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2012年03月27日(火)更新

コーヒーハンター Mi Cafeto






















いつだったか友人から、六本木に1杯1,800円もするコーヒーの店があると聞いた。
なんでもコーヒーハンターがやってる店らしく・・・


 

といっても、なんのことやらさっぱりわからず、友人が言うには、
いままで味わったことのない最高のコーヒーが飲めるとのこと。


 

しかし別の友人の話では、家で飲んでるコーヒーのほうがうまいとの感想。

 

さて、どっちなのか。

 

もちろん、こういうものは味覚や価値観の違いでどれが正解なんてないわけで
味の評価なんてユーザー自身が決めることだ。


 

お偉い方々が旨いと評価すれば、そんな気になるし、その逆もありで
正直なところ、よほど粗悪なもでない限り、そんなに変わらないのではないかと思う。


 

ところで、このお店は、Mi Cafetoという名前で、コーヒーハンター川島良彰氏が
最高においしいコーヒーを追求したブランドだそうです。


 

日本のコーヒー栽培技師で、UCC上島珈琲の生産責任者として、
30数年間世界中の2,000以上のコーヒー農園を渡り歩き、その後も世界屈指の
コーヒーハンターとして現地の人とともに至宝のコーヒーを目指しているとのこと。


 

さて、実際の味はどうだったのか、ということだが
まず、小雨降る六本木を迷いながらMi Cafetoに辿りついたときには、
店内には1組のお客さんだけだった。


 

しかし、次から次へとお客さんが入りだし、すぐに満席になった。

 

いくつか種類があったが、店員さんのおススメでもある、
ブルーマウンテン1,800円をお願いした。


 

15分ぐらい待っただろうか、1,800円のコーヒーが運ばれてきた。

 

ジャマイカのジュニパー・ピーク農園のウンヌンカンヌン・・・

 

といったような説明が入り、きれいなポットとカップが置かれた。

 

ポットには3杯分程度入っていたので、実質1杯600円ぐらいかな、
ということは、ホテルで飲むコーヒーとそんなに変わらないでわないか。


 

待っている間に、テーブルに置かれていた1冊の本を手に取ってみると
こんなことが書かれていた。

 


世界中の農園を回り、僕は自分の知らないコーヒーにたくさん出会いました。
コーヒーの奥の深さを体験し、そのままずっと産地にいようかと思いながら
過ごす中で、ある日、思ったんです。


 

産地の人たちは豆の生産現場しか知らない。
自分たちの作ったコーヒーがどう飲まれているのか、どうしたらおいしくなるのか、
そして、どうしたらもっとおいしくなるのか、そしてどうしたらもっと市場を広げ
られるのかを伝えたいと思いました。


 

一方、消費国の日本はごく一部のコーヒーしか知らない。
素材そのものの楽しみ方ではなく、焙煎と抽出に特化しているのは、
いい豆が入ってこなかった歴史があったからなのですが、
そのことを知っている人はコーヒー業界の方でもあまりいません。



・・・・・・・・・・・・・・・ とまぁ、話はまだまだ続くのですが、


コーヒーハンター川島氏が、素材からやったからこそ現地の現状を知ることができ
また、エシカルなコーヒー伝道師として、特別なコーヒーを販売できるまでに至ったのだろう。


とそんなことを感じた次第だ
 

けっして高くはない1,800円の特別なコーヒーは、生産者のことも消費者のことも
両方知っているからこその値付けであり、それが自分たちだけではなく、
産地も守ることにも繋がりしいては、コーヒー文化の普及にも繋がるのではないかと、
いたく感銘したのだった。


 

私ごとで恐縮だが、先日、ネットショップコンテスト北陸2012
審査員と基調講演を担当させていただき
講演の内容をウォンツの岩崎さんがまとめてくれているので、ぜひご覧いただきたい。


 

川島氏とはレベルが違いすぎるが目指している方向は同じなのかなと共感する
ところが多くあった


 

あ、肝心のコーヒーの味だが、よほどのコーヒー通でない限り違いが分からないと思う。
ただ、ゆっくりと流れる時間のなかで味わうコーヒーの奥深さ、そして後味のすばらしさは
値段以上に価値があるものだと感じた。


 

また行きたいですか?



と尋ねられたら
私は迷わず、ぜひ、と答えるでしょう。