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2009年03月16日(月)更新

歩いて、歩いて、歩いて・・・

1452

高速バスに揺られながら
雪景色の山間を抜けると、目的地の道の駅に到着した。

時間も早かったので、店内を物色し、飴を買った。
レジの女の子に今夜宿泊する「民宿 日野」はどこですか?
と尋ねた。

そこに見えてる信号を曲がってまっすぐ行けばあります。
と答えてくれたが、表情に戸惑いを感じた。
(あ、この子、ほんまは知らんのに適当に答えたな)と内心思った。

信号を曲がってまっすぐ行くが「民宿 日野」が見当たらない。

やっぱり・・・

手帳に電話番号を控えていたので「民宿 日野」に電話する。
すると、道の駅をまっすぐ7キロ行くと病院があるので、その信号を右に曲がって
7キロ先にあるとのこと。

タクシーもなければ車もない。
とりあえず歩くしか手立てはないようだ。

21500

写真を撮りながらボチボチ歩いた。

この日の朝は異常に寒かったので、スーツの下にタイツやらベストやら、
おまけにコートにマフラー、手袋にマスクと完全な真冬仕様だ。

これがアダとなった。
しかも、パソコンやらパジャマやらギッシリ詰まったカバンが重い。

30分ぐらい歩いただろうか、
体内からじわりと汗がにじんできた。

着こみすぎたせいで、額からも汗がでてきた。
風が冷たいので耳だけがちぎれそうに痛い。
そうこうしているうちに雪が降ってきた。

うわぁ~、最悪や

あまりにも遠いのでもう一度「民宿 日野」に電話してみた。
やはり1回目と同じく病院を曲がって7キロ先だと言う。
(おいおい、迎えに来いよ)と内心思う。

病院を曲がったところに電器屋があったので
「民宿 日野」はどこにありますか?と聞いてみた。

電器屋のおじさんは、
私が来た方向を指さして7キロ先だと言った。

え、どういうこと?

「民宿 日野」に電話してみた。
すると、そこは「民宿 日野」ではなかった。

え、どういうこと?

電話をすると、「はい、民宿*×△∴×」と語尾が聞き取りにくい。
言葉が滑ると言うのか、私が「民宿 日野」じゃないんですか?
と聞くと、このときはハッキリと違いますと答えた。

「*×△∴×」を勝手に「民宿 日野」だと思い込んでいたようだ。
(最初からハッキリしゃべれよ)と内心思う。

事の顛末はこうだ。
最初に「民宿*×△∴×」を予約したのだが、
主催者側から「民宿 日野」が会場から近いのでそちらを予約してほしいと
言われた。そのとおりに「民宿 日野」を予約して「民宿*×△∴×」をキャンセルした。
このとき、手帳に書いた「民宿*×△∴×」を「民宿 日野」に
書き換えたのだが、電話番号を書きかえるのを忘れてしまった。

会社に電話して「民宿 日野」の電話番号を調べてもらい
正真正銘の「民宿 日野」に電話すると、
道の駅を出て信号を曲がって真っ直ぐだと言う。

ゲッ、道の駅のお姉さんが言ってたのが正解やったんや。
(もっとハッキリしゃべれよ)と内心思う。

来た道を帰るほど辛いものはない。
ついに足はガクガク震えだし、体全体が熱を帯びたように熱くなり、
耳はちぎれていないか時折確かめながら1時間ほど歩いてやっと
「民宿 日野」にたどり着いた。
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