育てるのです。

ある雑誌に、獣医師の松本先生がこんな興味深いことを書いていた。

帯広畜産大学の田口教授の研究では、14年前、脂肪交雑のじゅりょうひ34%の牛肉は BMSが11だったが
今では6の評価しかなく、高評価を得るために霜降り度合いを高めないといけない。

専門用語が多いので分かりにくいと思うが、簡単に言うと 14年前は、A5評価の牛肉が今ではA3、
もしくはA4の評価でしかみてもらえない。ということだ。

ちなみに、BMSというのは霜降り度合いのことで、1~12で評価される。

そこで、霜降り度合いを高めるために、ビタミンコントロールを行う。

つまり、牛の栄養バランスを保つために与えているビタミンAを欠乏させてサシが入りやすいようにするのだ。
ビタ欠なんて呼ばれているのだが、生産者はA5に近づけるために欠乏期間を長くして牛に負担をかけることがある。

もちろん、ある程度のビタ欠は問題のない範囲なのだがなかには最初からビタミンを一切与えない生産者もいる。

そうなると、牛は食欲低下や視覚障害の副作用が起こり死に至ることもある。

生産者は、格付けがすべてではないが、少しでも高く買ってもらうたまにはサシをたくさん入れたいのが本音だろう。

お客さんから、A5の牛肉はおいていますか?

といった問い合わせがたまにある。

A5=おいしい これはホントに大きな間違いなのだ。

料理の仕方や調理法によってはA5でもおいしいだろうが
素材の良さを楽しむために焼いて塩だけで食べてみるとよくわかる。

脂っぽくて1~2枚食べれば十分満足してしまう。
それよりも、格付けに惑わされずに、A3でもA4でもその牛肉の背景を知り、
そしてだれから買うのかを重要視してもらいたい。

とくに12月はお歳暮の時期で、大切な方に高価な牛肉を送る機会も多くなるだろう。
見栄えで選ぶのではなく、取り組みをしっかり確認してから商品選びをしていただきたい。

当店では、問屋さんからの仕入れではなく私自身が、自分の目で見て仕入れをしているのだがまず、
知らない生産者から買うことはない。

懇意にしている生産者から買い付けることを重要視しているのは環境や飼料、
そしてなによりも生産者の人柄を知っているからだ。

そうして自分が納得した商品でないと、お客さんに自信を持ってすすめられないしなによりも、
自分が食べたいと思う商品でなければ楽しくない。

パネル討論で、弁護士の牧野先生が、ワインのソムリエのように 
牛肉も正しい情報を伝える道標が必要ではないかとの意見があった。

2011年11月10日(木)更新

TPPでどうなる日本?

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TPPについてどう思われますか?


ある雑誌の取材で、聞かれた。
本題は牛肉の取材だったのだが、ライターがTPPの記事も書いてるとのことで
私にも意見を伺いたいとのことだ。

まぁ、ええんちゃうの。

これが私の答えだった。

実はよく知らないのだ。
もちろんTPPという名前ぐらいはテレビから聞こえてくる暗号めいたアルファベットで知っていた。
しかし、なんのこっちゃが正直なところで、曖昧な返事をしてしまった。

ライターは、あ、ああ・・・・・

たった3文字でTPPの話は終了した。

なんか知らんが敗北感にも似た後味の悪さだけが残った。

その日の夜、やまけんさんのブログにTPPをわかりやすく解説した本はこれや。
みたいなことが書かれていて、やまけんさんも寄稿しているという。
早速、やまけんさんに連絡して1冊送ってもらった。

TPPで日本はよくならないというのを前提で、いろんな方の考え方、意見が載っているが
読んでも読んでも理解できないものから、なるほど!と電球に灯りがつくようなわかりやすい文章まで
多岐にわたり解説されている。

季刊地域(→クリック

移動中の雑誌や新聞で仕入れた薄い知識と合わせた私の意見はこうだ。

畜産以外の例えは難しくて私には理解しずらいのが正直なところだが
簡単に言うと、「参加した国が、お互いの輸出品にかけている関税を0%にする」という取り決め
がTTPなのだ。

正しくは「環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Partnership)」というらしい。

で、賛成だの反対だのと議論されている内容だが
いったい日本がTPPに参加することによって我々にどんな影響があるのだろうか。

そこがいま一つ分かりにくいのだ。
 

最も注目されているのが農業だが、日本は農家を保護するために
外国産の農産物に高い関税をかけている。

これがなくなれば、保護できないから当然反対となるわけだ。

例えば、こんにゃく1706%、米778%、バター360%の関税がゼロになったらどうなるだろうか。
アホな私でも分かるが、輸入農産物がめちゃくちゃ安くなる。激安だ。

そりゃ、野菜や青果のように鮮度が最重要視されるものであれば
安さに対抗できるが、穀物や粗糖は大きく影響を受けるだろう。

米だって、いまはパサパサの輸入米は毎日口にする日本人の口には合わないと言われているが
関税がゼロになるなら、日本の技術を輸出して国産米に近い味の短粒種が海外で生産されるように
なるだろう。そうすると安くておいしい輸入米に日本の米が太刀打ちできるはずがない。

生き残れるのは、高価なブランド米だけという声もあるが
それすら危ういと私は思っている。

BSEだ、放射性セシウムだとあれだけ騒がれても
安売りの肉に飛びつく消費者がわんさかいるのが現実で
安全な肉を求めながら安売りに走る消費者に何度首をかしげたことか。

BSE問題で10桁の個体番号の表示が義務付けられたが
畜産業、肉屋、焼肉屋など肉がメインの職種にだけ適応で
それ以外の外食産業には義務化されていない。

例えば、居酒屋のメニューにあるサイコロステーキがどこ産なのか
表示義務がないからあえて表示はしない。

それを気にして食べる人もいないということだろうが
冷静に考えたらこれほど怖いことはない。

外食産業は、今後益々価格競争が激しくなることが予想されるが
そうなると原価の見直しがされ、コストの低い輸入品に一気に流れるだろう。
しかも、原産地表示の義務がないのだからやりたい放題だ。

BSE以降、いままで積み上げてきた安全や安心はなんだったのか。

平成3年度の牛肉輸入自由化で、安価な米国産牛が国産牛にとってかわり
乳牛農家が苦しみ、2001年のBSE問題では、破たんした農家が多かった。

米国産の牛肉が輸入禁止となり、その後は国産牛の相場が高騰し
一時は、和牛と変わらない相場が続いたこともあった。

しかし、TTPに参加すればまたもや同じことが繰り返される。

牛肉の関税率は38.5%だがこれがゼロになると、輸入商社は仕入れ値が4割も安くなる。
そうなると、現在の国産牛のラインが輸入牛にとって代わられることは必至だ。
 

TTPに参加することの、もっとも大きなデメリットは
反対派が懸念するように日本の農業が壊滅されることだろう。
 

間違いなく国産の農作物は、安さで外国産に太刀打ちできなくなる。
関税の高い、こんにゃく(1706%)、米(778%)、バター(360%)などを生産している農家は職を失い
乳牛やF1を肥育している農家は廃業に追い込まれるだろう。
 

農水省は、TPP参加が実現すれば、農産物の生産額が4.1兆円分減少して
食料自給率が40%から13%に低下すると予測。農業関係者340万人が職を失うと警告している。
 

そうなると、水田が失われ、農村から人がいなくなり、農地が荒れ放題になり
水は汚れ、自然が壊滅するだろう。

BSEに関しても、米国は間違いなく月齢規制の撤廃を要求してくるだろうし
日本は飲まなければいけない立場に追い込まれるだろう。


膨大な生産量を誇る米国では、食肉はトレーサビリティが実質上不可能で
衛生面でも問題がありすぎる。


品質管理も杜撰で、中身違いなんて日常茶飯事だ。
ストリップロイン(サーロイン)を発注して、届いた箱を開けたら中身はテンダーロイン(ヒレ)だった、
なんてこともあるぐらいだ。

牛のエサに関してもそうだ。
国産の飼料だけで育てている農家はあるにはあるが稀である。
大半が輸入の飼料に頼らないと肥育できない。

季刊地域に掲載されていた東大の先生によると
ウィスコンシン大学のある教授は
「食料は軍事的武器と同じであり、直接食べる食料だけでなく、畜産物のエサが重要」

日本に対して、日本で畜産が行われているように見えても
エサをすべて米国から供給すれば、完全にコントロールできる。

これを世界に広げていくのが米国の食糧戦略だ。
そのために農家の子弟には頑張ってほしい

授業ではこのようなことを教えていたという。

私自身も、まだまだ理解できないことが多すぎるのだが
やまけんさんから送ってもらった季刊地域「TPPでどうなる日本?」を読み終えて
現段階で感じたことことを書いてみた。
 


 


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2011年10月07日(金)更新

区切りの10年、これからの10年

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畜産業界を取り巻く環境は、年々厳しく、ここ10年を振り返ってみても

0-157にはじまり、BSE問題、口蹄疫、ユッケ事件、
震災による放射性セシウムの問題など数えたらきりがないほどです。

2001年9月に発生したBSE、いわゆる狂牛病問題は、
日本の畜産業界に大きな打撃を与えました。

そのときから私の10年計画がスタートしました。

志の高い生産者を応援し、共感作業することにより、
あたりまえの安全、あたりまえの安心を手に入れる取り組みです。

さらに、日本の風土に根付いた、食文化を伝え、
本当においしいものを食べる喜びを、みなさまに、次代を担う子供たちに知ってもらいたい・・・・・・。

 輸入の飼料に頼りきりではなく、自然循環型のサイクルで育てた粗飼料を与え
牛にも人にも無理させることなく、自然のまま育てた牛の肉はほんとうにおいしい。

 気がつけば、今年でちょうど10年がたちました。


昨日、スティーブ・ジョブスが、亡くなったとニュースで知りました。
世間が騒ぐほど、私はスティーブ・ジョブスのことをほとんど知りません。

しかし、ジョブスの恩恵を受けた人が全世界にたくさんいることは知っています。
iphonやipadを使っている私も間違いなく、その1人です。

ジョブスは56歳だったそうだが、自分の役割を果たしてあの世に逝ったのだと思うと
早ければどうとか遅ければどうとか、あまり関係ないのかも知れない。

そんなことを漠然と考えていると、私が生まれてきた役割はなんだろうかと思ってしまう。

もちろん、理由はいくら考えても出てこないが、
才能も何もない私ができることといえば、肉のことしかない。

○○歳で一線から身を引いて・・・

なんて話をよく耳にするが、私はこれから先も肉に邁進したい。

来週、私は50歳となる。

長年勤めていたスタッフ2名が退職し
新しいスタッフが奮闘している。

本日、黒を基調にしたサイトを一新してリニューアルオープンした。

そして、再び10年計画がスタートします。

いままで、私のつまらないブログにも、たくさんの方がご訪問くださり感謝しています。
つきましては、今後はこちらにて、さらなる牛肉道を突き詰めてまいりたい所存です。

どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
 


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2011年09月23日(金)更新

ブランド牛のコロッケ

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写真のコロッケを見てどこそこのコロッケだと分かる人はいるだろうか?

間違いなくいないだろう。

では、写真ではなく実物を見て、食べてわかる人はいるだろうか?

ビールや日本酒の利き酒ならいざ知らず
利き肉でズバリ当てる確率はかなり低い。

写真は、松阪牛のコロッケだが
久しぶりにおいしいコロッケを食べた。

ブランド牛の冠がついたコロッケは
数え切れないほど出回っているが、どれも似通った味で
何も言われなければブランド名など分かる由もない。

このコロッケは松阪牛だからうまいのではなく
この店のレシピがうまいのであって、そのうえで素材が活かされているのだと思う。

ただ、こういったものは市場にたくさん出回らない。
なぜなら、1つ1つ手づくりで大量生産できないからだ。

欲を出して大量生産した時点で終わりだ。
味が落ち、原料も不足し出すことが目に見えている。

当店でいえば、近江牛専門店が極めたカレーがそれだ。

業務用として取り扱いたいと
全国の小売店やスーパーなどから引き合いがあるのだが
数少ない原料で作っているため受けるに受けられないのが現状なのです。

近江牛にしろ松阪牛にしろ特定のブランド牛の場合、
「販売量にあわせた生産システム」ではなく「生産量にあわせた販売システム」でなければならない。




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近江牛さかえや

近江牛の販売【近江牛ドットコム】
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会社概要

(株)サカエヤでは、「食」を通して「美味しさ」とともに贅沢な時間と楽しさ、笑顔の「食卓」を提案します。 【関連会社】 株式会社 アヴァッツ 近江牛ドットコム株式会社

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個人プロフィール

1961年、父と母が京都にて繁殖に成功。玉のような可愛い赤ちゃんとして生誕。現在、中年おっさん道を順調に歩んでおります。

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